ISOコム通信

内部監査の質問例 ISO9001 2015年度版

こんにちは。ISOコム マネジメントコンサルタントの柏木 博です。

ISOコム通信にアクセスいただき、ありがとうございます。

 

今回は、実際の内部監査での質問の方法について考えてみます。

監査では、監査目的に沿った監査証拠の収集が必要です。

 

内部監査の目的

内部監査には次のような目的があります。

一つは、社内で運用している品質マネジメントシステムが、ISO9001:2015年版の要求事項に“適合”しているかどうかについての情報を集めることです。

もう一つは、その品質マネジメントシステムが、自社が決めたルールに“適合”しているかどうかについての情報を集めることです。

 

内部監査の質問とは

ISO9001:2015年版では、要求事項については『~しなければならない。』との表現になっています。

例えば、8.2.1では『顧客とのコミュニケーションには、次の事項を含めなければならない。』となっています。

このうち、『a) 製品及びサービスに関する情報の提供』について、質問してみます。

監査対象部門は営業部です。

 

監査員:お客様とのコミュニケーションには、製品に関する情報提供が含まれていますか。

回答者:はい。含まれています。

 

監査証拠が重要

この回答から、8.2.1の要求に適合した対応がされていると判断されます。

しかし、この口頭回答だけで「監査証拠」としては、不十分です。

監査証拠に繋がる質問を追加する必要があります。

 

監査員:どのような情報を提供されましたか。

回答者:この製品カタログに基づく情報を提供しました。

 

製品カタログが使用されたことが分りましたが、まだ十分ではないようです。

もう少し質問を続けましょう。

 

具体的な監査質問

監査員:いつ、どなたに情報を提供されましたか。

回答者:先月の×日に、A社を訪問し、Yさんに製品カタログに基づく説明をしました。

監査員:Yさんにお会いした記録は有りますか。

回答者:営業週報に記録しています。

監査員:週報の該当する箇所を見せていただけますか。

回答者:はい。この箇所がYさんにお会いした記録になります。

ここまでくると、営業週報を監査証拠として、8.2.1a) の要求に適合した対応が確実に実施されていると判断できます。

このように、監査証拠にたどり着くまで、監査が必要です。

 

しかし、内部監査では監査対象部門が社内ですので、営業部門でどのような活動がされているかは分っているはずです。

最初からそのことを前提とした質問をするのが良いでしょう。

 

監査員:製品情報の提供についてお伺いします。最近、新しいお客様にお会いし、製品情報を提供した記録を見せてください。

回答者:先月、新規顧客であるB社を訪問し、O氏に製品カタログについてご案内したことをこの営業週報のここに記録しています。

 

これでよいでしょう。

必要があれば、その他のお客様に関する週報の記録を確認すれば良いでしょう。

 

社内での取り決め

以上は規格の要求事項に対する監査ですが、

さらに、社内での取り決めについても確認しておくことが必要です。

例えば、主要顧客については月に1回は訪問すること、年に1回は製品説明を実施することが社内ルールとして定められていれば、次のような質問を追加する必要があります。

 

監査員:主要顧客であるC社、D社、E社について、製品情報を提供した記録を見せてください。

回答者:はい。C社については、先々月、D社、E社については先月に製品説明を実施しており、それぞれこれらの週報にこのような形で記録しています。

 

この質疑により、社内ルールに対する監査証拠も確認できています。

 

この質疑は、社内ルールに基づく監査なのですが、8.2.1a) の要求事項が反映されていることが分ります。

 

このように、社内ルールについての監査がしっかり出来れば、多くは規格要求事項に関する監査も同時に出来ます。

規格要求事項を背景として社内ルールについて監査を進める質問ができれば、監査を効率よく進めることが出来ます。

 

このことを念頭において、質問を考えてみては如何でしょうか。

 

ブログを読んでいただき、ありがとうございました。

次回もよろしくお願い致します。

 

ISOコム株式会社 マネジメントコンサルタント 柏木 博

 

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フリーダイヤル 0120-541-330

 

2018/08/20

ISO14001の力量表とは

こんにちは。ISOコム マネジメントコンサルタントの亀田 昭子です。

このブログにアクセスしていただき、ありがとうございます。

 

前回のブログで、「ISO14001の教育訓練としてどのような資料を作成しなければいけないか」について、書かせていただきました。

今回のブログでは、前回の教育訓練に関連した「力量表」について、お話したいと思います。

 

力量とは?

