難しい?ISOの審査員になる方法
投稿日:2019年12月2日 最終更新日:2024年11月21日
みなさん、こんにちは。ISOコム通信を見ていただきありがとうございます。
最近、何度か、ISO審査の現場で被審査側の方に聞かれました。
相手方「審査員って難しそうだけど楽しいですか?」
私「楽しくやらせてもらっています」
相手方「どうやったら審査員になれますか?」
私「・・・話が長くなりますが・・・大丈夫でしょうか?」
今回は、ISOの審査員になるにはどのような方法があるか、お話してみたいと思います。
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ISO審査員になるための前提とは?
さて、ISO審査員(例えばISO9001の場合)になるためには、いくつかの条件があります。
・高等学校卒業以上の学力
・4年以上の実務経験
・2年以上の品質マネジメントシステム分野の実務経験
・審査員研修コース合格修了
・審査員倫理綱領の遵守
それぞれの詳細や最新の情報は、審査員登録機関のサイトなどで必ず確認をお願いします。
審査員登録機関は、日本国内のJRCA(日本要員認証協会)https://www.jrca-jsa.or.jp/を想定してご説明します。
(イギリスでのIRCA https://japan.irca.org/ もあります。)
必要となる実務経験とは?
まずは、高等学校卒業以上の学力のほか、実務経験をお持ちになることが大前提になります。
一般的な、簡単な言葉で言うと、4年以上の実務経験とは、社会人としての常勤の経験のことです。
2年以上の品質マネジメントシステム分野の実務経験とは、例えば品質保証部門の経験や、内部監査員、事務局などのISO運用に関わる経験のことです。
ISO審査員になる方法にご興味のある方は、何らかお立場でISOの運用に携わられている方だと思います。
例えば、管理責任者とか、推進事務局とか、ですね。
私もそうでした。
当時、企画部門に所属しており、その中の1つのプロジェクトとしてISO認証取得を命じられました。
ISOとの出会いは、事務局として立ち上げ、構築から運用まで関わってきたことがきっかけでした。
これまでの皆さんのご経験を携えて、ISO審査員への条件を見ていきましょう。
ISO審査員になるには?
ISO審査員になるとは、最終的には、第三者審査機関の審査員として、企業や組織などに訪問して、審査をしている状態だと考えます。
そのためには、
ISO審査員の資格を取得、審査員登録機関に審査員登録を行うこと、そして実際に審査員として活躍することを目指していると思います。
(最近では、審査員登録機関の登録がなくとも、審査機関内で審査員と認めれば、審査をさせてくれるところも増えているようです。)
理由は、審査員登録機関だと、書類チェックのみであり、現地で審査を実際に審査をしたり、指摘をして、受審組織の納得を得るとか、審査書類を作成するとか、実際の審査把握が、十分ではないとの判断によるものと思います。
さて、ISO審査員の資格は経験などによって、次の段階があります。
審査員補
審査員
主任審査員
ここでは、審査員の登録機関として、JRCAを想定してお話ししますね。
ISO審査員の研修コースとは?
審査員登録機関が認定した、マネジメントシステム審査員研修コースを受講し、試験に合格修了することが第1の要件となります。
この研修は5日間コースで、ISO規格、審査の手順、是正の仕方、報告書の書き方などを課題も含めて学びます。
最終日には筆記試験があり、これに合格することが必須になります。
最近では、結構不合格になるということも聞いていますので、簡単では無いと思います。
研修コースの日程や詳細については、これらの研修コースを提供する会社のサイトなどをご確認ください。
【ご参考】
株式会社テクノファ https://www.technofer.co.jp/seminar/
株式会社グローバルテクノ https://gtc.co.jp/
さて、筆記試験についてですが、選択式と記述式の両方があります。
私の受験時には、ボールペンを使うことを勧められました。
限られた時間内でたくさんの回答をするためには、鉛筆で書いて、消しゴムで消して、体裁を整えて・・・としている時間はありません。
お進めとしては、まずは、選択式を全て埋めて、記述式は後回し、というのがいいかなと思います。
頑張ってください!
