ISO審査で質問されること
投稿日:2020年3月4日 最終更新日:2024年6月5日
みなさん、こんにちは。
ISOコム通信を見ていただきありがとうございます。
審査へ行きますと、認証取得から10年以上の組織様が多いように思います。
同時に、初回登録の審査の機会も増えてきたように感じています。
慣れない責任者の方々や部門の担当者の方にすれば、ISO審査でどのようなことを聞かれるのか、不安を感じることもあるでしょう。
今回は、ISO9001を例にとって、審査で聞かれることについて、考えてみたいと思います。
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審査計画書をよく見ましょう
まずは、審査機関から送られてくる、審査の計画書類をよく見ましょう。
1)審査の目的
審査員は、再認証(更新)審査であれば、前回の再認証(更新)以降3年間の活動を確認します。
サーベイランス審査なら、前回審査からの約1年間の活動を見せてもらいます。
変更があれば、その変更に関連する活動を確認します。
臨時審査や移行審査であれば、臨時で見ること、何から何に移行するのかを確認します。
どんな審査なのか、そのステージを把握するによって、審査員が重点的に確認したいと思うところを大きくとらえることができます。
2)審査チーム
あなたの会社の業種を理解できる、専門性を持った審査員が、あなたの会社の事業拠点(現地)に来ることが原則になっています。(コロナウィルスの蔓延時には、リモート審査をするケースもありました)
自分たちの会社の業界に詳しい審査員なのか、他の業種の専門性を持った審査員が含まれているのか、よくプロフィールを見てもらうといいかなと思います。
あなたの会社の業種を理解できる審査員が担当する部門は、あなたの会社の中でも特に重要なプロセスの審査を担当することが多いと思います。
例えば、ISO9001(あいえすおーきゅうせんいち)の場合ですと、QMS(きゅーえむえす)の8章、製造及びサービスの提供に関わる詳細についてなどですね。
日常業務や監視測定するべきポイント、現場での業務を確認します。
3)審査計画(スケジュール)
どの部門がどの時間に審査を予定されていて、時間の割り振りはどうなっているのか。
どの部門で、規格要求事項のどの箇条を見るようになっているのか。
部門毎の審査はどういう順番になっているのか。
時間の短い部門と、長い部門では、審査員の聞く内容やサンプリングの量、深さなども変わってきます。
業務に専門性を持った審査員が、どのプロセスを審査するようになっているのか、等、審査側の意図を読み取ると、審査が受けやすくなるかもしれません。
オーディットトレイル(audit trail)
監査の証跡と訳されるようです。審査のストーリーと考えていただければ良いと思います。
審査員は、審査にあたって、いくつかのストーリーを計画して臨んでいます。
ISO9001やISO14001(あいえすおーいちまんよんせんいち)規格の2015年版は、トップマネジメント(会社の経営層や工場長等)強いリーダーシップを要求しています。
トップダウンの指示がどのように伝達され、計画され、実施され、報告されて、見直しがされているのか、いわゆるPDCAを確認します。
その審査の流れを、どういうストーリー、順番で確認していくのか、どの部門で確認するのか・・・を計画しているということです。
従って、審査ではISO規格の箇条の順番に、規格の裏返しの質問をすることは少ない、ということになります。
トップ、管理責任者、部門の審査で、考えてみましょう。
1)トップインタビュー
事業の変化、今期の実績、課題や利害関係者のニーズ、事業上のリスクやチャンス、事業全体の目標、戦略、資源・・・等から、組織の方向性を聞き、マネジメント・レビュー(会社で行った活動の結果や成果をトップの方に報告すること)で、どんな指示や、決定をしたのかを、記録を見ながらヒアリングします。
ここで聞いた内容が、各部門でどのように展開され、活動されているかを、部門毎の審査で確認していきます。
2)管理責任者の審査
トップからお聞きした内容を、再度、詳細について確認します。
何を重点的に取り組む課題としているのか、どんな計画で実施しているのか、達成状況をどのように評価しているか、ISOの全般的な運用を確認します。
不適合や苦情への対応、修正、再発防止策の仕組みを確認し、全体の適合性、有効性を確認します。
認証のロゴマークの使い方、人員数、住所や活動の確認等、事務的なお話も確認します。
審査機関が発行する、認定シンボルや、認証ロゴマークの使い方は、審査機関ごとの規則があり、ルールが決まっています。
ISO認証の対象範囲になっていないサイト(事業拠点)や製品・サービス等がある場合に、認証範囲について、第三者から誤解を受けない表示や表現になっているのか、確認します。
名刺やカタログのほか、ホームページにも認定シンボルや、認証ロゴマークを掲載している会社が多いですが、サイト(事業拠点)や製品・サービス等の変更があった場合に、変更対応をしていない、というケースが時々見受けられますね。
また、認証登録証を掲示している場合に、最新版ではなく、古いバージョンの認証登録証を掲示したままになっていることもあります。
認証登録証の表示が、最新版で第三者から認証範囲について、誤解を与えないものであるのか、確認をします。
3)部門毎の審査
各部門の役割を確認します。
トップインタビューで確認した会社の方向性や、トップから指示のあった内容などが、各部門でどのように展開されて、実際の活動に反映されているのか、確認します。
目標等に展開されている場合、その部門での事業におけるリスクやチャンス、目標とその計画、進捗、結果を確認します。
もちろん、実業務でのISOの取組み、ルールや計画に対してどのように実施し、監視し、検証して、見直しを実施しているのか、実例と合わせて確認もしますよ。
プロセスアプローチ
ここでは、ISO9001に特化してお話ししますね。
2015年版の規格では、プロセスアプローチが採用されています。
組織に求めるプロセスアプローチを私ども審査員も審査の手法として採用します。
皆さんの会社でのお仕事の流れ、1つ1つの活動のつながりを確認しようとします。
短時間の審査の中で審査員がすべての業務を確認することは不可能ですから、お客様の主要な製品・サービス、業務を選んで確認をします。
いくつかのサンプリング事例から、どのように規定され、計画され、実施され、検証され、見直しを行っているのか、具体的な活動事例をもとに審査を行うのです。
その活動の中で、関連する設備、測定機器、担当者の力量、規定や記録、ノウハウや過去の経験からのリスク管理なども確認します。
審査員が聞きたいこと
審査員が何を確認したいと思っているのか、どのような手法でお聞きするのか、お分かりになったでしょうか。
審査員の聞きたいこと、それこそが、ISO審査でみなさんに質問すること、なのです。
審査員は、指摘事項を見つけに行くのではありません。
ISO規格やあなたの会社で決めたルールに則って、適切に運用されているか、成果が上がっているかを確認するために行くのです。
あなたの会社のマネジメントシステムやルールが、いかに自分たちの会社の業務にフィットして運用されているのかを見たいと思っています。
また、規格が要求している記録や文書を作ることが目的ではなく、その情報やルールを使って、次のアクションへつなげていること、まさに継続的改善のしくみを確認したいと思っています。
このように、審査員の意図を理解すると、どのようなことを質問されるのか、見えてくるのではないでしょうか。
今回のブログを通して、少しでも審査が受けやすくなれば、幸いです。
当社のコンサルならISOの審査に立ち会うことも可能です。
ISO審査を受けるに当たって、自分たちだけでは不安だなと感じられる場合、事前に審査機関の了解をとることで、我々のようなコンサルタントが審査に立合(同席)することが可能です。
ちなみに、オブザーバーとしての立合(同席)になるため、審査中の発言は出来ません。
休憩時間を利用して、助言、アドバイスを行うイメージになります。
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