ISO9001の内部監査におけるポイント
投稿日:2018年6月5日 最終更新日:2024年9月26日
こんにちは。 ISOコム マネジメントシステムコンサルタントの柏木 博です。
今回は、ISO9001における内部監査のポイントについて、お話ししたいと思います。
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ISO9001の内部監査では3つの情報の収集が求められている
ISO9001では、内部監査により次の三つの情報を収集することが求められています。
・規格(JIS Q 9001:2015改訂版)の要求事項に適合している。
・組織自体が定めた要求事項に適合している。
・ISOが有効に実施され、維持されている。
最初の要求事項はわかりやすいと思います。
自分たちが運用しているISO9001が規格(JIS Q 9001:2015改訂版)の要求事項にマッチしているかどうかについて確認し、その結果を情報としてまとめることになります。
二つ目は、自分で定めた要求事項への適合性についての監査が対象です。
ここで、“自分で定めた要求事項”とは、規格と無関係な要求事項のことを指しているわけではありません。
勿論、規格は要求していないけれども、業務の運用上の必要性その他の理由により、自分たちで“何を”実施するかを定めたルールもあります。
しかしながら、規格ではISO9001について“何を”しなければならないかしか要求されていませんので、この要求事項を“どのように”実施するか、“どの程度”まで実施するかなどについては、自分たちで決めていく必要があります。
これがISO9001の内部監査対象となる“自分で定めた要求事項”の主要部分となります。
即ち、規格の要求事項に対して、“どのように”実施するか、“どの程度”まで実施するのかが、自分たちの決めた通りに出来ているかどうかについての情報を収集することが求められています。
三つ目の要求事項については、用語として“有効性(effectiveness)”が定義されているので、ISO9001の有効性についての情報収集が求められているようにも思われます。
しかし、定義されていない用語については辞書とおりに理解すればよいことになっていますので、“有効に(effectively)” については“有効に、効果的に、効率的に”との理解でよいでしょう。
従って、ここではISO9001が何らかの目的達成に向けて効果的に運用され、維持されているかについての情報を収集することになります。
組織自体が定めた要求事項への適合が最も重要なポイント
ISO9001の求める内部監査の目的は以上ですが、規格の表現上は“組織自体が定めた要求事項への適合”が一番目に、“規格の要求事項への適合”が二番目の順番になっています。
このことは、内部監査では“組織自体が定めた要求事項への適合”への情報収集が重要であることを示しています。
“組織自体が定めた要求事項”が“規格の要求事項”を“どのように”実施するか、“どの程度”まで実施するかに関するものであれば、自ずと“組織自体が定めた要求事項への適合”が“規格の要求事項への適合”に繋がるからです。
ISO9001品質マネジメントシステムの認証を取得している場合には、“規格の要求事項に適合”していることについては登録機関が審査をしてくれます。
しかし、登録機関の審査では、QMSが“組織自体が定めた要求事項に適合”していることの審査までは手がまわり兼ねます。
このような背景もあり、ISO9001の内部監査では“組織自体が定めた要求事項に適合”していることに注力して監査を実施することが勧められます。
以上のように、内部監査ではISO9001の目的を達成するために“規格の要求事項”を“どのように”やっているのか、“どの程度”までやっているのかを確認することが重要です。
このためには、まず、各部門で業務の実施方法(手順)を内部監査員が監査のときに理解できるように明確に定めておくことが必要となります。
そして、監査員の力量としては、監査対象部門の業務内容が理解できること、業務改善提案が出来ることなどが求められます。
これにより、業務自体が定めたルールに則って実施しているかどうかが確認できると共に、業務自体の改善に係る提案が期待できます。
内部監査を、是非、QMSの目的達成状況の測定と共に、業務改善のツールのひとつとして使用することをお勧めいたします。
以上、本日はISO9001内部監査のポイントについてお話ししました。
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