ISO14001認証の取得の方法と流れ
投稿日:2022年3月15日 最終更新日:2024年11月8日
こんにちは。ISOコム株式会社 芝田 有輝です。
今日は、ISO14001認証の取得の方法と流れについて、お話ししてみたいと思います。
これからISO14001を取得しようとお考えのお客様には参考になると思いますので、必ずお読みください。
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ISO14001認証を取得する方法と流れ
弊社では、大凡次のような流れでISO14001認証の取得までをご支援しています。
【①システム構築段階】
・キックオフ
・ISO14001規格に沿ってシステム構築
【②システム運用段階】
・作ったシステムを運用する
・内部監査を実施する
・マネジメント・レビューを実施する
【③審査対応段階】
・ステージ1,2審査を受けて、指摘に対応する
・判定会議で承認してもらう
・認証登録
構築から認証取得までの期間は?
システム構築から認証取得までの期間
これが2業種、2事業所、人数300名とかになると、業種の中味、2事業所の事業内容、組織体制や実施する業務内容等を確認し、繁忙期なども把握した上で、期間を決めます。
ただ、概ね10~12ヶ月程度あれば、認証取得までにはたどり着いていただいています。
①ISO14001取得の流れ[システム構築段階]
a)キックオフ
ISO14001の認証を受けること、そして、その目的を全社(対象部門全員)で共有し、「全員参加の意識」を持っていただきます。
トップマネジメントの方(社長等の経営層、工場長、事業部長、部門長など)には、誰か特定の人だけが取り組むのではなく、「全員が当事者である」ことをメッセージとして発信くださいますようお願いしています。
b)規格概要説明、仕事内容の確認
(1)環境マニュアルの作成
マニュアル自体の作成をISO14001規格では要求していません。
しかしこれがないと、ISO14001の規格で審査が行われ、要求毎に「誰が、いつ、どこで、何を、どのように」という4W1Hについて、審査の度に答えていかなければならないというしんどさがあります。
そこで弊社では、このような4W1Hを明確にした環境マニュアルの作成をお勧めし、作成支援をしています。
ここでは、まず規格の説明をします。そして御社の業務内容を現場視察、ヒアリングし、現状使用されている帳票や手順等を確認します。
できる限り「問題なく流れている業務をそのままルール」として文面にします。
ISO14001の規格要求に対して不足箇所があれば、運用時に負担の少ないルールの提案や弊社のツールのご提供などを行います。
さらに一文一文、「実際に運用が可能か?」を御社に確認しながら、認証取得後に負担のかからないシステム作りを行います。
実施詳細は以下の通りです。
(1)規格概要説明
(2)適用範囲、組織体制、責任権限の確認
(3)経営層インタビュー(内部外部の課題、利害関係者のニーズ・期待のヒアリング)、リスク及び機会の決定
(4)規格4章~6章の仕組み構築
・リスク及び機会特定、評価、計画、レビュー
・環境方針の作成支援
・環境影響評価
・環境目標管理の仕組み
・環境関連法規制一覧作成
(5)規格7章
・資源(力量・認識、コミュニケーション、文書化情報管理)管理ルールの構築
(6)規格8章
・事業活動を通じた環境負荷低減ルール
・設計時の環境配慮、調達先、委託先への環境要求
・輸配送、使用時、使用後の処理・最終処分時の環境情報提供
・緊急事態の特定と発生時の対応手順
(7)規格9章
・データの収集・分析・監視・評価方法の仕組み構築
(8)規格9章
・内部監査、マネジメントレビュー仕組み構築
(9)規格10章
・是正処置方法の確立 ・改善プロセスの検討
(10)全体内容レビューと帳票類の作成
②ISO14001取得の流れ[システム運用段階]
システムができあがったら、そのシステムに従って以下のような運用を開始していただきます。
弊社では、その全ての証拠の確認を行います。
a)システム運用
・環境方針を作成
・業務を通じてどんな環境への影響があるか評価し、特に影響の大きいモノを決める
・環境目標、達成計画を作成
・環境法規制の洗い出し、行政機関への確認、一覧表の作成、生産設備等の行政への届け出、水質や土壌、大気などへの排出状況の確認、SDS(安全シート)の入手、順守できているかの評価
・教育関連資料の作成
・通常業務の中での環境配慮事項の実施(節水、節電、省エネ、デマンド対応、その他)
・環境への悪影響がある緊急事態が発生したことを想定した対応テストの実施
b)内部監査員養成講座
上記a)の運用結果が、作ったシステムやルールが守られているかを、書類や実際の仕事を通じて、「社内でチェックできる監査員を養成」します。
