FSMS食品安全マネジメントシステムとは?規格の種類をわかりやすく解説
投稿日:2026年5月27日 最終更新日:2026年6月1日

食品の安全性を確保するための仕組みであるFSMS(食品安全マネジメントシステム)。
食の安全に対する消費者の関心が高まる中、多くの食品関連企業が導入を進めています。
今回は、FSMSの基礎知識をはじめ、ISO 22000やFSSC 22000、HACCP、JFS規格といった主要な規格の種類や違い、自社に最適な規格の選び方まで詳しく解説します。
Contents
FSMS(食品安全マネジメントシステム)の基礎知識
食品を扱う企業にとって、食中毒や異物混入といった事故は、企業の存続を揺るがしかねない重大なリスクです。
こうしたリスクを未然に防ぎ、消費者に安全な食品を届けるための仕組みがFSMSです。
まずは、FSMSの定義や重要性、対象となる業種について詳しく見ていきましょう。
FSMSとは何か
FSMSとは、Food Safety Management Systemの略称で、日本語では「食品安全マネジメントシステム」と呼ばれます。
食品の製造や加工、流通、販売などのあらゆるプロセスにおいて、食品の安全性を脅かす要因(ハザード)を科学的に分析・管理し、継続的に改善していくための組織的な管理体制のことです。
単に現場の衛生管理や清掃を徹底するだけでなく、経営層から現場の作業員までが一体となり、組織全体で食品安全を確保するための仕組み(PDCAサイクル)を回していくことが大きな特徴です。
ISO 22000などの国際規格では、組織のマネジメント手法と現場の衛生管理手法を融合させた高度なシステムが求められます。
食品安全の重要性と背景
近年、食の安全に対する消費者の目は非常に厳しくなっています。
SNSの普及により、万が一食品事故や異物混入が発生した場合、その情報は一瞬で拡散し、企業のブランドイメージは失墜してしまいます。
商品の回収費用や損害賠償、操業停止による損失など、企業が被る金銭的・社会的なダメージは計り知れません。
また、食品のサプライチェーン(調達から消費までのつながり)がグローバル化したことにより、原材料の調達先が海外に及ぶことも珍しくなくなりました。
このような背景から、国境を越えて共通の基準で食品の安全性を評価・管理できる共通の仕組みが不可欠となり、FSMSへの注目が急速に高まっています。
日本国内においても、食品衛生法の改正に伴い、すべての事業者に対してHACCPに沿った衛生管理が制度化されたことも、FSMS導入を後押しする大きな要因となっています。
FSMSが対象とする業種・サプライチェーン
FSMSは、食品を直接製造する工場だけが対象となるわけではありません。
農場から食卓まで(From Farm to Fork)という言葉があるように、食品が消費者に届くまでのすべてのプロセスに関わる事業者が対象となります。具体的には、以下のような業種がFSMSの対象に含まれます。
・農業、畜産業、水産業などの一次生産者
・食品加工、製造業(惣菜、菓子、飲料、調味料、冷凍食品など)
・食品の卸売、小売、流通、倉庫、物流業者
・飲食店、給食センター、ホテル、お弁当専門店などの外食・給食事業者
・食品用の容器や包装資材の製造業者
・食品工場で使用される洗剤や消毒剤、製造機械、検査機器のメーカー
このように、食品に直接触れる企業だけでなく、間接的に食品安全に関わる周辺業界も含めたサプライチェーン全体でFSMSを導入・運用することが、業界全体の信頼性向上に繋がっています。
食品安全に関する主要な規格の種類
食品安全を証明するためのFSMSには、いくつかの代表的な規格が存在します。それぞれの規格には、開発された背景や対象とする範囲、厳格さに違いがあります。
ここでは、主要な4つの規格について詳しく解説します。
HACCP(ハサップ)
HACCPは、Hazard Analysis and Critical Control Pointの略で、食品の製造・加工工程における衛生管理の管理手法です。
従来の「最終製品の抜き取り検査」に頼る管理とは異なり、全工程で発生する可能性のある危害要因(生物的、化学的、物理的リスク)を分析し、特に重要な工程(重要管理点)を連続的に監視・記録することで、不良品の発生を未然に防ぎます。
HACCPの構築には、以下の「7原則12手順」と呼ばれる具体的なステップに沿って進める必要があります。これはすべての食品安全規格の根幹となる非常に重要なプロセスです。
・手順1:HACCPチームの編成(社内の各部門から専門知識を持つメンバーを集める)
・手順2:製品説明書の作成(原材料、製品の特徴、保存方法、賞味期限などを明確にする)
・手順3:意図する用途及び対象消費者の確認(誰がどのように食べるか、加熱の有無などを想定する)
