第4回 ISO14001解説 2015年度版 改正(改訂) 要求事項6.1.2項「環境側面」について
投稿日:2017年11月6日 最終更新日:2020年10月30日
こんにちは。このブログにアクセスしていただき、ありがとうございます。
今回のブログでは、ISO14001改正版の6.1.2項「環境側面」について考えていきたいと思います。
6.1.2章は、皆様の組織の環境マネジメントシステムにおける適用範囲の中で、“ライフサイクルの視点”を考慮し、組織の活動、製品・サービスについて環境側面とそれに伴う環境影響を決めることを要求しています。
この要求は、2004年度版から要求されていますが、今回は以下が変更・追加されました。
・環境側面を決める時に
-ライフサイクルの視点を考慮する。
-環境影響も決める。
-非通常の状態を考慮する。
-予見できる緊急事態を考慮する。
・著しい環境側面を決める時に基準を設定する。
・著しい環境側面決定後に必要に応じた著しい環境側面を伝達する。
・文書化の対象に「環境側面及びそれに伴う環境影響」「著しい環境側面を決定するために用いた基準」
が追加されました。
今回追加の要求事項“ライフサイクル”とはどんなことでしょう?
人の場合、誕生から死に至る人の一生を意味しますが、
製品の場合は、
原材料の取得~設計~製造~製品の輸送(提供)~製品の使用~使用後の処理~最終処分(リサイクル)に
なります。
その中で自社が影響を及ぼすことができる環境側面とは、例えば、原材料の調達や外注先での製造、
完成品の輸送など自社で行っている業務ではないものがある場合、自社の環境側面にはなりませんが、
自社がその購買先や委託先に対して管理することが可能な環境側面まで考慮しなさいということが
要求事項になっています。
「非通常状態」とはどういった状態でしょう?
製造工場の場合、非通常とは、長期休暇や故障での設備の停止や新規設備などの導入立上げ状態など
通常とは異なる状態を意味し、このような場合も考慮しなさいということになります。
「予見できる緊急事態」とは何でしょう?
ISO14001での予見できる緊急事態とは、
①自社が地球に与える緊急事態(火災や事故)
②地球が自社に与える緊急事態(地震、台風など)
③その他(直接環境には影響を与えない緊急事態で、労働災害や法規制対応の遅れによる操業停止など)
が考えられると思います。
このような新しい要求事項を踏まえ、環境側面と環境影響・著しい環境側面を決める必要があります。
これだけ多くの要求が追加されていて、
環境影響評価を行うことが非常に大変だと感じられるかもしれませんが、
2015年版の改版では、環境影響評価を行うための手順は要求されてなく、
自社の環境側面とそれに伴う環境影響と著しい環境影響を決めればよいので、
今までより少し楽に考えてみてもいいのではないでしょうか?
ある私のお客様で、まず環境側面を抽出するための手順書を作成し、
その手順に基づき、各部門が環境側面を抽出し、それに対し、環境影響評価・点数付けを行い、
著しい環境側面を決め、これを毎年実施されていらっしゃいましたが、
2015年版対応で、点数付けをやめ、
社内関連部門との環境関連の打合せの中で、事業内容や新規設備等から環境側面を再確認し、
その場で著しい環境側面まで検討することとして、環境影響評価における工数を減らすことができました。
これからは自社に見合ったやり方を考えて、自社の環境影響評価を行うことで、
環境にやさしい企業を目指すことでいいと思います。
次回のブログでは、ISO14001の順守義務について考えていきたいと思います。
今回の記事はいかがでした?
環境側面を理解し、あなたの会社にあったやり方で取り組みを決めないと、余計な時間や手間がかかって、本業にも影響を及ぼしかねません。
ISOコムのコンサルを受ければ、あなたの会社にあったやり方で、スムーズに取り組みが決まり、本業が更に環境保護に結びついていきます。
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【ISO14001に関する過去記事】
4.1項「組織及びその状況の理解」、4.2項「利害関係者のニーズと期待の理解」、6.1項「リスク及び機会の取組み」について(その1)
4.1項「組織及びその状況の理解」の「内部及び外部の課題」について(その2)