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FSSC22000 v6.0 と JFS-C v3.2 の違いとは?

投稿日:2025年11月24日  最終更新日:2026年2月26日

 
こんにちは!ISOコム株式会社 芝田 有輝です。

今回は、FSSC22000 v6.0 と JFS-C v3.2 の違いとは? について、お話ししてみたいと思います。

個人的な感想も含んでいますので、比較の参考情報として活用いただけましたら幸いです。

では早速、行ってみましょう!

 

規格毎の概要

・FSSC22000
→ 「世界で通用する、フル装備の国際免許

 

・JFS-C
→ 「日本国内で乗るには十分な、国産免許

 

どちらも「安全に運転する」=**食品安全のしくみ(FSMS+HACCP+衛生管理)**を作るための規格です。

ただし、

 

・世界の大手メーカー・海外の取引先も視野に入れるなら、FSSC22000をベースに考えておく方が“将来の伸びしろ”が大きい

 

・まず日本国内で認証を取りたい、社員もHACCP超初心者という場合は、JFS-Cの方がとっつきやすい

 

というイメージです。

 

 

用語説明

・FSMS(食品安全マネジメントシステム)
→ 「会社全体で食の安全を管理するための、仕組み・ルール・記録のセット
例:目標、責任分担、教育、内部監査、改善 など

 

・PRP(前提条件プログラム)
→ 「HACCPを動かすための土台となる衛生管理・設備管理
例:清掃・殺菌、害虫駆除、ゾーニング、手洗いルール、服装、設備点検 など

 

・HACCP
→ 「危険になりそうなポイントを事前に洗い出して、そこで必ず安全をチェックする」しくみ
例:加熱温度・時間、冷却温度、金属検出機 など

 

 

この3つの組み合わせで、

「会社としてどう管理するか(FSMS)」+「現場の日々の衛生管理(PRP)」+「製造ラインの危険ポイント(HACCP)」

をまとめているのが、FSSC22000やJFS-Cです。

 

中身の構成

2-1 FSSC22000(Version 6.0)の中身

・ベース:ISO22000:2018(4〜10章)

 

・プラス:ISO/TS 22002-x、PAS221など、業種ごとの衛生管理(PRP)

 

・さらに:2.5.1〜2.5.18の“追加要求”

フードディフェンス(悪意ある混入対策)

フードフラウド(不正混入対策)

アレルゲン管理

環境モニタリング

食品ロス・廃棄の管理

マルチサイトの管理 など

 

イメージ:
「ISO22000(本体)+ 厚めの衛生ルール集 + 世界の要求を反映した追加ルール集」

 

2-2 JFS-C(Version 3.2)の中身

・FSM(1〜27):FSMS=会社全体のマネジメント

・HACCP(Step1〜12):Codexの12ステップそのまま

・GMP(1〜…):衛生管理・設備管理(PRP)

 

特徴:

・ISO22000:2018の構造や考え方に基本的に沿っている

・文章が日本語で具体的(「ゴミ・雑草」「カイゼン提案」などイメージしやすい)

・「日本の食品法令としっかり紐付くように書かれている

 

イメージ:
「ISO22000を日本語でかみ砕き、日本の現場向けに具体的にした国産パッケージ」

 

FSMS(マネジメント)の違い

3-1 共通部分

1.会社の状況・課題を把握する

2.トップが方針と目標を決める

3.リスクと機会を考える

4.ルールと記録を作り、教育し、運用する

5.内部監査やマネジメントレビューでチェック

6.不具合を直し、改善を続ける

 

というPDCAの回し方はほぼ同じです。

 

3-2 FSSC22000が重くなりやすいポイント

 

品質も一体で見る(2.5.9)

食品安全だけでなく、「品質方針・品質目標・品質内部監査」も求められる
ISO9001まではいかないが、それに近いことも一緒にやるイメージ

 

追加要求(2.5.x)が複数ある

フードディフェンス、フードフラウド、環境モニタリング、食品ロス、マルチサイト…など
→ 「世界の大手顧客が気にしているテーマ」を先取りしている分、考えること・書くこと・記録が増える