・手順4:製造工程一覧図(フローダイアグラム)の作成(受入から出荷までのプロセスの流れを図式化する)
・手順5:製造工程一覧図の現場確認(図面と実際の現場の動きにズレがないか目視で確認する)
・手順6(原則1):危害要因(ハザード)分析の実施(各工程で発生し得るリスクを洗い出す)
・手順7(原則2):重要管理点(CCP)の決定(リスクを確実に取り除く・低減するための必須工程を決める)
・手順8(原則3):管理基準(CL)の設定(殺菌温度や時間など、安全と危険をわける許容限界を決める)
・手順9(原則4):モニタリング方法の設定(管理基準が守られているか監視・測定・記録する方法を決める)
・手順10(原則5):改善措置の設定(基準から外れた場合の対処法や、対象製品の隔離方法を決める)
・手順11(原則6):検証方法の設定(HACCPが正しく機能しているか、計画通りかを確認する方法を決める)
・手順12(原則7):記録の保存及び文書化のシステム設定(実施した内容の証拠を残し、管理する仕組みを作る)
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ISO 22000
ISO 22000は、国際標準化機構(ISO)が定めた、食品安全マネジメントシステムの国際規格です。
先述したHACCPの食品安全管理手法に、ISO 9001(品質マネジメントシステム)の組織管理の枠組みを融合させた規格となっています。
HACCPが「現場の製造ラインにおける衛生管理」に焦点を当てているのに対し、ISO 22000は「経営層の関与や組織全体の管理体制」までをカバーしています。
具体的には、社内外のコミュニケーション、経営陣による見直し(マネジメントレビュー)、継続的な改善(PDCAサイクル)などが要求事項に含まれており、現場だけでなく会社全体で食品安全を守る仕組みづくりが可能です。
また、製造業だけでなく物流や小売など、サプライチェーンのどの事業者でも適用できる汎用性の高さを持っています。
FSSC 22000
FSSC 22000は、Food Safety System Certification 22000の略で、ISO 22000をベースに、さらに要求事項を厳格化した国際的な食品安全認証スキームです。
オランダのFSSC 22000財団によって開発されました。
ISO 22000の内容に加えて、より具体的な現場の衛生管理基準である「前提条件プログラム(ISO/TS 22002シリーズ)」と、FSSC独自の「追加要求事項」が組み合わされています。
ISO 22000では少し曖昧だった現場の施設設備や防虫防鼠、衛生管理の具体的な手法が明確に規定されています。
FSSC 22000の大きな特徴は、世界的な大手の流通・食品メーカーが主導する非営利団体GFSI(国際食品安全イニシアチブ)によって承認されている点です。
GFSI承認規格は世界最高水準の食品安全規格とみなされているため、海外企業やグローバル展開する大手量販店との取引において、取得を強く求められるケースが非常に増えています。
また、昨今のトレンドとして、食品への意図的な毒物混入などを防ぐ「フードディフェンス(食品防御)」や、原材料の偽装を防ぐ「フードフラウド(食品偽装防止)」、さらには組織全体で食品安全への意識を高める「食品安全カルチャー」の醸成といった、最新の社会的リスクに対応する要求事項が含まれていることも特徴です。
JFS規格(日本発の食品安全規格)
JFS規格は、一般財団法人食品安全マネジメント協会(JFSM)が開発・運営している、日本発の食品安全マネジメント規格です。
日本の食品業界の商習慣や現場の特性に配慮しつつ、国際水準の管理を目指せるように設計されています。
JFS規格には、企業の規模や目指すレベルに応じてステップアップできるよう、以下の3つのレベル(セクター)が用意されています。
・JFS-A規格:組織マネジメントの基礎と、一般的な衛生管理(HACCPの考え方を取り入れた衛生管理)を対象とした、主に小規模事業者向けの規格です。
・JFS-B規格:JFS-Aの内容に加え、HACCPの7原則12手順の運用を義務付けた規格です。日本国内のHACCP義務化に完全対応しており、国内の大手小売業や食品メーカーとの取引で広く認められています。
・JFS-C規格:JFS-Bの内容に、国際的な要求事項を追加した最上位の規格です。GFSI(国際食品安全イニシアチブ)の承認を受けており、FSSC 22000と同等の国際水準の規格として位置づけられています。
中小企業がまずはA規格やB規格から取り組み、段階的にC規格へとステップアップしていける仕組みになっているため、無理なく導入を進められるのが大きなメリットです。
