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ISOコム通信

ISO9001更新審査の目的と内容とは

投稿日:2024年10月24日  最終更新日:2024年10月24日

【この記事の執筆者】柏木博

更新審査のポイント解説
こんにちは。ISOコム マネジメントコンサルタントの柏木 博です。

前回は、ISO9001認証を継続するためのサーベイランス審査についてお話ししました。

今回は、“更新審査”の目的や審査の内容・対応方法についてお話ししますね。

 

このブログの目的は、以下の4点です。

①更新審査の位置づけ

②更新審査の実施目的

③更新審査の内容(何を聞かれるのか)

④更新審査の実施時期(タイミング)

これらをわかりやすく解説し、今後ISOに取り組まれたり、既に審査に合格し、今後更新審査を控えておられる会社の推進担当者や責任者の方、審査員やコンサルタントを目指される方向けに、理解を深めていただき、必要な準備の一助としていただくことです。

 

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更新審査とは?

更新審査とは、初回認証登録後、1年目、2年目に、

定期審査(サーベイランス審査ともいう)を1年ごとに受け、

2年目の定期審査の翌年、つまり、初回認証登録3年後に受ける審査のことを言います。

 

ISOの登録証には、3年間の有効期限が書かれています。

この有効期限が切れてしまう前に、更新審査を受けて、新しく登録証の発行を受けることが必要です。

更新審査の目的と内容とは?

更新審査の目的は、主に以下の3点となります。

①ISOの仕組み全体としての継続して規格に合っているか、効果はあるかを確認すること

②前回の更新審査から3年が経って、会社の外部・内部の状況の変化、利害関係者(顧客、ユーザー、協力会社、地域、行政、社員など)の要求内容の変化、

会社自体の変化などを踏まえて、認証範囲を変えなくていいか?も確認します。

③ISO9001:2015規格や他の規準文書の全ての要求事項を、引き続き守っているかを評価するために計画し、実施します。

 

また,現地での審査には以下を確認します。

  1. a) 内部及び外部が変わっても仕組みが有効か、認証範囲に対して仕組みが引き続き問題なく機能しているか。
  2. b) 全体の成果を高めるために,仕組みの効果があるか、改善し続けているかの約束(宣言、宣誓)をしているか
  3. c) 審査を受ける会社がISOに取り組む目的を達成し、成果を出すために仕組みが有効か

 

ちなみに、定期審査(サーベイランス審査ともいう)の目的は、

ISO9001:2015規格の要求事項を満足し続けていることの実証 となっています。

 

更新審査への対応とは?

b) 全体の成果を高めるために,仕組みの効果があるか、改善し続けているかの約束(宣言、宣誓)をしているか

については、

例えば、

・この3年間で、クレーム、不適合が減ったか。

・購入品の不具合が減ったか。

・顧客満足度が上昇したか。

 

このような指標を使って、仕組みが会社の目的に沿って効果があるのかを説明するとよいでしょう。

 

c) 審査を受ける会社がISOに取り組む目的を達成し、成果を出すために仕組みが有効か

については、前回のサーベイランス審査に於ける場合と同じです。

前回の審査の時の説明と同じ対応でよいでしょう。

 

更新審査のタイミングとは?

更新審査のタイミングは、

登録日と有効期限が、ISOの登録証に記載されていますが、

この有効期限までに現地審査を追えて且つ、現地審査後に審査機関の中で実施される判定会議で、合格判定をもらう必要があります。

 

判定会議は、現地審査終了後、大凡1~1.5ヶ月後に、認証機関内での判定委員会が行われ、

承認される必要があります。

 

例えば、

登録日:2024年10月1日

有効期限:2027年9月30日

としますと、

 

更新審査は、2027年9月30日までに、判定会議で合格判定をもらう必要があると言うことです。

もらえないと、有効期限切れと無し、失効となります。

 

ISOが、取引先との取引要件である場合、大変なことになりかねませんね。

ですので、認証機関では、2027年9月30日までに、判定会議で合格判定を出すために、

 

通常、有効期限の3ヶ月前くらいに、現地審査ができるよう、受審組織との日程調整を行うのが

一般的です。

 

稀に、受審組織側の都合で、有効期限の1ヶ月前とかに、更新審査を実施する場合があったりします。

私自身もそのような審査に参加したことがありますが、

 

現地審査をして、2週間後に判定会議とか設定されていたりしますので、

現地審査で、不適合指摘を非常に出しにくい、つまり、審査員に無用なプレッシャーをかけてしまう可能性がありますので、審査自体の有効性に疑問が出てしまうなど、懸念があります。

忌憚なく、不適合を出した場合、2週間で是正完了できるか、こちらも非常に危険な状態になりますね。

 

・・・ちょっと話が逸れましたが、有効期限の3ヶ月前には、更新審査を受ける、というのが、

無難かなと思います。

 

認証機関からは、あなたの会社に、

この判定委員会の時期を踏まえて、いつまでに審査を受ける必要があるか、審査をいつ受けるか、受審日の問い合わせがありますので、この辺りを踏まえて調整されるといいかなと思います。

 

いかがでしたか?

 

ISO9001の更新審査は、毎年の定期審査(サーベイランス審査ともいう)とは違って、3年間遡って色々と確認されることを、お分かりいただけましたでしょうか。

 

更新審査のことを理解し、しっかり準備をしておかないと、審査不合格、登録証がなくなってしまう、

そうなると、

ISOを取引条件にしているお客様など、ご迷惑をかけかねません。

 

そうならないよう、普段の仕組みに対応ルールを埋め込み、チェック機能を持たせるなど、

仕組みのテコ入れ、そもそも無理なく運用できることはとても大切ですよね。

 

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