 

多拠点管理(マルチサイト)に具体的なルール

本社でどう監督するか

各拠点の内部監査をどう回すか
チェーン展開している企業ほどFSSCの強みが出るが、負荷も増える

 

3-3 JFS-C(FSM)が分かりやすいポイント

初心者・中小企業にとって好ましい点は:

 

法令とのつながりが日本語でハッキリ書かれている
→ 「製造国+販売国の法律を守る」ことがストレートに伝わる

 

カイゼン提案の仕組み(FSM27)を追加要求(FSSC22000にはない)
→ いわゆる日本流の「小さな改善」をシステムに組み込む前提
→ 現場との距離が近い中小企業ほど、現場力をそのまま活かしやすい

 

文書化・記録のルールがISO9001っぽく整理されている
→ 既にISO9001を持っている会社は、感覚的に理解しやすい

 

HACCPの違い(ほぼ同じ)

共通のイメージ

 

危険(ハザード)を洗い出す

どこで確実に止めるか(CCP)を決める

基準(温度・時間など)を決める

ちゃんと守れているか監視する

ダメだった時にどうするか決める

全体を定期的に検証・見直しする

 

これはFSSCもJFS-Cもほとんど同じです。

 

違いの“分かりやすさ”ポイント

FSSC(ISO22000)側

「CCP」と「OPRP」という2種類の“管理ポイント”を使い分ける考え方
→ 理解に少し慣れが必要(教育コスト)

 

JFS-C側

Codex HACCP 12ステップをそのままStep1〜12で書いてある

各ステップに「何を決める・何を記録するか」が整理されている
教育テキストとして使いやすい

 

実務の重さはほぼ同じです。

 

PRP/GMP(衛生管理)の違い

ここが、現場から見て一番“負担差”が出るところです。

 

5-1 FSSC22000(ISO/TS 22002-x+2.5.x)

ISO/TS 22002-1(食品製造)など、英語の詳細ルール集がベース

そこにFSSCの追加要求が乗る:

 

環境モニタリング
→ リステリアやサルモネラなど、環境菌を決めた方法で定期的にチェック

 

PRP検証
→ 清掃・殺菌・ゾーニング・設備管理などの「土台ルール」が、ちゃんと効いているか定期的に確認・分析

 

異物検出機器の要否評価・正当化
→ 金属検出機/X線/マグネットが必要かどうか、“なぜそう判断したか”まで文書化

 

アレルゲン管理をかなり細かく要求
→ 洗浄の検証、ラベルの整合性チェック、レビュー頻度など

RTE製品(調理済み食品)や、海外大手向け製造ではかなり評価される一方、現場の仕事は増える、というイメージです。

 

 

5-2 JFS-C(GMP)

要求レベルは概ねFSSCと同じ方向を向いている

ただし文章は

日本語で具体的(ゴミ・雑草・害虫の表現など)

頻度や分析レベルは「ある程度、会社に任せる」余地もある書き方

 

“中小〜中堅企業が、現実的に回せるレベル感”を意識している印象

結果として、「ギリギリまで国際レベルに合わせたFSSC」 vs 「日本の現場が回しやすいJFS-C」という差になりやすいです。

 

FSSCだけ負荷のある箇所/JFS-Cだけ特徴的な箇所

6-1 FSSC22000だけ負荷高め(=強みでもある)ところ

 

サービス・購買・試験機関管理(2.5.1)
→ 「原料を買うとき」「試験を外注するとき」「急な代替購入」のルールとリスク評価を細かく求める

 

ラベル・表示・印刷材料管理(2.5.2)
→ 表示ミスや錯誤が起きないように、かなりしつこくチェックと裏付けを要求

 

品質マネジメント(2.5.9)
→ “食品安全だけでなく品質も一緒に見る”考え方

 

環境モニタリング(2.5.7)
→ 病原菌などのリスクに応じて、汚染状況を定期的に測る

 

