ISO9001 マネジメント・レビューの実施頻度と実施方法について
投稿日:2024年7月24日 最終更新日:2024年7月26日
こんにちは!ISOコムの芝田 有輝です。
今日は、ISO9001で実施と記録作成を要求されている、マネジメントレビューの実施頻度と実施方法について、お話してみたいと思います。
それでは早速いってみましょう!
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ISO9001のマネジメント・レビューの要求事項とは?
ISO9001では、9.3 マネジメントレビュー 9.3.1 一般にて、
「トップマネジメントは,組織の品質マネジメントシステムが,引き続き,適切,妥当かつ有効で更に組織の戦略的な方向性と一致していることを確実にするために,あらかじめ定めた間隔で,品質マネジメントシステムをレビューしなければならない。」
との要求があります。
ここでは、以下の情報をインプット(議題としてあげる)ことが要求されています。
9.3.2 マネジメントレビューのインプットとは?
9.3.2 マネジメントレビューへのインプット
マネジメントレビューは,次の事項を考慮して計画し,実施しなければならない。
a)前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況
b)品質マネジメントシステムに関連する外部及び内部の課題の変化
c)次に示す傾向を含めた,品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に関する情報
1)顧客満足及び密接に関連する利害関係者からのフィードバック(顧客からの評価、クレーム、利害関係者からの申し出や苦情等)
2)品質目標が満たされている程度(品質目標の達成度)
3)プロセスのパフォーマンス,並びに製品及びサービスの適合(業務のプロセスや工程の成果や実績、製品やサービスの合格不合格(不適合)情報
4)不適合及び是正処置(不適合とそれに対する再発防止策の実施状況)
5)監視及び測定の結果(業務のプロセスや工程の監視や測定結果)
6)監査結果(内部監査や、第三者機関の審査、顧客による二者監査の結果等)
7)外部提供者のパフォーマンス(協力会社、資材供給会社等が、どの程度期待に応えているかの成果の評価)
d)資源の妥当性(人、設備・道具工具、作業環境、情報等の充足の程度)
e)リスク及び機会への取組みの有効性(6.1 参照)(事業継続上のリスクやチャンスに対する取り組み結果や程度)
f)改善の機会(マネジメントシステムの改善の機会)
マネジメント・レビューの実施頻度について
ISO9001規格では、あらかじめ定めた間隔で、という要求はあるものの、年何回、どのような場面で、実施するかについては記載もありませんので、ISO9001に取り組む会社で自由に判断し決めていいことになっています。
認証審査に向けて
一方で、第三者認証機関の審査では、新規に認証登録をするまでに実施される第一段階審査、第二段階審査で、それぞれ、マネジメント・レビューの実施や結果の記録を確認されます。
もし、マネジメント・レビューを実施していない場合には、重大不適合を受けて、再度の審査を受けなければならない可能性が非常に高いため、新規で認証登録をしたい場合には、審査を受けるまでに、マネジメント・レビューを実施し、結果の記録を残しておくことが必要です。
これは、規格要求事項には書かれていませんが、おそらく全ての審査機関でそのような判断をされることになると思いますので、非常に重要なポイントです。
実施のタイミングとは?
そして、無事、ISO9001の認証登録をした後は、毎年一回の審査を受けることになりますが、一般的に、マネジメント・レビューは年何回、どのような方法でやるのが一般的でしょうか。
私が、審査員としてISO9001の審査に参加した中での経験則で言いますと、多くの会社では、年一度実施していることと思います。
実施時期は、会社ごとに設定されている、年度の期末のタイミングで行うか、或いはISOの審査一ヶ月程度前に行うというのが、多いように感じます。
実施時期としては、どちらでも構いませんが、ISO9001を会社として、審査を受けるために実施するのか、事業と一体化させて運用するかのスタンスの違いでもあるかなと思います。
実施方法とは?
オススメは、事業年度と合わせて、年度末にその一年間の事業活動の結果や成果を振り返り、次年度に向けた改善点を見出していく場面として、行われることが望ましいかなと思っています。
また更にオススメは、毎月とか、隔月或いは、四半期ごとに行う方法です。
このような会社も徐々に増えてきているように思います。
ISO9001規格では、マネジメント・レビューを年一度以上やっていれば実施頻度について、審査では指摘されることはありません。
実施の具体例とは?
年に一度以上、マネジメント・レビューを実施する場合は、会社がISO9001を導入する前から、既に会社の中で定着して行われていた、社長さんなどの経営層が参加する、経営会議、幹部会議や営業会議等に合わせて、マネジメントレビューのインプット(議題)も報告して、協議するということです。
ここで、社長さん等の経営層が、その結果や成果を踏まえて、改善の一手を打つ。
つまり、人モノ金情報等の経営資源を今後どのように配分していくかの再配分をするというのが、マネジメントレビューを実施する目的や趣旨ではないかと思いますので、
年一回のマネジメントレビューで、そのような判断をするというよりは、四半期、或いは毎月のような形で、都度都度の経営課題、事業課題に対して、改善の指示や決定、経営資源の再配分を行う機会があるというのは、事業変化の多い昨今では、より現実的な実施頻度、方法になるのではないかと思います。
特に中小企業さんについては、四半期や毎月行うということをお勧めしていますし、その効果についても手応えを感じていただいています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
マネジメントレビューの実施方法と実施頻度をISOの審査のための形だけで終わらせては非常にもったいないと思います。
ISO9001を、経営のツールとして、経営改善のツールとして、使っていただくことを考えますと、実際の事業活動に即して、改善の一手を打って、経営資源の再配分を行う。
そのような有効な場面として、マネジメント・レビューを位置づけられてはいかがでしょうか。
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