最初に力量って何でしょう?

力の量?

何の力だろう?

重いものを持てる力の量のことかなあ?

 

「力量」とは、普段あまり使わない、難しい言葉の一つですよね。

 

辞書で調べてみると、「力量」とは、

物事を成し遂げる力の程度。能力の大きさ。「指導者としての力量が問われる」

とあります。

また、ISO14001の要求事項の中に記載している「力量」とは、

意図した結果を達成するために知識及び技能を適用する能力

とあります。

よけい???になってしまう説明ですね。

 

皆様の会社には、様々な人が働いていると思います。

会社で働いている人たち、それぞれがどのような能力を持って、仕事をしているか、明確でしょうか?

例えば、あの人は、建築士の資格を持っているから建物の設計をやっているとか、あの人は、製品の半田付けのむらがなく、早く、きれいで、不良を出さないから、はんだ付け作業者として認定し、仕事をしてもらっているとか、

など、

免許・資格だけでなく、会社で働いている人それぞれがこういう能力を持っている。

というのが、力量になります。

 

力量は、仕事に直接関わるものばかりでなく、間接的に影響するものも含まれます。例えば、パソコンのエクセルでグラフを作成できるとか、パワーポイントでプレゼンテーション資料が作れるなどのようなものも含まれます。

会社として意図した結果というのは、売上倍増だったり、新たな事業への参入だったり、会社がこれからどのような方向に進むのか、今の業務で、会社を大きくするためにはどのようにしていけばよいか等、経営者が考えていると思います。

その会社の方針を達成するためには、会社の中で、それなりの力量を持った人が必要です。

経営者一人でなく、会社がやりたいことをできる能力を持った人たちがいなくては、会社が望んだ結果を出す事は難しいでしょう。

 

力量表とは、会社で働いている人たちがどのような能力を持っているか一目でわかるもの

 

では、力量表とはどのようなものでしょう?

会社で働いているそれぞれの人が、どのような免許・資格、仕事に対する能力を持っているかをわかりやすく示した表です。

 

ISO14001では、「力量表を作成しなさい」という要求はありません。

但し、ISO14001の要求として、7.2項「力量」に

 

環境に影響を与える仕事や環境に関する法規制を守る必要がある人々に必要な力量を決め、関連する人々がその力量を備えていることを確実にしなさい

 

と言われていますので、ISO14001を推進する上では、力量表を作成することで、要求事項に対応することができると思います。

 

力量表には、皆様の会社で必要な能力、免許・資格を明確にしていただき、それぞれの働いている人たちがその能力を持っているかどうかを考えて、持っている能力にはチェックを入れるなどして、まとめるといいと思います。

 

環境に関わる必要な能力

特にISO14001では、環境に関わる必要な能力が要求されていますので、通常の仕事の能力だけでなく、ISO14001を理解し、環境影響評価や関連法規制の要求事項を理解し、対応できる能力が必要です。

 

また、これから身に付けて頂きたい能力については、必要な力量として、明確にして、その後の社員の教育計画に織り込むなどするといいと思います。

 

ブログを読んでいただき、ありがとうございました。

 

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ISOコム株式会社 マネジメントコンサルタント

 亀田 昭子

2018/08/08

ISO45001について 第13回 「暑さとインシデント(事故等)」

こんにちは、ISOコム マネジメントコンサルタントの小川 次郎です。

このブログにアクセスしていただき、ありがとうございます。

 

地震、大雨の後は、連日35度を超える猛暑ですね。水害被災地の復旧作業もこの暑さで熱中症続出だそうです。全国で毎日数千人が救急搬送されているそうです。

今回は、あまりに熱いので、固い規格の話はお休みにして、「暑さとインシデント(事故等)の話をしたいと思います。このような知識も労働安全衛生マネジメントシステムでいうところのリスク評価には必要なことですよね。勝手な言い分かな? 規格の話を楽しみにしている人には「ごめんなさい」。

 

私は、毎日、15,000人~20,000人の作業員(社員も含めて)が全国で働く建設会社の労働安全の責任者として、十数年やっておりました。

この会社では、4日以上の休業災害が毎月数件、死亡災害が年に1件程度発生します。

こんな言い方をするとお叱りをうけるかも分かりませんが、安全のデータ収集、勉強をする上では、実にサンプルの宝庫でした。

 

