業界別ISO9001:印刷業での利用のされ方
投稿日:2020年9月16日 最終更新日:2024年9月24日
みなさん、こんにちは。
ISOコム通信を見ていただきありがとうございます。
今回は印刷業界のISO9001の取得メリットについて考えてみます。
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印刷業界はISO取得が進んでいる
印刷会社では、文字通り、印刷を行います。
印刷と言っても、本や雑誌などの出版物、パンフレットや販促用のチラシなどの商業用、名刺、封筒、伝票などの事務用、金券などのほか、紙以外の金属やプラスチック、布などに印刷物もあります。
かつては、1文字ずつのハンコのような活字を、原稿に合わせて拾い、製版フィルム、PS版へ現像処理を行い、印刷をしていました。
現在は、印刷物の割り付けなどの編集作業をコンピュータで行い、出力を行うDTP(Desktop publishing)や、コンピュータのデータから直接印刷版を出力するCTP(Computer To Plate)が主流です。
最近では、1枚から、専用の印刷機で直接印刷を行うオンデマンド印刷もあります。
一般には、営業、デザイン、校正、製版、印刷、製本加工、出荷等の工程があります。
原稿はデータで入稿することが多く、著作権や個人情報に関連する情報も含まれます。
主要な資材は、紙とインクです。
洗浄剤には有機溶剤を使用することが多いです。
そのため、品質マネジメントシステム(ISO9001)のほか、環境マネジメントシステム(ISO14001)、クリオネマークのグリーンプリンティング認証、FSC森林認証、個人情報のPマークなどの第3者認証を合わせて保持していることが多いようです。
これらの認証制度についての詳細は割愛します。
法令順守にもISO9001が役立つ
印刷会社に訪問すると、まず、匂いがあります。
インクや洗浄剤などの薬品の匂いです。
私はかつて印刷会社に勤めていた経験があり、この匂いがそれほど気になりません。
実際のところ、匂いに気が付かず、同行の方に言われて初めて気が付くことも多いです。
匂いに限らず、印刷会社が関連する法規制の順守にも、ISOの取組みが役立つと考えます。
一般的に、以下の法規制が関連します。
著作権法、個人情報保護法、消防法、労働安全衛生法の有機溶剤中毒予防規則、騒音規制法、振動規制法、悪臭防止法、水質汚濁防止法、等。
法規制とは異なりますが、前述の第3者認証もあります。
覚えておられるでしょうか。
2012年、印刷会社で健康障害が発生し、社会問題になりました。
洗浄剤に含まれる化学物質に長期にわたって暴露したことにより、胆管がんを発症した事例です。
この化学物質は、当時、使用や管理を義務付けられたものではありませんでした。
ISO9001を保持していなくても、法令順守は当たり前のことです。
また、働く人々の健康も大事です。
ISO9001を取得されている印刷会社は、トップのリーダーシップの下、法規制等への順守を宣言し、作業環境を見直し、顧客の要求事項と合わせて法規制順守を確認、運用を行う仕組みを構築されています。
ISOの仕組みの中で、法令順守を行い、健康を維持する取り組みを運用しておられます。
識別管理にもISO9001が利用される
紙の色や厚み、種類など、素人目にはわかりにくいものです。
お客様のご要望によって、森林認証を得た認証紙や再生紙などを使用することがあります。
包装資材や納品書には記載がありますが、印刷会社で仕入れる用紙に認証マークや仕様が印刷されているわけではありません。
印刷物には両面印刷も、片面印刷もあります。
片面ずつで色数が異なる(4色と1色など)こともあります。
片面印刷の後、乾燥のために一時置きすることもあります。
これら大量の資材の管理も、作業状況管理も、ISO9001の仕組みで識別管理が行われ、運用されています。
ISOがあれば設備管理でコストダウンできる
かつてISO9001の審査で訪問したいくつかの印刷会社で、ISO取得後に大きくコストダウンができたことの1つが、設備管理でした。
印刷機は高価で長期にわたって使用するものです。
毎日の点検や消耗品の交換、定期的な掃除やメンテナンスが欠かせません。
万が一にも故障すると、予定通りの生産(印刷)ができず、納期遅れなどお客様にご迷惑をおかけすることになりかねません。
ISO9001認証取得をしていなくとも設備点検は必要ですが、ISOを運用することで、仕組みの中で計画的なメンテナンス管理を運用することが可能です。
大きくコストダウンを図れた会社様は、メンテナンス技術の習得に力を入れられた結果、メーカーに頼らず社内対応できることが増えました。
また、消耗品交換時期の見直しにより、品質面にも影響のない範囲での交換延長ができたことなど、自分たちの業務を見直し、改善活動へ結び付けられた結果であったとお聞きしています。
印刷会社の作成するマニュアルや記録様式はキレイ。
いろんな業種の会社の審査へ行き、いろんなマニュアルや記録様式を見ます。
WORDで作成したもの、EXCELで作成されたもの。
お客様へ納品する製品ではなくとも、印刷会社の使用している文書や記録様式は、とても見やすく、キレイです。
例えば、左右の空き、段落の取り方、文字の大きさや行間、人が見るときの目の動きを意識したレイアウト。
これらは、意識して作成されたものではないと思いますが、普段から上質な印刷物を日常的に目にしている会社だからこそ、自然と備わっているのだと感じています。
ISO9001による法令順守、品質改善やPDCAの活動も、日常的に取り組む中で自然と会社文化として意識され、醸成されていくものと思います。
まだISOを取得していない印刷業界の経営者様にはぜひISO9001の取得をおすすめします!
最後までご覧いただき、ありがとうございます。
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