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各規格の違いと選び方のポイント
ここまで紹介した4つの規格(HACCP、ISO 22000、FSSC 22000、JFS規格)には、それぞれ異なる特徴やカバー範囲があります。
自社がどの規格を目指すべきか迷ってしまう担当者の方も多いのではないでしょうか。ここでは、規格ごとの違いを整理し、選ぶ際の判断基準を解説します。
規格ごとの比較
それぞれの規格の位置づけや特徴をわかりやすく表にまとめました。
| 規格名 | 位置づけ | 主な対象・特徴 | GFSI承認 |
|---|---|---|---|
| HACCP | 衛生管理の手法 | 製造工程におけるハザード制御の基本。国内全事業者に義務化。 | なし |
| ISO 22000 | 国際マネジメント規格 | HACCP+ISOの組織管理枠組み。サプライチェーン全体が対象。 | なし |
| FSSC 22000 | 国際認証スキーム | ISO 22000+厳格な衛生基準+追加要求。グローバル水準。輸出するならこちら。 | あり |
| JFS規格(A/B) | 日本発の国内向け規格 | 日本の商習慣に適合。段階的なステップアップが可能。 | なし |
| JFS規格(C) | 日本発の国際水準規格 | JFS規格の最上位。FSSC 22000と同等の厳格さを持つ。輸出するならこちら。 | あり |
HACCPはすべての土台であり、ISO 22000やFSSC 22000、JFS規格はその土台の上に組織的な管理体制を上乗せしたシステムであると言えます。
上に行くほど、またGFSI承認があるほど、要求事項が多く難易度が高くなります。
自社に最適な規格を選ぶ基準
自社がどの規格を導入・取得すべきかを決める際には、以下の3つの視点から総合的に判断することが大切です。
取引先からの要求
最も確実な判断基準は、主要な取引先や、今後新規開拓したいターゲット企業からの要求です。
「FSSC 22000の取得が取引の条件」と言われている場合は、選択の余地なくFSSC 22000を目指すことになります。
国内の取引が中心で、まずはHACCP義務化への対応や国内大手の信頼を得たいということであれば、JFS-B規格やISO 22000が有力な選択肢となります。
企業の規模と目的
現在の自社の管理体制や、割くことができるリソース(人員・予算)も考慮しなければなりません。
最初から最高水準のFSSC 22000やJFS-C規格を目指すと、マニュアルの作成や現場の改修、従業員の教育などの負担が大きすぎて、途中で挫折してしまうリスクがあります。
まだ衛生管理の基盤が整っていない場合は、JFS-A・B規格からスタートし、段階的にレベルを上げていくのが現実的です。
ある程度、衛生管理文化がなじんでいる場合や、製品輸出を構想されている、既に輸出しているなら、FSSC 22000やJFS-C規格の選択肢は、ありです。
海外展開の有無
将来的に自社製品を海外へ輸出したい、あるいは外資系企業との取引を拡大したいという明確な目標がある場合は、世界中で認知されているGFSI承認規格(FSSC 22000またはJFS-C規格)の取得をおすすめします。
海外のバイヤーに対して、自社の食品安全レベルが国際基準を満たしていることを一目で証明できるため、商談が非常にスムーズに進みます。
FSMSを導入・認証取得するメリット
FSMSの導入や認証取得には、それなりの時間とコスト、そして労力がかかります。
しかし、それを上回る非常に多くのメリットを企業にもたらしてくれます。具体的な5つのメリットについて解説します。
食中毒や異物混入などのリスク低減
FSMSを導入する最大のメリットは、食品事故の発生リスクを大幅に下げられることです。
経験や勘に頼る従来の管理ではなく、科学的な根拠に基づいてすべての工程の危険を洗い出し、重要なポイントを毎日継続して監視・記録するため、問題が発生する前に異常を検知して対処できるようになります。
万が一、問題が起きてしまった場合でも、どの工程で原因が発生したのかを過去の記録から迅速に追跡(トレーサビリティ)できるため、原因究明をスピーディーに行い、被害の拡大や再発を最小限に抑えることが可能です。これにより営業停止処分や大規模な商品回収といった致命的なリスクを回避できます。
取引先や消費者からの信頼獲得
食品安全への取り組みは、口頭で「うちは安全に気をつけています」と言うだけではなかなか取引先に伝わりません。
国際規格であるISO 22000やFSSC 22000、あるいは第三者機関から認証されたJFS規格を保有している事実は、客観的に高い食品安全レベルを持っている確固たる証拠になります。