弊社では、監査の考え方、監査計画の立て方、質問の仕方、チェックリストの作り方、指摘の仕方、不適合(システムやルールと実際の業務があっていない状態)があった場合のフォローアップ(修正処置、原因の特定、再発防止策の提案)方法など、ケーススタディを含めて座学と演習を通じて、即戦力を養っています。
c)内部監査実施支援
御社の内部監査員が、マネジメントマニュアル、業務フローや、QC工程表、施工計画書等の通りに運用できているかの監査を行い、不備が見つかれば指摘、フォローアップをします。
弊社では、この監査に参加し、監査がスムーズに進むように、又、指摘すべき箇所があれば指摘書類を残し、その後の再発防止が完了するまでフォローします。
d)マネジメント・レビュー実施支援
マネジメント・レビューとは、ISO14001の自社のシステムやルールに従って業務を行った結果を、経営層に報告する機会を言います。
・その報告を受けてどんな処置や決定をするのか(アウトプット)
をISO14001規格では要求しています。
弊社では、その報告した証拠記録に漏れがないか、矛盾がないか等の確認をし、不足があればお伝えし、マネジメント・レビューの証拠の記録を完成させていきます。
ここまで来れば、審査を受けられる状態になります。
特に、内部監査やマネジメント・レビューが完了し、証拠がないと、次のステップであるステージ1審査で、大きな懸念が示され、次のステージ2へ進めなくなる可能性が高くなってしまいます。
③ISO14001取得の流れ[審査対応段階]
審査はステージ1、ステージ2の2段階があります。
第三者審査機関が審査を担当します。審査機関は弊社でもご紹介可能です。(ISO審査機関の選び方)
a)ステージ1(第一段階)審査
次のステージ2へ進めて問題ないかどうかを判断するために行います。
第三者審査機関が御社を訪問し、ISO14001に基づく書類に不備がないか、初期運用状況の確認を行います。
審査計画書が審査当日の2~3週間前くらいに届きます。
その計画に従って、審査が行われます。
(1)初回会議
ステージ1,2共に、大体以下のような流れで進みます。
・審査側、審査を受ける側の紹介、出席者確認
・審査目的、範囲、基準の確認
・最終会議の日時の確認
・審査スケジュールの確認
・審査がサンプリングで行われることの確認
・審査員が審査に必要な会議室、コピー機など利用の確認
・機密保持の約束
・審査中に緊急事態(地震や火災等)が発生した場合の避難誘導のお願い
・審査指摘が出る場合の等級とその後監査を受ける側が執るべき処置の説明
・審査を途中で打ち切る場合の条件
・質疑応答
(2)審査実施
あとは、審査計画書に書かれた通りに、審査が進みます。
会議室や食堂に集まって、初回会議を行います。
そこからは、集まった場所で部門の責任者や担当者にヒアリングしたり、書類確認をしたりします。
また、作業現場や建物の中や外周を確認しながら、次のステージ2へ進めて問題ないかどうかを判断するために、大凡以下のようなことを確認していきます。
・ISO14001を始めて数ヶ月の初期の運用状態が概ね出来ているか
・環境影響評価が行われ、特に影響の大きいものが決められているか
・環境目標が設定され、進捗評価が進んでいるか
・環境法規制をまとめた一覧のようなモノが作られて、大きな漏れがないか
・環境へ影響のある緊急事態を想定した対応テストが実施されているか
・内部監査やマネジメント・レビューが実施されて、証拠があるか
(3)最終会議
この審査を通じて、審査機関からは懸念事項(不適合ではない)が通常出されます。
この懸念事項を次回のステージ2までに対応することを条件にステージ2審査へ進めて良いとの判断がなされ、終了となります。
大体こんな感じで進みます。
・審査側、審査を受ける側の紹介、出席者確認
・監査結論(ステージ2審査へ進めても大丈夫か)
・全体の感想
・充実点の説明
・懸念事項の説明
・指摘に納得できるかの確認
・監査目的に対する結論(ステージ2審査へ進めても大丈夫か)
・審査がサンプリングで行われることの確認
・質疑応答
弊社はコンサルとして、このISO14001の審査で指摘が出た場合のフォローアップを行います。
また、ご要望に応じて審査の立会(オブザーバーとして)が可能です。
審査立会では、御社が審査員の質問に上手く答えられない場合、適切な書類を提示できない場合等に、休憩時間を利用して適切な対応を説明し、審査の軌道修正を行います。
最終会議前に審査員から過度な指摘候補を提示された際、必要に応じて反論材料を提供することもあります。
b)ステージ2(第二段階)審査
自社で定めたISO14001に基づいたシステムに従って、正しく業務が行われているかを確認し、審査を受ける会社(工場等)に、ISO14001の認証の推薦を出来るかどうかを判断します。