私がこの会社の安全の責任者となって、力を入れた一つに、労働災害データの整備があります。労働行政の要求する型別、起因別等々の分類以外に、作業別、職種別、月別、曜日別、時間別、新規入場から何日目、休み明けとその他の比較、雨天・晴天別、補償費・・・・・・と実に様々なデータを精査・分別し(報告書上だけでなく、自分の目で現地を見て、精査・分別し)、社員のだれもが検索可能なデータベースを作成し、現場の安全に役立てて頂きました。多少自己満足のきらいがありましたが、それなりに役立ったと思っております。

 

このデータの中に、気温別のデータも整理しました。結果は労災の発生は寒さの要素より、暑さの要素が大きく影響していました。当然、月別でいうと6月、7月(建設のサイクル的にはあまり忙しくない時期)に山があります。ある年度の月別度数率の表を参考までに添付しておきます。件数の多寡は別にして、毎年同じような形状になります。

 

 

これは、熱中症もありますが、暑さに体が慣れるまで、“ボー”としているといった、体調不良と集中力不足によるものというような気がします。

 

この時期は実に残念な事故が増えます。

例えば「解体現場で、がれきに躓き転倒、さらにそれに気づかず、その上に鉄筋廃材を置き、死亡させた。」とか「作業終了後、送迎バスを待つ間に、路肩の擁壁に腰かけていて、後ろへ倒れて墜落し重症」といったような事故です。

 

さて、熱中症の話ですが、医者の話では、

熱中症とは」. わかりやすく言うと、暑さのせいで 引き起こされた体の不調すべての総称です。

その原因として、体温の上昇もさることながら、脱水による電解質バランスの異常がとても重要だと考えられます。このバランスが崩れると、各臓器との必要な物質のやり取りができなくなり、多臓器不全を起こし、死に至るからです。

そのため、非常にぐったりしていた被災者が、病院で点滴治療(電解質バランスが通常の状態に戻る)を受けると、何事も無かったように、元気で帰ってきます。

この電解質バランスを戻してやるのに時間がかかるので、手遅れにならない内に、処置することが重要です。

熱中症と

される病名

症   状

熱失神 血管の拡張によって血圧が低下します.めまい、失神、顔面そう白、呼吸回数の増加などが見られます
熱疲労 大量の汗をかき、脱水による症状が起こります.脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などが見られます.
熱けいれん 大量に汗をかき、血液の塩分濃度が低下した時に、足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれん(こむら返り)がおこります.
熱射病 体温の上昇のため中枢機能に異常をきたした状態です.吐き気、めまい、意識障害、ショック状態などが見られます.時に死に至ることもあり重篤な状態です.

出所:国立病院機構鈴鹿業員HP「熱中症にならないために」

 

― 対策 ―

どこでも言われていることですが、以下のことが重要です。工事現場には水と塩飴を常備しています。

  • 「水分を」こまめに取る
  • 「塩分を」ほどよく取る
  • 「暴飲、暴食、睡眠不足を」避け、体調管理をする

 

― 処 置 ―

以下の要領で対応するのが一般的ですが、前述のように、熱中症の疑いがある場合は、早めに病院に連れて行って、点滴を行うのが最も安心な方法です。特に高齢者小さな子供は注意が必要です。

 【一般的な対応要領】

  • 体を冷却しやすいように衣服をゆるめ、安静にする。
  • 涼しい場所(風通しのよい日陰、クーラーの効いた部屋)で休ませる。
  • 氷嚢、氷塊などで腋わきの下、首のまわり、脚の付け根などを冷やし、血液循環を通じて体温を早く冷ます。
  • 意識がはっきりしていれば、水分補給(スポーツドリンク)を行う。
  • 意識障害や吐き気がある場合は、医療機関での輸液が必要で、救急車を呼んで至急医療施設へ搬送する。

 

私の工事現場への指示は「予め、搬送病院を決めておいて、病院にお願いしておき、熱中症の疑いのある作業員は、冷却や休息より、すぐに病院に連れて行き、点滴治療を受けさせなさい」でした。重傷者はほとんどなくなりました。

 

ちなみに、なぜ、自前で病院に連れていくかと言いますと、以前に、あまりに建設現場からの119番が多くて、「建設現場のためだけに119番があるのではない」と強くお叱りを受けたことがあるからです。