これにより、既存の取引先との関係が強固になるだけでなく、新規の取引先開拓や、大手の流通チェーン、百貨店などとの商談において強力なアピールポイントとなります。
また、一般の消費者に対しても安全・安心なブランドとしてのイメージを確立することができます。
業務の標準化と効率化
FSMSを構築するプロセスにおいて、これまでベテラン社員の頭の中にしかなかった作業手順や衛生管理のルールが、マニュアルや手順書として「見える化」されます。
これにより、「人によってやり方が違う」「担当者が休むと作業の進め方がわからない」といった属人化の課題が解消されます。
新人教育の手間や時間が大幅に削減され、誰が作業してもの同じ高い品質と安全性を維持できるようになるため、結果として製造効率の向上や不良品の減少、廃棄ロスの削減といったコストダウンにもつながります。
社員の食品安全意識の向上
FSMSを適切に運用するためには、全従業員への定期的な教育や訓練が欠かせません。
なぜこの記録が必要なのか、なぜこの衛生ルールを守らなければならないのかという理由を体系的に学ぶことで、現場の作業員一人ひとりに「自分たちが食品の安全を守っているのだ」という当事者意識と責任感が芽生えます。
意識が変わることで、現場からの自発的な改善提案が増えたり、機械の小さな異変や衛生上のリスクにいち早く気づいて報告したりする、風通しの良い組織風土が作られていきます。
海外市場への進出・輸出の拡大
日本の人口減少に伴い、国内の食品市場が縮小する中、海外への進出や輸出を視野に入れている企業も多いでしょう。
しかし、海外の規制当局やグローバル企業は、日本のローカルな管理基準だけでは納得してくれません。
GFSI承認のFSSC 22000、JFS-C規格を取得していることは、国際市場への入場パスポートを手に入れるようなものです。
海外への輸出プロセスが円滑になり、グローバルな競争力を手に入れることができます。
FSMS構築と認証取得のステップ
FSMS(ISO 22000やFSSC 22000など)の認証を取得するまでには、一般的に1年~1年半程度の期間が必要です。
どのような手順で進めていくのか、具体的な7つのステップを順を追って解説します。
ステップ1:現状の把握と計画立案
まずは、自社の現在の衛生管理体制や工場設備が、目指す規格の要求事項と比べてどのくらい乖離しているか(ギャップ分析)を明確にします。
その上で、取得までのスケジュールを策定し、必要な予算や社内リソースを確保します。
ステップ2:食品安全方針の設定と体制づくり
経営トップが「食品安全に対する組織としての基本方針(食品安全方針)」を社内外に宣言します。
次に、社内から各部門の代表者(製造、品質保証、購買、営業など)を集めて「FSMS推進チーム(HACCPチーム)」を結成し、責任者であるチームリーダーを任命して、組織全体で取り組む体制を整えます。
ステップ3:ハザード分析と前提条件プログラム(PRP)の構築
食品安全の土台となる一般的な衛生管理基準(工場の清掃・消毒、防虫防鼠、従業員の健康管理や手洗い、施設のメンテナンスなど)を「前提条件プログラム(PRP)」として文書化し、整備します。
その上で、自社の製品や工程ごとに、どのような危険(ハザード)があるかを徹底的に分析し、重要管理点(CCP)やオペレーショナル前提条件プログラム(OPRP)を決定します。
ステップ4:マニュアル・手順書の作成と運用開始
規格の要求事項や、決定した管理方法に基づき、社内の管理マニュアルや具体的な作業手順書、毎日の記録用紙(チェックシート)を作成します。
作成したルールを現場の従業員に教育し、実際に日々の業務の中で運用をスタートさせます。
この運用期間中に、作成したルールが現場の実態に合っているかを確かめ、必要に応じて修正していきます。
ステップ5:内部監査とマネジメントレビューの実施
一定期間(通常は2〜3ヶ月以上)の運用実績を作った後、社内のルールや規格の要求事項が正しく守られているかを身内でチェックする「内部監査」を実施します。
監査で見つかった問題点を修正・改善した上で、これまでの運用状況や課題を経営トップに報告し、仕組み全体の改善指示(マネジメントレビュー)をもらいます。
※JFS-Bには、内部監査、マネジメント・レビューの要求はありません。
当社では内部監査員の研修に講師を派遣しています。詳しくはこちらから
ステップ6:認証機関による審査と不適合の修正
第三者の審査機関による審査を受けます。審査は通常、2段階に分けて行われます。第一段階審査(文書審査)では、主にマニュアルや記録などの文書類が規格に適合しているかが確認されます。
第二段階審査(現地審査)では、審査員が実際の工場や現場を訪問し、マニュアル通りに現場が運用されているか、従業員がルールを理解しているかを厳しくチェックします。