食品ロス・フードロス/副産物管理(2.5.16)
→ SDGsやCSRを意識した、「捨てる・再利用する」時の安全確保と方針

 

マルチサイト(2.5.18)
→ 多拠点の一括管理のルールがかなり具体

 

これらは、

「海外の大手顧客やグローバルチェーンが気にしていることを、先回りして全部やる」というイメージです。
負荷はありますが、“海外お客様に通用する安心材料”にもなります。

 

6-2 JFS-Cだけ特徴的な箇所

カイゼン提案(FSM27)
→ 「現場からの改善アイデアを集め、食品安全に活かしましょう」という条文
→ 日本の中小企業がもともと得意な文化を、そのままシステムに乗せやすい

 

日本の食品法令との紐付けが分かりやすい
→ 行政の監査や、国内取引先への説明にとても使いやすい

 

用語・構造が日本語で整理されている
→ 「現場教育用テキスト」としてそのまま使えるレベル

 

選ぶ基準の整理

7-1 FSSC22000を選ぶ基準

今後、海外のお客様や海外グループ会社との取引を視野に入れている。

品質(クレーム・歩留まり・仕様)も一緒に管理したい

将来的に

OEM/PB品の輸出

海外の有名ブランドとの取引

複数工場

を視野に入れている

→ こういう会社様でしたら、

「最初からFSSC22000で作っておいた方が、後で“世界対応オプション”を付け足す手間が少ない」

ので、負荷は高くても長期的には得なケースが多いです。

 

7-2 JFS-Cを選ぶ基準

生産のほとんどが日本国内向け

工場規模は単一工場~2〜3工場くらい

HACCPもISOもほぼ初めてで、現場メンバーも衛生管理の基礎からという状態

とにかく、

「まず認証を取って取引先の要件をクリアしたい」

「現場の意識を上げたい」
という 第一ステップが目的

→ こういう会社様でしたら、

「JFS-CでHACCP+FSMS”をまず作る」
→ 数年後、必要になったらFSSCにステップアップ

 

というルートが現実的です。

 

一方で、審査機関数は、JFS-C規格が登場した当初から数社減り、現在2社のみ。認証件数は120件

 

 

7-3 FSSC22000のメリット

1.世界共通言語になる

海外のバイヤーや大手チェーンに対して、説明が1回で済む

「FSSC22000認証」と一言で、求められる水準が伝わる。

 

2.後から上乗せ対応が少なくて済む

今後さらに

フードディフェンス

フードフラウド

環境モニタリング

SDGs(フードロス)
を取引先から求められる流れは、今後間違いなく強まる傾向にあります。

 

FSSCなら、最初からその辺まで含めて仕組みを作るので、「後でまた別で管理」「別のシステムを増やす」が減る。

 

3.「食品安全+品質」を一体管理しやすい

品質トラブルも、食品安全トラブルも、同じ枠組み(方針・目標・内部監査・是正)で扱えるので、経営層・品質部門にとってはマネジメントしやすい形になる。

 

3.将来の採用力・ブランド力にもつながる

若い人材・技術者にとって、「世界レベルの規格を運用している工場で働いている」ことはキャリアとしても価値がある

会社としても「グローバルスタンダードの食品安全」を掲げやすい。

 

まとめ

どちらの規格も「食を安全にするための仕組み」を作る規格

中身(FSMS+HACCP+衛生管理)の考え方は、ほぼ共通です。

 

FSSC22000は、世界の取引を見すえた「フルスペック版」

追加要求が多く、最初はしんどいかもしれませんが、

一度きちんと作り込めば、**海外顧客・多拠点展開・品質管理まで含めて、“あとから困りにくい”**という大きなメリットがあります。

 

JFS-Cは、日本語で分かりやすく、国内向けに始めやすい規格

まず1歩目を踏み出すには、良い選択肢です。

 

いかがでしたでしょうか。

FSSC22000 v6.0 と JFS-C v3.2 の違い について、ご理解いただけましたでしょうか。

 

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