JRCAへの登録とは?
合格、おめでとうございます!
晴れて審査員登録機関へ登録申請をすることができます。
ISO審査員になるための条件であった、学歴、実務経験、品質マネジメント分野での実務経験、審査員倫理綱領の遵守などの資料と合わせて、登録申請を行います。
登録が認められますと、「品質マネジメントシステム審査員補」の資格を得ることができます。
さあ、これがISO審査員になるための第一歩、ISO審査員の資格を得ることができました。
審査員資格の維持とは?
ISO審査員の資格は、1度、資格を取得すればずっと認められるものではないのです。
審査員登録機関の決まりにより、登録料のほか、規定のCPD提出等が求められます。
申請登録料(ISO9001の場合)https://www.jrca-jsa.or.jp/jrca/jrca_seido_b1/
CPDとはContinuing Professional Developmentの略で、継続的能力開発を言います。
継続的に能力開発へ取り組み、それを証明することで、資格の維持ができます。
例えば、品質マネジメントシステム審査員補であれば、年間5時間以上のCPD提出が必要です。
私は主任審査員ですが、年間15時間以上の能力開発のための研鑽を行っています。
次に記載の認証機関の学習会や、研修機関のCPDコース、審査員登録機関のセミナー、その他各種団体開催の勉強会などに参加しています。
自己学習でもOKです。
一方で、いろんな勉強会や講習会に参加することで、ISO審査員の友人もできました。
これは実は非常に大切なことで、審査技術、知識の獲得にもつながりますし、友人に、分からないことを個別で教えてもらったり、
教えたり・・・この、『聞ける人』を増やすことはその後の審査活動においても非常に重要です。
ISO審査員としての活動とは?
さあ、ISO審査員として活動するぞ!と意気込んでいるあなた。
ISO審査員の資格を取得、登録しただけでは、審査活動はできません。
一般的には、ISO認証機関へ入社または個人業務委託の契約をし、認証機関のISO審査員として審査活動を行うことになります。
認証機関との契約の後、その認証機関において、トレーニングを受け、審査へオブザーバ参加が叶います。
その後、審査チームのメンバーとして審査へ参加し、ISO審査員として審査経験を重ねていきます。
その実績を積み、経験となった資料を審査員登録機関へ提出すると、審査員補から審査員、主任審査員へと昇格することができます。
資格の昇格は、審査員登録機関への申請が必要となります。
ISO認証機関では、審査員登録機関で仮に主任審査員になっていても、認証機関内で独自に力量評価をするのが一般的ですので、
審査員登録機関での申請+、認証機関で力量を認めてもらう、というステップが必要になります。
「審査員って楽しいですか?」
率直に言いますと、仕事ですので、楽しいときも、しんどいときもあります。
基本的には、審査計画通りに質問し、証拠を集め、審査の記録を残し、必要な場合には指摘を出し、受審組織へ説明し・・・とやることは満載ですので、審査中は、時間のチェックをしながらの作業になります。
また、実際には、審査に協力的な会社と、さほどでもない会社の温度差はあります。
審査での指摘を、会社の改善の機会であると前向きにとらえ、積極的に取り組もうとされる会社もあれば、
できるだけ早く審査を終了して、指摘なしで早く帰ってほしい、とはおっしゃいませんが、そのようなことを感じてしまうこともあります。
そんな中でも、やはり、ISOの審査は、ISO9001でいいますと、受審組織の発注者の代理人として、その組織の審査を行うわけですので、時に厳しい指摘をしなくてはならない場合もあり、その際には、結構緊張しながら指摘内容の説明を行うこともあり、結構消耗することもあります。
逆に、そのような指摘でも前向きに捉え、対応いただき、翌年訪問した際に、会社としてより足腰が強くなっていること感じた時には、非常にやりがいを感じることもあります。
この辺りは、どのようなスタンスで審査を仕事として取り組んでいるか、という個々人によって、楽しかったり、しんどかったりすることはいろいろなパターンがあるのかなと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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