業界別ISO9001:金属・金属加工
投稿日:2020年6月15日 最終更新日:2024年9月24日
みなさん、こんにちは。
ISOコム マネジメントコンサルタントの入岡です。
今回は金属・金属加工業界のISO9001の取得メリットについて考えてみます。
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金属業界とは?
一般的に金属業界というと金属の素材・材料の生産業界のことをいいます。
大きくは鉄鋼(鋼板・鋼材など)業界と非鉄金属(銅・アルミ・ニッケルなど)業界に分けられます。
さらに鉄鋼業界は、鉄鉱石から粗鋼を生産する高炉メーカーと、鉄くずを溶かした鉄製品の生産や、ニッケルやクロムなどを混ぜ鉄合金(ステンレスなど)を生産する電炉メーカーに分けて考えることが多いようです。
いずれも工業界のみならず産業を越え、石油などのエネルギー資源と並び近代国家の土台を支える重要な業界です。
よって、ここでの品質の影響は後工程とも呼べる他の産業に大きく影響されるため、品質管理は大変重要なものになります。
生産メーカーでは、材料名やグレードに対する品質の基準やバラツキの程度を厳しく工程管理し、JIS(日本工業規格)で定めた基準に適合しているかどうかの品質管理も、万全の体制で実施されています。
メーカー数も他の業種に比べると圧倒的に少なく、また大がかりな設備と広大な敷地が必要なことから巨大資本のメーカーが多いようです。
ISO9001との関わりとは?
これらの素材・材料メーカーでの品質管理は、一般的に正確で精度も高く、信頼性の高い分析・監視・測定が実施されています。
私の知っている事例では、JIS規格のベースになるようなレベルでの分析・監視・測定活動が成されているところが多数で、製品によっては、生産可能なメーカーが自社だけなどの場合は、JIS規格でなく自社の規格(市場でも合意されている)で評価しているケースもあります。
また社内基準は一般的にJIS規格よりかなり厳しめで運用されていました。
ISO9001のマネジメントシステムを使わなくとも、十分に顧客が満足する製品を生産できているのが現状のようです。
あえてISO9001の認証取得の背景には、自分たちの生産管理や品質管理の見直しや、維持のためと、顧客側から見た場合に生産・品質管理の活動がブラックボックス化しないようにするためで、顧客と同じ目線で説明できるようにするための認証の取得のようです。
金属加工業界とは?
先の金属製品(素材・材料)を加工し、部品などの製造を行う業界です。
加工には、鋳造、鍛造、切断、切削、研磨などがあります。
製品(半製品・部品を含む)には、建築土木の金具から自動車・造船部品、自動機や工作機械部品、電力・電子部品、更には医療器具など、身の回りのもの全てに関わり合いがある業界です。
生産の形態は単一品種大量生産と多品種少量生産があり、見方を変えると繰り返し生産と個別生産という分け方もあります。
工程管理・品質管理の視点からは後者の繰り返し生産と個別生産としたほうが考えやすいと思います。
繰り返し生産は大量生産に用いることが多く、市場が求める製品を調査し、製品仕様を自社で決めて製品を開発する開発プロセスがあります。
個別生産は一品ものであることが多く、顧客の要求する製品を実現するための設計プロセスがあります。
金属加工の背景とは?
この金属加工の業界は、大分類的な加工方法の一例でも鋳造、鍛造、切断、切削、研磨があり、なじみの深い切削加工を工作機械別に分類しますと、旋盤、フライス盤、ボール盤がありそれぞれにコンピュータで制御されるNC機があります。
それぞれに加工する金属材料ごとに加工ノウハウや工具が異なります。
また、大きさも旋盤を例にしますと、発電所のタービンのシャフトとなる直径2mの丸棒の高精度加工から直径が1 mm以下の電子部品までの幅があり、これを1台の工作機械でカバーすることはほぼ不可能です。
金属加工には様々な工作機械とそれに伴うノウハウが沢山あり、それぞれに経験と熟練を必要とします。
中小企業は、元々大企業の一部署であったものが加工技術の専門性から分離独立した場合と、専門性と高いスキルを持った職人に大企業を含む依頼主から加工依頼が寄せられ企業として成長した場合があります。
専門性を持った中小企業がこの分野に多数あるのはこのためです。
仕事の多様性や製品の大きさのレンジ、工作機械のカバーレンジ、職人の熟練度などが、多種多様なためこれ一本では大企業まで成長できず、金属加工を専門とする企業は中小企業止まりとなります。
日本の底地からは様々なところに散らばっている仕事を中小企業が経済性も含めて効率よくこなしている事で競争力が保たれています。沢山の中小企業に支えられています。
ISO9001取得のメリットとは?
この業界でのISO認証取得には大きなメリットがあります。
それは様々な得意分野を持った企業が沢山あると言うことです。
仕事の依頼をどの企業にしようかと選ぶときには大変参考になる目印です。
中小企業では、大きな仕事が舞い込んできても全てに即対応できるわけではありません。
たまたま仕事に空きがある場合の小さな仕事は別ですが、大きな仕事はいつまで仕事が続くか分からないため設備増強、人員増強はすぐには出来ません。
大きな仕事は大企業からの依頼である事が多いのですが、大企業側の事情としては、取引実績のある協力会社へ依頼することが一般です。
協力会社の生産力のキャパを超えて依頼は出来ません。生産力のキャパは、既に分かっているのでその対応策を考えます。
協力会社での不足した生産能力をカバーするためには、新規取引先を確保する必要があります。
そこで依頼先を探すときにISOの認証取得は依頼候補にする際の目印になります。
キャパを越えた仕事は、日本に沢山ある中小企業なかで、仕事のまわしあいをします。
忙しいところもあれば、暇なところもあるわけです。
仕事をどの企業へ依頼しようかと検討をする際には、業界での評判や同業者の紹介なども重要ですが、最終的には品質(Q)、コスト(C)、納期(D)が自分の要求を満たしているかどうかが大事な要件となります。
QCDをきちんとマネジメントできるしくみを持っているという証しが、ISO9001の認証取得と言えます。
もちろん試作や似たような加工事例のサンプルでの評価も、確実に製品が作れるという証拠として大事なポイントです。
ISO9001のマネジメントシステムでは、失敗も成功も含めてPDCAで確実に顧客の求めるQCDに着地させることの取り組みです。
また、もの作りが現状できちんと出来ていましたというだけでなく、これからもきちんと機能していけるという確信もISOマネジメントシステムから与えてもらえます。
大企業では協力会社に対して2者監査を実施していますが、ISOの認証取得していることで2者監査を軽減したり、廃止にしたりすることもあるようです。
ISOの審査でしくみを確認し、要求事項に適合していることが確認できますと、その企業のもの作りのしくみは心配ありませんよ、というお墨付き(目印)となるわけです。
様々な専門性を持った中小企業がひしめき合った金属加工業界、また多種多様なニーズが溢れている金属加業界はISO9001の認証取得の有効性が大変高い業界です。
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
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