冷却や休息といった処置を省くのですから怒られて当然かも分かりません。

しかし、一度、冷却や休息の処置をしている間に重症化して死亡したという、痛い目に合うと、そんな悠長なことはやっていられないと思ったので、このような指示になりました。

 

少しは、暑さとインシデント(事故等)、熱中症について、ご理解いただけたと思います。次回掲載時には暑さも和らいでいるとよいですね。

次回は「9.パフォーマンス評価」の2つ目「9.2 内部監査」についてです。「内部監査」とはシステム全体が機能しているかどうかを定期的(多くは毎年)にチェックすることです。楽しみにしておいてください。

2018/08/06

夏季休業日のお知らせ

拝啓 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。

さて、弊社は誠に勝手ながら下記の期間を夏季休業日とさせていただきます。

 

休業期間  2018年8月10日(金)〜8月19日(日)

営業終了  2018年8月 9日(木) 18:00迄

営業開始  2018年8月20日(月)   9:00から

 

ご繁忙の折柄、ご迷惑をお掛けいたしますが、何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。

ISOコム株式会社 芝田 有輝

2018/08/02

ISO14001の教育訓練とはどんな資料を作ればいいのか

 

こんにちは。ISOコム マネジメントコンサルタントの亀田 昭子です。

このブログにアクセスしていただき、ありがとうございます。

 

今回のブログでは、「ISO14001の教育訓練とはどんな資料を作ればいいのか」について、考えていきたいと思います。

 

最初にISO14001の教育訓練について、要求事項を確認していきたいと思います。

 

ISO14001では、7.2項「力量」に力量についての要求があります。

7.2項の概要ですが、環境パフォーマンスに影響を与える業務、順守義務を満たす組織の能力に影響を与える業務を行う人にその業務を遂行できる力量を決定し、教育訓練や経験などによりその力量を持たせる。

また環境側面やEMSに関する教育訓練のニーズ(必要性)を明確にし、その必要がある人に対して、ニーズを満たすための教育訓練を実施し、その教育訓練の有効性を評価することが要求されています。

 

要求だけを読んでいるとなんだかよくわからないですよね。

 

どのような教育訓練を行わないといけないでしょうか?

例えば次のような人を育成するための教育が必要になります。

 

・環境影響を決定し、評価する人:皆様の組織(会社)の業務全体(例えば製造業の場合は、部材の購入から製品の廃棄に至るまで、自社のみでなく、外注先等も含めて)の中で、何が著しく地球環境に良い・悪い影響を与えているかを決定できる人

 

・順守義務を決定し、順守評価する人:自社(組織)が守らなければいけない法規制として何があるのかを理解し、抽出し、自社が法規制の要求通り対応しているか評価できる人

 

・著しい環境影響の原因となる可能性を持つ業務を行う人:全ての業種で、自分の仕事が地球環境に影響を与える人のことで、環境に悪化させてしまう場合だけでなく、良くする場合もあります。自分の仕事がどのように環境に影響しているのかを理解していないと環境を悪化させる原因になってしまう場合もあります。

 

・環境目標の達成に寄与する人:自社の環境目標を達成するために自社のEMSの要求事項を理解している人

 

・緊急事態に対応する人:環境側面で、環境の緊急事態として特定したことに対応している人(地球環境が自社に影響を与える自然災害、自社が地球に影響を与える緊急事態として交通事故などによる油の漏洩など)

 

・内部監査を実施する人:ISO14001:2015版の要求事項を理解し、また、ISO19011の監査の指針に基づいた監査ができる人

 

力量の証拠は、文書化された情報として保持することが要求されているため、力量確保のための教育訓練を含めて、環境側面とEMSに関して、どの業務を行う人は、どのような力量が必要で、各人がどのような教育訓練が必要かを明確にするための「力量表」や、その人に必要な教育訓練を提供するための「教育訓練計画書」を準備されるといいと思います。

 

また、力量の証拠(教育訓練を行った結果)として、「教育訓練報告書」、「緊急事態対応訓練報告書」等で保持するとよいと思います。

 

ISO14001の教育資料とは

最後に、ISO14001の教育資料としてどのような資料を作成すればよいかですが、主な資料としては、下記を準備されるといいと思います。

 

