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SDGsとISO14001の違いとは

投稿日:2023年8月22日  最終更新日:2024年10月9日

SDGsとISO14001の違いを説明中

こんにちは。ISOコムの芝田有輝です。

今回は、SDGsとISO14001の違いとは について、お話ししてみたいと思います。

 

SDGs(エスディージーズ)、という言葉を見聞きする機会が増えてきました。

日本でも多くの企業でSDGsへの取り組みが加速しています。

 

しかし、ISO14001を取得している企業に務めている方の中には、「違いがわからない」「同時運用は可能なの?」などと考える方もいるはずです。

 

実際に、ISO14001とSDGsは共通点が多くみられますね。

今回は、そんな似た部分があるISO14001とSDGsについて解説していきますね。

 

まずは、ISO14001について解説していきましょう。

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ISO14001とは?

ISO14001とは、環境マネジメントシステムの国際規格の一つで、企業が自分たちの環境への影響を管理し、改善するためのフレームワークを提供しています。

・企業のフレームワーク:

ISO14001は、環境に配慮した事業活動を行うための権利を提供するもので、主体的に企業や組織が利用します。

・環境管理に焦点:

ISO14001は環境の保護と汚染の予防に焦点を当てています。

それは、エネルギーの効率的な利用、廃棄物の削減、リサイクルの促進など、企業の環境パフォーマンスの向上に関連していますます。

・認証と審査:

ISO14001は、認証が必要で、組織や会社が、ISO14001規格の基づく業務の仕組みを作り、

ISO14001の運用結果を証拠として残し、第三者審査機関(実際にあなたの会社に訪問します)の

審査に合格し、自社の環境マネジメントシステムが、ISO14001の基準を満たしていることを、証明する必要があります。

SDGsとは何か?

SDGsとは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)のことを言います。

この目標は国際連合によって2015年に承認されました。

ここでの「持続可能」とは、「未来の世代のため」 「今の世代のニーズを満たす」ことを伝えます。

【参考】外務省:SDGsとは?

 

全世界的な目標:SDGsは全世界で提案された目標であり、地球全体の未来をよくするための取り組みを提起しています。

広範な課題:SDGsは、貧困、飢餓、健康、教育、ジェンダーの平等、クリーンなエネルギー、経済成長、環境など、多岐にわたって17の目標と169の目標(ターゲット)を含んでいます。

政策や行動への指針:各国や地域、企業、個人などは、SDGsを指針として、具体的な政策や行動を決めることができます。

ISO14001とSDGsの違いとは?

続いて、ISO14001とSDGsの違いについて解説していきましょう。

環境を守る、環境への負荷を下げるなど、目指すべき目標には、同じ部分があると予測できる2つですが、以下のような違いがあります。

・アプローチの方法

ISO14001は、企業が自己責任で環境問題に取り組んでいます。

環境問題を解決するため、環境への負荷を下げるためには、どういった取り組みを行うべきなのかを企業ごとに独自に考えているんです。

 

一方、SDGsは設定された17の目標と、169のターゲットの中から、企業や個人が取り組むべき内容を考え、順番に実施していきます。

場合によっては、他の企業と協働で、課題への取り組みがなされるケースもあります。

・対象

SDGsは、全世界的な目標で、あらゆる社会的、経済的、環境的課題をカバーしています。

一方、ISO14001は、組織や会社向けのフレームワークで、環境管理に焦点をあてています。

・具体的な行動

ISO14001は、具体的な環境管理のための行動を、企業に求めます。

一方、SDGsは全体的な方向性を示すもので、どのように達成するかは、それぞれの国や組織、個人に委ねられています。

・期限

期限の有無も、違いのひとつです。

前述したように、SDGsは2030年までに達成させることが、目標として定められています。

一方、ISO14001には期限が定められていません。

・認証/審査

審査の有無にも大きな違いがあります。

SDGsは、世界中の国や企業、個人に向けて取り組みが推奨された目標です。

 

前述したように、達成目標が掲げられていますが、取り組みを実施するための審査はありません。

手続きもないので、誰もが始めやすい部分が魅力ですね。

 

一方、ISO14001は、取得するための審査制度が、設けられています。

取得をしたとしても、定期的に現地現認の審査が1年ごとに実施され、3年ごとの再認証(更新)審査にも合格しなければ、取得を継続できない仕組みとなっています。

 

しかし、SDGsにおいても、企業を支援する取り組みが始まっているので、今後審査が必要になる可能性はゼロでは無いと言えます。

 

例えば、日本では、横浜市のSDGsの認定制度は、SDGsの目標に向き合っている事業や団体を認めて、表彰しています。

弊社のお客様にも横浜市のSDGsを認定されている会社がございます。

 

地域の課題を解決し、持続可能な未来を作るために、努力している事業や団体は、

この制度で評価され、認定され、その事業や団体の取り組みが広く知られるようになります。

 

ISO14001の活動にSDGsを組み込むことは可能か

ISO14001とSDGsは、どちらも、持続可能な社会の実現を目指しているので、相性が良いと言われています。

組織や会社が、SDGsを、経営に取り入れるためのアプローチを提供している、SDGコンパスを活用すれば、企業は、容易にISO14001とSDGsに取り組むことが、可能となります。

ISO14001の活動に、SDGsを上手く組み込むことで、より、強力な持続可能性の戦略を、考えることができます。

 

ここでは、少し踏み込んで、ISO14001を持つ組織や会社がSDGsを取り入れて行う活動方法を紹介します。

・自社の影響を理解する

まず、自社の活動が、どのSDGsに関連しているのかを理解することが重要です。

それは製品、サービス等の活動全てを、範囲に含めるとよいでしょう。

廃棄物管理(目標12)と、エネルギー効率(目標7)が関係しそうです。

・SDGsを組み込む

次に、SDGsを、自社の環境マネジメントシステムに組み込むことです。

プログラムやエネルギー効率の改善などの活動は、それぞれ、SDGsの目標12と7に、対応しそうです。

・計画を作る

SDGsに対応した持続的な改善の原則に基づいて、例えば、エネルギー使用量等、具体的な環境目標を立てて、達成計画を作り、達成に向けた活動を行います。

・評価と改善

定期的に目標管理活動の中で、パフォーマンスを評価し、環境目標達成の為の必要な改善活動を行います。

SDGsの達成状況を追跡するためには、進捗を定期的に評価し、環境目標達成のための戦略を適応させることが大切です。

実際に、SDGs とISO14001を統合して運用している事例も増えているようです。

まとめ

①ISO14001とは、企業の環境への影響を管理し、改善するための国際規格で、環境保護と、汚染予防に焦点を当てており、認証が必要で、定期的に審査されます。

②SDGsとは、持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)。世界的な目標で、​​社会的、経済的、環境的課題をカバーしている。具体的な行動は、それぞれの組織や、個人に委ねられている。

③ISO14001の活動にSDGsを上手く組み込むことで、より強力に、環境改善のパフォーマンスを向上させることが可能。

皆さんの組織、会社でもISO14001とSDGsの同時運用を検討してみてはいかがでしょうか?

 

最後までご覧いただき、ありがとうございます。

ISO14001、SDGsは相性がいいのですが、ここをよく理解せずに、仕組みの構築や運用を行ってしまうと、重複して同じような活動をしたり、記録を作成してしまったり等、労力をかけて、作成した仕組みが、うまく機能せず終わってしまう可能性もあります。

 

そうならないように、ISO14001、SDGsをよく理解し、ISO14001の仕組みの中に、無理のないようSDGsを組み込み、効率的に、組織や会社が目指す、環境活動のパフォーマンス向上を、達成してみませんか?

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