ISO9001　 運用更新支援コンサルティング 徳島県　 一般貨物運送業の会社について

2022年10月18日

こんにちはISOコム　マネジメントコンサルタントの岸孝雄です。

広域でお客様の長距離配送ニーズを満たし、お客様満足を獲得されている会社がISO9001に取り組んだ場合を背景に、お話ししてみます。

一般貨物運送業というのは、日本の産業を「物流」という側面で支える産業です。

モノを必要とされる時間に引取り、必要とされる場所へ確実に届ける。
この業務に加え、お客様からモノをお預かりし、お届けするというサービスを行います。

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運輸業界の事業の環境とは？

貨物自動車の運送事業の業界は、市場競争に係る規制緩和と、特に運転に関する安全管理とトラックを運転するドライバーに対する働き方の管理（労務管理）というように、

運輸業界を監督している国土交通省が根拠法令の強化を行い、運行記録計の装着義務付けなどトラックの整備管理の強化やドライバの労働時間管理の厳格化が進められるなど、ビジネス環境は法規制と行政規制の強化によって経営管理事項が強化されましたが、

その反面、需給調整規制の廃止や営業区域に関する規制の緩和などの市場における商規制が緩和され、市場に於いては、荷主によるモノの流通のスピードアップの要求と、業界参入規制緩和により競合から、価格競争は激しさを増す業界です。

また、ドライバーの高齢化とドライバーになりたいというヒトの不足に加え、トラックの燃料である軽油だけでなく、

環境規制の強化から燃料タンクに添加する「アドブルー」と呼ばれる排気ガスを清浄化させる燃料添加剤の不足と高騰が、運送会社を経営する上の大きなリスクとなっている状況にあります。

貨物自動車の運送事業の特性とは？

貨物自動車の運送事業は、お客様からの配送して欲しいという依頼が出されると、以下のような流れで業務が進んでいきます。

(1) お客様からの配送要求の内容に応じて、トラックとドライバーの予定を押さえることで受注が確定し、トラックを配車するスタッフ（配車係）が運送計画を作成します。

(2) 配送を担当するドライバーは、お客様が指定する時間に、お客様が指定する場所に到着して、お客様(またはお客様が指定する荷主)からの荷物（貨物）をトラックに積み込みます。

この時は、法律で定められた重量を超えないように、また、荷主の財産である荷物（貨物）を傷つけることないよう、細心の注意を払うことが求められます。

この業務では、ドライバーの作業や、トラックをどのルートで走って行くか、つまり早く、安全に荷物を引き取り、届ける、という最適なルートなどの経験値や、ドライバー自身の性格や、運転の技量などをこちらも法律で定められて、ドライバーが受けた適性診断からみられるドライバの性格や反射神経など個人の傾向ごとの管理が要求されることから、トラックを配車するスタッフ（配車係）には、適切なドライバーの配備が大切な要素となります。

(3) 荷物（貨物）の積み込み地から目的地までの最適ルートの設計では、配車スタッフの地理勘や、走行経路上で遭遇する降雪地帯や凍結が懸念される地域など地理的な気候条件、お客様の希望価格によって高速道路などの有料道路を走るかどうかの判断能力が求められます。

この目的地までの最適ルートの設計や、ルート上の地理事情、走行経路上で遭遇する気候条件などは、担当するドライバーとの認識を合わせておくことが非常に重要です。

(4) また、一方で、特に製造業のお客様によるJust in timeでモノを届けるという要求に応えるため、倉庫業としての機能を強化されるなど、

(5) 激しく変動するビジネス環境や、市場ニーズへの対応も厳しさを増す貨物自動車の運送業界で、他の会社との差別化をするなど競争力を保つことなっています。

貨物自動車運送事業や倉庫業がISO9001を認証するメリットとは？

貨物自動車の運送業や、倉庫業の会社が、ISO9001を取得して取り組んだ成果は、車両の計画的な維持管理やドライバの健康状態や適性能力の管理など、しっかりした運行管理についてのルールを確立し、

確実にお客様との契約事項(＝お客様が求める内容)を守っていくことはもちろんのこと、交通法規や貨物自動車の運送事業に要求される法令に加えて、「働き方改革」にみられるように、

ドライバーの労働条件、つまり、何時間運転するか、何時間続けて運転するか、休憩をどれだけとらせているか等の法令等の順守が重要です。

このため、次の5点がメリットであると言えそうです。

(1) お客様要求を、注文を受けた配車スタッフから現場で仕事されるドライバに正確に伝える仕組みが作られ、運用していくことで、荷主や荷物を受け入れるお届け先、お客様などの満足を得られること。

(2) トラックやドライバーの運転スケジュールの管理の精度を高めていくことで、現場で仕事するドライバーの負担を減らして、法令に従った適正な労働環境の中で安心・安全に働ける環境を確保に前進できること。

(3)　「庸車」と呼ばれる協力会社（下請けの運送業者）や、燃料供給してくれる業者、資材を供給してくれる業者など、自社だけでなく、協力会社を含めてすべての協力会社との良好な関係を保ち、お客様、協力会社、働く人々それぞれにとって「3方よし」の経営の実現に前進できること。

(4) 最も心配しないといけない交通事故やお客様の敷地内での事故発生予防のために、ドライバーが危険を予知するための教育や、過去に発生した事故の事例などをもとにした教育や訓練の計画的な実施、それに事故には至らなかったもののヒヤリとした情報をドライバーで共有するなど教育訓練やコミュニケーションの仕組みが作られること。

(5) トラックが安全に走行できる状態を保つための整備計画ができ、その管理状態が向上すること。

などが挙げられます。

このように、社長様を始め、運行管理をする人、配車をする人、トラックを整備する人、事務の人、経理の人を含めて、会社全体で貨物自動車の運送事業や倉庫事業に関わる人々、

そして、関わってくれる協力会社を巻き込んで、求められる法律を守るための活動を続け、お客様の満足度の向上、

現場で働くドラーバーすべての人々の安全安心の環境づくりにISO9001の取組が効果を発揮することが期待できます。

いかがでしたでしょうか。ISO9001に取り組むことでいろんなメリットがありそうですね。
逆に取り組まないことで、

トラックの事故
預かった荷物の破損や紛失
荷物の到着時間の大幅な遅延などによるお客様の信頼低下
ドライバーの退社
ドライバー不足によって仕事を受けられない
協力会社が思ったように協力してくれない・・・

などが単発、或いは連続して起こってしまうかも知れません。

そうならないように、また、多少でもそのような兆しがあれば、この機会にISO9001に取り組んでみませんか？

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