内部監査の質問例 ISO9001 2015年度版
投稿日:2018年8月20日 最終更新日:2024年9月26日
こんにちは。ISOコム マネジメントコンサルタントの柏木 博です。
今回は、ISO9001の内部監査での質問の方法について実際の例文にそって考えてみます。
監査では、目的に沿った証拠の収集が必要です。
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ISO9001内部監査の目的とは?
内部監査には次のような目的があります。
一つは、社内で運用している品質マネジメントシステムが、ISO9001:2015年版の要求事項に“適合”しているかどうかについての情報を集めることです。
もう一つは、その品質マネジメントシステムが、自社が決めたルールに“適合”しているかどうかについての情報を集めることです。
※内部監査のポイントについてはこちらの記事も参考になります。
内部監査の質問事例
ISO9001:2015年版では、要求事項については『~しなければならない。』との表現になっています。
例えば、8.2.1では『顧客とのコミュニケーションには、次の事項を含めなければならない。』となっています。
このうち、『a) 製品及びサービスに関する情報の提供』について、質問してみます。
監査対象部門は営業部です。
監査員:お客様とのコミュニケーションには、製品に関する情報提供が含まれていますか。
回答者:はい。含まれています。
監査証拠が重要
この回答から、8.2.1の要求に適合した対応がされていると判断されます。
しかし、この口頭回答だけで「監査証拠」としては、不十分です。
監査証拠に繋がる質問を追加する必要があります。
監査員:どのような情報を提供されましたか。
回答者:この製品カタログに基づく情報を提供しました。
製品カタログが使用されたことが分りましたが、まだ十分ではないようです。
もう少し質問を続けましょう。
具体的な監査質問
監査員:いつ、どなたに情報を提供されましたか。
回答者:先月の×日に、A社を訪問し、Yさんに製品カタログに基づく説明をしました。
監査員:Yさんにお会いした記録は有りますか。
回答者:営業週報に記録しています。
監査員:週報の該当する箇所を見せていただけますか。
回答者:はい。この箇所がYさんにお会いした記録になります。
ここまでくると、営業週報を監査証拠として、8.2.1a) の要求に適合した対応が確実に実施されていると判断できます。
このように、監査証拠にたどり着くまで、監査が必要です。
しかし、内部監査では監査対象部門が社内ですので、営業部門でどのような活動がされているかは分っているはずです。
最初からそのことを前提とした質問をするのが良いでしょう。
監査員:製品情報の提供についてお伺いします。最近、新しいお客様にお会いし、製品情報を提供した記録を見せてください。
回答者:先月、新規顧客であるB社を訪問し、O氏に製品カタログについてご案内したことをこの営業週報のここに記録しています。
これでよいでしょう。
必要があれば、その他のお客様に関する週報の記録を確認すれば良いでしょう。
社内での取り決めとは?
以上は規格の要求事項に対する監査ですが、
さらに、社内での取り決めについても確認しておくことが必要です。
例えば、主要顧客については月に1回は訪問すること、年に1回は製品説明を実施することが社内ルールとして定められていれば、次のような質問を追加する必要があります。
監査員:主要顧客であるC社、D社、E社について、製品情報を提供した記録を見せてください。
回答者:はい。C社については、先々月、D社、E社については先月に製品説明を実施しており、それぞれこれらの週報にこのような形で記録しています。
この質疑により、社内ルールに対する監査証拠も確認できています。
この質疑は、社内ルールに基づく監査なのですが、8.2.1a) の要求事項が反映されていることが分ります。
このように、社内ルールについての監査がしっかり出来れば、多くは規格要求事項に関する監査も同時に出来ます。
規格要求事項を背景として社内ルールについて監査を進める質問ができれば、監査を効率よく進めることが出来ます。
このことを念頭において、質問を考えてみては如何でしょうか。
まとめ
監査は、あなたの会社が決めたルールを守っているかのチェックです。
そのときの質問が曖昧だったり、質問に対して、集めた証拠が足りなかったりしたら、監査の意味がないので、監査を受ける側、監査をする側の両社にとって、時間のムダとなってしまいます。
そして大事なのが、クレームや、事故の芽を、内部監査で摘んでおくことなんですが、それが出来てないと、クレームや、作業事故等の発生につながって大変なことになるかも知れません。
今回の内部監査質問事例を参考にしてみてください。
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