・環境方針や環境目標、社内のEMS活動の教育には、「環境マニュアル」「環境方針」「環境目標設定書」など

・環境影響評価を理解するための教育には、「環境マニュアル」「環境影響評価のやり方・考え方」「環境影響評価表」「著しい環境側面に対する対応手順書」など

・環境法規制の順守を理解するためには、「環境マニュアル」「環境法規制一覧表」「関連法規制説明資料」「環境法規制対応手順書」など

・緊急事態対応を理解するには、「環境影響評価表」「緊急事態対応マニュアル」

・内部監査教育には、「環境マニュアル」「内部監査員教育資料」

 

ブログを読んでいただき、ありがとうございました。

 

ISOコム株式会社

マネジメントコンサルタント 亀田 昭子

 

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2018/07/30

「お客様の声」を更新しました。

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是非ご覧ください!

山喜興業株式会社 様

2018/07/27

「お客様の声」を更新しました。

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是非ご覧ください!

大阪府 自動車関連部品販売会社 様

2018/07/26

プライバシーマーク(JISQ15001)とは何か?わかりやすく簡単に説明

プライバシーマーク打ち合わせ

こんにちは。ISOコム通信にアクセスしていただきありがとうございます。

今回のテーマは、

“プライバシーマーク(JISQ15001)とは何か?わかりやすく簡単に説明”です。

 

プライバシーマークを一言で言うと、

個人情報を扱って事業を行う会社や組織に対して、個人情報を持つ人(以下“本人という”)が、

自分の個人情報(名前、住所、電話番号、貯金額、病歴や保険加入状況等・・・)を預けて

いいかどうかを、審査機関が本人の代わりに、確認して合格したらマークを与える。

 

つまり、プライバシーマークを持っている会社や団体なら、自分の個人情報を預けてもいいね!

と安心してもらうための制度といえるかと思います。

 

プライバシーマークの規格である、JISQ15001及び個人情報保護マネジメントシステムに関して、少し詳しく説明しますと・・・

 

1.プライバシーマーク(JISQ15001)とは何か

個人情報保護の必要性は、徐々に定着してきていますが、意外とその歴史などは知られていないと思います。

昔からプライバシーの保護を言われていましたが、多少異なります。

現在の個人情報保護の動きは、欧米に合わせたものですが、2017年5月の個人情報保護法が改訂され、より厳しいものとなっています。

しかし、実務で行っている内容が、個人情報保護法に合っているかどうかは、自分たちではわかりにくい点もありますが、プライバシーマークを受けていれば、問題があるかどうかを審査機関が、判定してくれます。

プライバシーマークの審査では、法律違反までを指摘をしてはいけないことになっていますが、かなり個人情報保護の内容とJIS規格の内容が近くなっておりますので、不備な点はかなりわかると思います。

これが、プライバシーマークを持っているメリットの一つです。

ただし、2017年に改訂された規格では、個人情報保護法を前提にしているので、番号法などに関しての不備に対しては、今後の取り扱いは明確ではありません。

 

2.個人情報保護に関する規格などの歴史について

プライバシーマーク(JISQ15001)に関してまとめる前に、この目的である個人情報保護に関する規格の歴史を復習してみましょう。

25年くらい前には、同窓会名簿などの作成が普通でした。

 

特に高校や大学の同窓会名簿には、勤務先などがあり、記載されていたことにより、仕事の関係などで連絡を取る場合には非常に便利でした。

当然、その名簿の内容は、お互いのためだけではなくセールスプロモーション(拡販)などのために利用可能であり、受取人にとって不要なダイレクトメールなどの乱発につながっていきます。

そのために、違法な方法で名簿データを入手し、販売するような輩も出てきました。

 

一方、ヨーロッパでは昔から、個人情報の保護も含んだ個人の権利を守ることが普通になっていましたが、それらを発展させ日本も加盟しているOECDで「プライバシー保護と個人データの国際流通についてのガイドライン」(通称「OECDプライバシーガイドライン」)が採択されました。

 

その中で、以下の8原則が公表されています。

 