もし審査で規格に適合していない点(不適合)が指摘された場合は、期限内に原因を分析し、是正処置(改善対策)を講じて審査機関に報告します。
一方で、JFS-B監査は、1段階の監査で行われます。上記第三者審査で言うと、第一段階と第二段階を一回で実施するようなイメージです。
ステップ7:認証取得と継続的改善
審査機関による承認が得られると、無事に認証書が発行されます。しかし、認証取得はゴールではなく、あくまでスタートです。
FSMSは、毎年1回の「維持審査(サーベイランス審査)」と、3年に1回の「更新審査」が義務付けられています。
常にPDCAサイクルを回し、時代の変化や現場の実態に合わせて仕組みを継続的に改善していくことが求められます。
FSMS運用でよくある課題と解決策
せっかく苦労してFSMSの認証を取得しても、運用の段階で様々な壁にぶつかり、うまく機能しなくなってしまう企業が少なくありません。
よくある4つの課題と、それを乗り越えるための解決策を紹介します。
現場の負担が大きく形骸化してしまう
最も多い失敗が、ルールの設定や記録の量が多すぎて現場が悲鳴を上げてしまうケースです。
チェックシートに記入すること自体が目的になってしまい、現場の作業員が忙しい合間を縫って「とりあえず形だけハンコを押す」「審査の前にまとめて過去の記録を捏造する」といった形骸化が起こります。
【解決策】
記録の項目は本当に必要なものだけに絞り込み、可能な限り簡素化しましょう。
手書きの書類を減らし、タブレットを活用したデジタル入力への移行や、ボタン一つで温度が自動記録されるシステムの導入など、現場の作業負担を減らすITツールの活用が効果的です。
マニュアルが複雑すぎて誰も読まない
コンサルタントに言われるがまま、あるいは規格の条文をそのまま書き写したような、分厚くて難解な言葉ばかりのマニュアルを作ってしまうと、現場の誰も読まない「お飾りマニュアル」になってしまいます。
これでは実務の役には立ちません。
【解決策】
マニュアルは、現場の誰もが直感的に理解できるものであるべきです。
専門用語をわかりやすい言葉に置き換え、文字ばかりではなく写真やイラスト、図解を多用した視覚的な手順書を作成しましょう。
外国籍の従業員が多い場合は、多言語化や動画マニュアルの導入も視野に入れます。
審査前の突貫工事になってしまう
日頃の運用がおろそかになっており、年に1回の維持審査の直前になって慌てて書類を整理したり、工場の形だけの清掃を行ったりするケースです。
これでは食品安全のリスクを低減するという本来の目的から外れてしまいますし、審査のたびに社内がパニックになってしまいます。
【解決策】
経営層や管理職が定期的に現場の運用状況を確認する仕組みを作りましょう。
毎月のミーティングなどでFSMSの状況や苦情・インシデントの有無を議題に挙げるなど、日常の業務の中にFSMSの確認プロセスをあらかじめ組み込んでおくことが重要です。
定期的な見直しや改善が進まない
認証を取得した当時のマニュアルのまま、何年も内容が変わっていないというケースも散見されます。
製造する製品が変わったり、新しい機械を導入したり、現場のメンバーが入れ替わったりしているにもかかわらず、ルールが古いまま放置されていると、実際の作業とのズレが生じて重大な事故の原因になります。
【解決策】
内部監査の視点を「ルールを守っているか」という粗探しだけでなく、「現在のルールが今の実務に合っているか」「もっと効率的な方法はないか」という改善の視点にシフトさせることが大切です。
現場からの意見を積極的に吸い上げる仕組みを作りましょう。
ISOコムが提案する現場に寄り添ったFSMSコンサルティング
FSMSの構築や運用には、専門的な知識と多くの時間が必要ですが、社内のリソースだけでこれらすべての課題をクリアするのは決して簡単ではありません。
間違った進め方をしてしまうと、膨大な書類仕事だけが増え、現場が疲弊してしまう結果になりかねません。
ISOコムでは、専門用語をできるだけ使わず、お客様の現場の実態に徹底的に寄り添ったコンサルティングを提供しています。
他社が作成するような、誰も読まない分厚いマニュアルは作りません。
現場の皆さんが迷わず使えて、経営の役に立つ、スリムでコンパクトなマニュアルの作成をサポートします。
審査に受かるためだけの書類づくりではなく、食中毒や異物混入のリスクを本気で減らし、企業の信頼を高めるための生きた食品安全マネジメントシステムを、私たちと一緒に構築してみませんか。まずはお気軽にご相談ください。
導入に関する具体的なスケジュールや費用感を知りたい方は、当サイトのお問い合わせフォームからご相談を!
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