ISO14001の著しい環境側面とは?
投稿日:2023年11月9日 最終更新日:2024年10月9日
こんにちは。ISOコム株式会社 芝田有輝です。
今回は、ISO14001の要求事項にある「環境側面」の中でも特に、重大な影響を及ぼすと判断される「著しい環境側面」についてお話していきたいと思います。
では、いってみましょう!
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環境側面とは?
ISO14001において、企業や組織の活動の中で環境に影響を及ぼす、または、その可能性のある側面・要素を「環境側面」といいます。
ISO14001の著しい環境側面とは?
ISO14001の著しい環境側面とは、環境に影響を及ぼす原因になると判断された環境側面の中でも、特に、地域環境に重大な影響を及ぼす側面、要素ということになります。
著しいと判断した環境側面は、ISO14001 6.1.2 環境側面で、表にして一覧化するといったように情報を文書化し、管理する必要があります。
ISO14001では、全ての環境側面を管理する必要はありません。
企業や組織ごとに著しいかどうかの基準を、会社毎(工場毎)に独自の基準を文書にして、その基準を超えたものを、管理対象として、取り組むことが必要になります。
ISO14001では、著しい環境側面の基準についての規定は特にありませんが、著しさの基準を確立するには、以下の事項を考慮すると良いとされています。
1:環境基準(影響の規模、深刻度及び継続時間、または環境の種類、規模及び頻度など)
2:適用可能な法的要求事項(許可または規制などによる排出及び放出の制限など)
3:内部及び外部利害関係者の関心事(組織の価値、対外的イメージ、騒音、臭気または景観上の劣化など)
環境側面の中から、著しい環境側面を抜き出して、適切に取り組むことで、環境への影響をできるだけ抑えることができ、地域環境の保護につながることが期待できますね。
著しい環境側面の抽出方法とは?
著しい環境側面は、洗い出した環境側面が、環境にどの程度の影響を及ぼすのか評価する「環境影響評価」ということを行っていきます。
環境影響評価は、私たちの活動が環境にどのような影響を与えることを評価することです。
(1)環境影響の洗い出し
環境影響評価には様々な方法があり、企業や組織によって異なるため、ここでは代表的な例を紹介します。
a)環境側面の種類
b)発生頻度
c)地域環境影響
d)地球環境影響
e)有益かどうか
f)発生時の状況
これらを組み合わせて評価する方法です。
環境影響評価方法を更に具体的に説明しましょう。
a)環境側面の種類
ここは事業のプロセス、作業名等を具体的に書きます。例:機械油の使用、電気の使用、使用済みウェスの発生等・・・
b)発生頻度
毎年・毎月・毎日のいずれに該当するか、評価します。
c)地域環境影響
大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音震動、廃棄物増加等・・・のいずれに該当するか、評価します。
d)地球環境影響
地球温暖化、エネルギー消費、資源枯渇、オゾン層破壊等・・・のいずれに該当するか、評価します。
e)有益かどうか
該当する場合に○と評価します。
f)発生時の状況
通常操業時か、緊急時かを選択して評価します。
(2)影響評価方法
洗い出しをしたら、いよいよ影響評価を行います。
評価は、発生の可能性、影響の重大性、管理の余地等で行います。
発生の可能性は、洗い出しの箇所の頻度(毎年、毎月、毎日)で評価し、影響の重大性は、地球や地域環境への影響度を考慮して評価します。
例えば、人の命や心身への影響、賠償を伴う可能性などがあれば、当然重大と思います。
管理の余地は、自社でその発生頻度や排出量、使用量を抑えたり、重大性を緩和したりするなど、コントロールできる余地があるのかどうか、です。
この辺りで評価し、会社や工場で定めた基準以上になれば、「著しい環境側面」として決定し、一覧表にまとめることになります。
上記はあくまでも一例であり、企業の環境方針によっては、他の評価方法を用いた方が良い場合もあります。
各企業の環境に対する取組の基本方針に沿った評価方法を採用しましょう。
著しい側面に決定した後の活動とは?
著しい側面に決定した後は、環境目標として、削減の目標値を決めて、取り組んだり、
これ以上悪くならないように維持するための維持管理活動として位置づけ、維持管理に取り組んだりします。
いずれの活動も、審査では重要視され、証拠の提示が必要となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、著しい環境側面とは何か、どうやって決定するのか、について解説しました。
環境マネジメントシステムを構築するにあたって、著しい環境側面を抽出するための環境影響評価は、非常に重要な作業です。
しかし、ISO14001には、何が著しい環境側面に該当するのか、またその抽出方法について明確な基準がありません。
そのため、著しい環境側面について正しく理解し、会社の環境方針に対して最適な評価方法を慎重に決めなければ、余計な時間や手間を費やしてしまうことになりかねません。
ISOコムのコンサルを受ければ、あなたの会社に最適な環境影響評価の方法もスムーズに決まり、よりふさわしい、身の丈に合った環境マネジメントシステムの構築、取り組みをお約束します。
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