①収集制限の原則

個人データを集める時には、法律にのっとり、また公正な手段で、本人に通知または同意を得て集めるべきである。

②データ内容の原則

個人データの内容は、利用の目的に沿ったもので、かつ正確、完全、最新であるべきである。

③目的明確化の原則

個人データを集める目的を明確にし、データを利用する時は集めたときのものと合っているべきである。

④利用制限の原則

本人の同意がある場合、もしくは法律の規定がある場合を除いては、集めたデータを目的以外のために利用してはならない。

⑤安全保護の原則

合理的な安全保護の措置によって、紛失や破壊、使用、改ざん、漏えいなどから保護すべきである。

⑥公開の原則

個人データを集める方針などを公開し、データの存在やその利用目的、管理者などを明確に示すべきである。

⑦個人参加の原則

本人が、自分に関するデータの所在やその内容を確認できるとともに、異議を申し立てることを保証すべきである。

⑧責任の原則

個人データの管理者は、これらの諸原則を実施する上での責任を持つべきである。

 

これらの原則は、当然日本国内でも順守すべき内容でしたが、すぐには展開されず、1995年に欧州連合で「EU諸国と同等の十分なレベルの保護措置を講じない第三国への個人データ移転禁止」が決議されて、日本でも対応が必要になりました。

これに対応し、1999年に策定されたのがJISQ15001:1999「個人情報保護に関するコンプライアンス・プログラムの要求事項」です。

 

また、その内容に従って、個人情報の保護をしていることを第三者が証明するプライバシーマークが作られ、1999年中に約90社が認定を受けました。

 

昔から個人情報保護に携わっている方が、「個人情報保護マネジメントシステム」(略、PMS)と言わずに「コンプライアンス・プログラム」(略称、CP)と呼ばれるのはこのためと思います。

なお、JISQ15001に基づく第三者認定は、経済産業省の外郭団体である、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が運営するプライバシーマークである必要はなく、当初は他にもありましたが、淘汰され一般的にはプライバシーマークだけが機能しています。

また、社労士事務所では、独自の制度“SRPⅡ認証制度”などを運用しています。

 

その後、2003年(平成15年)に「個人情報保護法」が制定されたことにより、この内容を反映し、JIS規格が改訂され、2016年5月にJISQ15001:2006「個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」になりました。

さらに、2017年に「改正個人情報保護法」が全面施行され、その内容を反映したJISQ15001:2017「個人情報保護マネジメントシステム-要求事項」が2017年12月に発行されました。

JISQ15001についてはこちらに詳しく記載しています。

 

ちなみに、1999年版にJISQ15001に利用されている用語は、OECDの8原則の内容に近く、2006年版のJISQ15001では個人情報保護法の用語に修正していることがわかります。

2017年版の用語は、2006年版の用語を引き続いています。

 

一部に、改正個人情報保護法や2017年版JISQ15001ではEUの要求を満たしていないとの意見が根強く残っていました。

しかし、EUは「EU一般データ保護規則」(GDPR)の運用が開始されており、もっと厳しくなっていることはご存知の通りです。

 

以上

ブログを読んでいただき、ありがとうございました。

 

この記事を読んでプライバシーマーク(Pマーク)の取得を検討してみようと考えている企業のご担当者様、ぜひご連絡ください!

弊社でプライバシーマーク取得やその後の更新作業のコンサルティングをお手伝いしております。

2018/07/25

「お客様の声」を更新しました。

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ぜひご覧ください!

大阪ラセン管工業株式会社 様

2018/07/25

ISO45001について 第12回 「9.パフォーマンス評価」 「9.1 モニタリング,測定,分析及びパフォーマンス評価」

 

こんにちは  ISOコム マネジメントコンサルタントの小川 次郎です。

このブログにアクセスしてだき、ありがとうございます。

 

前回は、「8 運用」の後半「8.2 緊急事態への準備及び対応」についてお話させていただきました。

「6.1.2.1危険源の特定」で特定した潜在的な緊急事態への準備及び対応のために必要なことを決めて実践していきましょう”ということでしたね。

理解していただけたと思います。

 

ところで、6月18日の大阪府北部地震、7月4日~8日にかけての大雨と大きな災害が発生しましたね。

小生の自宅も震源に近いところにあり震度6弱の大きな揺れがありました。

幸い自宅は大きな被害もなく、ライフラインも生きており、多少の災害備蓄もありなんということはなかったのですが、スーパーやコンビニも閉店のところが多く、開店しているところでも、水やその他飲料、パン類、インスタントラーメン等が商品棚にはなく、やはり被災地だと実感していた次第です。

 

ブログをお読みの皆様方はどうだったでしょうか。

「緊急事態への準備及び対応」の重要性を身をもって実感された方々も多かったのではないでしょうか。

個人もそうですが、組織も、存続にかかわる重要な問題だと認識してつね日ごろから準備及び対応を心がけておく必要がありますね。

 

