ISO14001の内部監査員になると大変なことは?
投稿日:2024年1月24日 最終更新日:2024年11月11日
こんにちは!ISOコムの芝田 有輝です。
今回は、ISO14001の内部監査になると大変なことについて、お話してみたいと思います。
やりたくない!という方も多いと思いますが実際のところどんな点が大変なのでしょうか?
それではさっそく、いってみましょう!
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ISO14001とは?
ISO14001は、環境に配慮した経営を実践する企業のための国際規格です。
このルールは、地球を守るために、会社がどのように環境に気をつけてビジネスをすべきかを定めています。
たとえば、
ゴミを減らすことや、水や電気を大切に使うこと、より環境に優しい製品やサービスを提供するための工夫をすることなど、
環境に優しい活動を促進し、地球の自然を守るための取り組みを行います。
この取り組みは、第三者の審査機関によって、現地現認で審査が行われ、
取り組みの証拠がISO14001規格を守っている場合、認証登録が行われ、認証が付与され、
公に「環境に配慮している組織」として認知されることになります。
ISO14001は、世界中の多くの国々で採用されており、地球環境の保護を目指す重要な取り組みとなっています。
ISO14001の内部監査とは?
ISO14001の規格要求事項では、内部監査をすることを要求しています。
内部監査とは、企業が環境に対して責任を果たしているかを評価するプロセスです。
企業はこのために、内部監査員を訓練し、配置します。
内部監査員は、企業の環境マニュアルや環境法規制一覧表などの規定に基づき、
各部門や作業者がこれらの基準に従っているかをチェックします。
これには、作業現場の観察、記録の確認、作業者や責任者へのヒアリングなどが含まれます。
問題点が発見された場合、監査員は指摘し、改善策を提案します。
この一連の監査の結果は、部門長などの管理層や、監査の依頼者である経営層や工場長などに報告されます。
ここからが、内部監査員になると大変なこと、になるかなと思います。
内部監査員に必要な力量とは?
内部監査員には、以下のような能力が求められます。
一般的に、内部監査員は養成講座を受講し、
コンサルティング会社や外部研修機関、または社内の経験豊富な監査員による講習を通じてこれらの能力を磨いていきます。
被監査部門の業務に関する理解は、講習だけでなく、日常の社内コミュニケーションを通じて深めることが多いですね。
(1) ISO14001規格の理解:
規格を理解し、被監査部門の人々にわかりやすく説明できること。
(2) 社内ルールや帳票の理解:
環境マニュアルなどの社内ルールや帳票を理解し、被監査部門から提示された証拠や重要点を迅速に把握できること。
(3) 監査実施方法の理解:
被監査部門とのコミュニケーション、証拠収集、記録、監査指摘の説明、指摘の是正完了までのフォロー方法に精通していること。
(4) 監査レポート作成方法の理解:
監査計画書、チェックリスト、指摘報告書、監査報告書の作成能力。
(5) 被監査部門の仕事内容の理解:
机上での説明を通じて業務内容を理解し、専門用語を把握できること。
また、実際の作業現場で、ルール遵守状況を判断し、監査を受ける部門の人々に説明できること。
(6) 関連する環境法規制の理解:
被監査部門の業務に関連する環境法規制を理解し、「環境法規制一覧表」などを参照して、
要求事項と対応策、届出事項、必要な資格、作成すべき記録などを把握できること。
(7) 被監査部門とのコミュニケーションスキル:
質問し、回答を理解する能力。作業現場でのルール遵守状況を判断し、
情報を効果的に収集するコミュニケーション能力。
(8) 監査チーム内の協力:
監査リーダーやチームメンバー間で効果的なコミュニケーションと協力ができること。
(9) 公平な指摘能力:
ルール違反があれば、遠慮なく客観的に指摘し、その理由を明確に説明できること。
(10) 質問の積極性: 不明点があれば、被監査部門に率直に質問し、疑問を解消できること。
監査の実施方法とは?
監査を実施するためには、以下のステップを踏んで進める必要があります。
(1) 監査日程の決定:
被監査部門との調整を行い、監査の年月日と時間帯を確定します。
(2) 監査計画の策定と承認:
監査計画書を作成し、被監査部門の了解を得ます。
(3) 監査チェックリストの作成:
監査当日は限られた時間内で実施するため、
効率的な時間管理のために予め監査質問をチェックリストに記載します。
(4) 監査の実施:
チェックリストを用いて被監査部門に質問し、回答や証拠、発言、作業現場の観察を通じて、
ルールや環境法規制の遵守状況を評価し、監査証拠を記録します。
問題があれば、その旨を被監査部門に伝え、不適合であることを理解してもらいます。
(5) 指摘書類の作成:
ルールや環境法規制に違反している場合、不適合報告書や観察事項報告書に記録します。
(6) 指摘事項のフォローアップ:
監査当日に不適合について被監査部門に説明し、その後の修正処置、原因の特定、
再発防止策に関して被監査部門とコミュニケーションを取り、不適合報告書に記録します。
観察事項に関しては、修正処置の実施や次回監査での継続観察を行います。
(7) 監査報告書の作成:
監査結果を監査報告書にまとめます。
第三者審査での対応
毎年決まった時期に、第三者審査機関の審査員が貴社を訪問し、審査を実施します。
この審査では、実施された内部監査の内容も評価の対象となります。
通常は、監査責任者が審査に対応しますが、
状況に応じて、実際に内部監査を実施した監査員も審査員の質問に一部回答することがあります。
一方で、このような責任は大変な面もありますが、投じた時間と労力に対する見返りも大きいと考えられます。
内部監査は、組織の継続的な改善と発展に貢献し、多くの学びと成長の機会を与えてもらえると、
理解することもできるのではないでしょうか。
ISO14001の内部監査員になると得することとは?
これまでお話しした大変なこととは、
言い方を変えれば、大変なことを乗り越えた先には、以下のようなメリットもあるのではないでしょうか。
・論理的思考力の向上
・部署横断的なコミュニケーション能力の強化
・組織全体への理解の深化、経営視点の獲得
・ISO14001審査員としてのキャリアパスの開拓、副業としての審査員業務の可能性
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、ISO14001の内部監査員になると大変なこと についてお話ししてみました。
今後、社内でISO14001の内部監査員に指名されたときの参考にしていただけましたら幸いです。
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