第三者審査機関が御社を訪問し、主に、ISO14001の運用結果を中心に内部監査、マネジメント・レビューの結果の詳細確認を含めて、ステージ2で確認した書類の中味を詳しく見たり、作業現場を中心に作業者や責任者にヒアリングしたり等、詳細に確認していきます。
(1)初回会議
ほぼステージ1と同じです。
(2)審査実施
審査計画書に書かれた通りに、審査が進みます。
会議室や食堂に集まって、初回会議を行います。そこからは、集まった場所で部門の責任者や担当者にヒアリングしたり、書類確認をしたり、作業現場や建物の中や外周を確認します。
主に、「作業現場を中心に」作業状況を観察したり、作業者の方にヒアリングしたり、実際に仕事をしてみてもらったりする等、運用確認を行っていきます。
・環境目標が設定され、進捗評価で達成に向けて進んでいるか
・環境法規制をまとめた一覧のようなモノの漏れがないか
・環境へ影響のある緊急事態を想定した対応テストが実施され、対応テストの手順が正しかったか評価しているか、又は修正を書けているか、その内容が適切か
・内部監査やマネジメント・レビューが実施されて、証拠があり、その中味が適切か、漏れがないか。
等、中味の確認を中心に行います。
(3)最終会議
・開会挨拶
・審査側、審査を受ける側の紹介、出席者確認
・監査目的(ISO14001の認証登録を審査チームとして判定会議に推薦できるかどうか)
・全体の感想
・充実点の説明
・不適合や改善指摘の説明
・是正処置(書類の書き方の説明、提出期限の合意など)
・指摘に納得できるかの確認
・監査目的に対する結論(認証登録を審査チームとして推薦できるかどうか)
・審査がサンプリングで行われることの確認
・判定会議の予定日の確認
・質疑応答
(4)弊社ISOコムの支援内容
弊社は、この審査の指摘が出た場合のフォローを行います。
ご要望に応じて審査の立会(オブザーバーとして)も可能です。
審査立会では、御社が審査員の質問に上手く答えられない場合、適切な書類を提示できない場合等に、休憩時間を利用して適切な対応を説明し、審査の軌道修正を行います。
また、最終会議前に審査員から過度な指摘候補を提示された際、必要に応じて、反論材料を提供します。
c)判定会議
審査機関の社内で、審査が適切に行われたかどうか、指摘に対する是正処置が適切か等を判定する会議です。
ここでは、審査部門の部長、審査員、他審査機関が招聘した第三者からの目線でこの審査が適切かを判断する人たちで協議します。
めったにありませんが、審査の一部が不適切であったということで差し戻しが行われることもあります。
まあ、普通は、ここで戻ることはありませんし、弊社が支援した事例で、差し戻しはありません。
協議の結果、ISO14001の認証を承認します!となれば、
当日か、翌週などに、審査を受けた会社の窓口担当者の方にメール等で連絡が届き、
その後、登録証が送付されます。
これで、認証取得が完了となります。
ISO14001取得に係る費用
ちなみに、ISO14001取得に係る費用は、大きく分けて以下の3種類があります。
①審査費用
ISO14001の審査を受けるための費用
審査機関により様々ですが
詳しくは、審査機関にお問い合わせください。審査機関は弊社からご紹介可能です。
②コンサル費用
ISO14001審査に合格するために、コンサルタント会社に支払う費用
1業種1事業所(50名5部門程度)の場合、弊社では大凡以下の通りです。
毎年の審査合格:月額37,500円×12 総額450,000円~
③ISO14001取得のために、社内で整備するための費用
環境法規制対応等で必要となる費用があります。
例えば危険物倉庫を建てる、廃棄物置き場を設置する、排気ガスの排出経路を変える、消防法に基づく立屋の構造にするなどが考えられます。
ISO14001構築の時点で、環境法規制の順守状況を確認し、不足分を補う必要があるため、ここは組織(会社)によって異なってきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ISO14001認証取得の方法と流れ。
結構色々な段階があって大変そうに思えてしまうかも知れませんね。
簡単にまとめますと、
・ISO14001規格に沿ってシステム構築
・作ったシステムを運用する
・内部監査を実施する
・マネジメント・レビューを実施する
・ステージ1,2審査を受けて、指摘に対応する
・判定会議で承認してもらう
・認証登録
という感じでしょうか。
自社で取得するのが大変そうな場合、スムーズに最短距離で過度な業務負荷をかけずに認証をとりたいからISOコンサルにお願いしたいというのもアリだと思います。
その場合は、ぜひ一度弊社にお声がけください。
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