まえおきが長くなりましたが、

今回は「9.パフォーマンス評価」の前半「9.1 モニタリング,測定,分析及びパフォーマンス評価」と「9.2 内部監査」について、その次は、「9.3 マネジメントレビュー」と「10.改善」で、最終回にする予定でしたが、

お話ししたいこともたくさんあり、来年5月まで延長してよいとのことなので、今回は「9.パフォーマンス評価」の前半「9.1 モニタリング,測定,分析及びパフォーマンス評価」についてのみのお話にさせていただきます。

この項はPDCAサイクルの「C(評価)」に該当します。マネジメントシステムについて「モニタリング,測定,分析及びパフォーマンス評価」を行うことですね。図示すると以下のようになります。

この項で求めているのは以下の3つのことです。

  • 「計画」、「8.運用」の実施状況のチェック(モニタリング,測定,分析及びパフォーマンス評価)
  • “このマネジメントシステムが適切に運用されているのか”のチェック(内部監査:次回記載予定)
  • 前2項の結果を基にしたトップマネジメントの判断(マネジメントレビュー:次々回記載予定)

これらを行うための、規格要求事項は当然いくつかあります。

 

細かいことはさて置き、組織の規模の大小により異なりますが、一般的に行われていることは次のようなことです。

このようなことを、文書化できると、規格要求は満足できます。

 

― 9.1 モニタリング,測定,分析及びパフォーマンス評価 ―

この項は前述の「6.計画」、「8.運用」の実施状況のチェックにあたります。

 

  • 目標管理を含め、危険源の除去・リスク低減・改善機会を定期的(多くは毎月)チェック

※一般的に業務内容に精通した部所・ラインで実施(部所長or推進委員がミーティング形式or視察andヒアリング)されることが多い。

  • 順守義務の定期的(多くは毎月)チェック

※安全衛生担当者(労基署への届出等を担当する部所or担当者が多い。

※一般的にパトロール形式が多い。

 

【理解のポイント】

★文書化要求事項

・モニタリング、測定、分析及びパフォーマンス評価の結果

・測定機器の保守、校正又は検証の記録

★モニタリング及び測定の例(パトロールのチェック表に入れるor入れてある)

・OH&Sに関する苦情、働く人の健康及び作業環境(以前はあまり実施されていなかった。近年、労基署の重点項目)

・労働に関わるインシデント、負傷及び疾病(通常、労基への報告様式orヒヤリハット等労基報告の不要のものは独自様式)

※インシデント:労働災害及びヒヤリハット的な事象(突発的な出来事で、迅速な対応が要求され、即座に対応しなければ被害が広がっていくものは全てインシデント)

・運用の管理策、防災訓練の有効性

・力量(資格の保有確認等)

 

どうですか?

「9.1 モニタリング,測定,分析及びパフォーマンス評価」という大層な名称の項目をご理解いただけたでしょうか。

安全衛生に関して実際、何も行っていない組織はほとんどないでしょう。

意識しているかどうか、文書化しているかどうか別にして、安全衛生巡視(パトロール)や、安全衛生上の打合せ等はどの組織でも実施されていますよね。

労働安全衛生のマネジメントシステムは実際に行っていることをいかに規格要求と整合させるかがポイントです。

 

次回は「9.パフォーマンス評価」の「9.2 内部監査」についてです。

この概念は、

システム全体が機能しているかどうかを定期的(多くは毎年)にチェックすることです。

本来なら、経営者or監査室が実施する業務かなと思います。

 

実際、大企業では監査室が経営者の命を受けて、業務監査を実施していますよね。

小さな組織では、「法令違反がないか」や「危険な作業をしていないか」を経営者or部所長といったラインの人たちがチェックしているのが精いっぱいで、このような観点で社内業務(作業)を見るという概念はあまり持っておられないのが実情のように思います(もちろん、OHSAS18001を実施されていれば別ですが)。

 

「内部監査」という概念は、他のマネジメントシステムを運用しておられない組織ではなじみのない概念かと思います。

次回を楽しみにしていてください。

 

ISOコム通信を読んでいただき、ありがとうございました。

ISOコム株式会社   マネジメントコンサルタント   小川 次郎

 

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2018/07/23

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