ISOコンサルタントに必要なスキルや能力とは?
投稿日:2024年10月1日 最終更新日:2024年10月29日
こんにちは、ISOコムの芝田 有輝です。
今日は、ISOコンサルタントに必要なスキルや能力について考えてみたので、お話してみたいと思います。
ISOコンサルタントとは、ISO9001、ISO14001などの、いわゆるISO規格の中でも、「マネジメントシステム規格」と呼ばれる規格について、
取得したい会社や企業が審査を受けて、合格していただくための支援する人、と言うことが出来ると思います。
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ISOの審査を受けて合格するとは?
そもそも審査って?ということですが、ISOには、審査制度があって、
ISO規格には、ISOを取得したい企業や組織向けに、要求事項が書かれています。
この要求事項に沿って、会社の業務の仕組み(マニュアルや規定、台帳や記録帳表など)を作り、その仕組み通りに業務を行い、記録等の証拠を残しているかを、
企業や組織に利害関係の無い第三者の審査機関の審査員が、現地現認で行う審査のことを言います。
この審査に合格することを言います。
ちなみに、日本国内で、ISOの審査機関は50~60程度あり、値段も審査の質もバラバラというのが実際のところです。
ISOコンサルタントが行う業務とは?
ISOコンサルタントが実際に行う業務は、大きく分けて以下の3つの段階になるかなと思います。
1.システム構築支援
2.システム運用支援
3.審査対応支援
システム構築支援
この「システム」というのは、先ほど述べた、仕組み(マニュアルや規定、台帳や記録帳表など)のことを言います。
つまり、ISO規格に書かれた要求事項に沿って、マニュアルや規定、台帳や記録帳表などを指しており、1の構築支援とは、これらを作り込む業務を言います。
ただ、イチから作ると言うよりは、実際の企業や組織の業務の流れ(モノ、情報、帳票)を観察したり、ヒアリングしたりして、調査しながら、実際の流れをできるだけ活用して、足らず分を補う作業ということになります。
その点では、実際の企業や組織の業務の流れ(モノ、情報、帳票)を観察したり、ヒアリングして、規格要求事項とのギャップを正確に把握して、最低限を追加する力量を持っていることがとても大切になります。
正確に把握できる力量がないと、追加しなくても審査に合格するのに、余計な業務や記録を追加して、よくある「審査の為だけの無駄な業務」を増やしてしまうことになります。
ですので、コンサルタントには、企業や組織の実際の業務を理解する力量が必要となります。
コンサルタントになる前の、前職での業務経験があるとか、関連する資格を持っているとか、ISOの審査機関で同業種の審査経験があるとか、同業種のコンサルティングの経験があるとか、が1つの基準になるかなと思います。
また、作ったマニュアル類が、企業や組織で実際に使用する人たちに分かりやすい表現、使いやすい帳票の形になっているか、というのも大切な力量であると思います。
システム運用支援
次に1で構築したシステム通りに、企業や組織に運用してもらうのですが、
この運用してもらう際に、コンサルタントとして、以下の支援を行います。
●システムの運用方法の説明
a)運用開始後の質疑応答
b)内部監査員の養成
c)内部監査の実施の支援
d)マネジメント・レビューの実施支援
順番にいきましょう。
a)システムの運用方法の説明
とは、マニュアル、規定、台帳、記録帳票の使い方の説明です。
コンサルタントは、システム構築支援で、企業や組織に、一通り説明していますが、
今一度運用開始前に説明をし、質疑応答を行います。
勿論、この作業を企業や組織の社員さん自身が、社員さん向けに実施してもOKです。
ここでは、説明のわかりやすさ、が必要な力量の一つと言えるでしょう。
b)内部監査員の養成
「内部監査」とは、1で構築したマニュアル、規定、台帳、記録帳票通りに、業務を行っているか、成果が上がっているかを、仕事状態の観察、作業者へのヒアリング、記録の確認などを通じてチェックすることです。
内部監査をするために、
・監査の計画を立てる
・チェックリストを作る
・ヒアリングや、仕事の観察、記録の確認等を通じてチェック、記録に残す
・指摘を相手に伝えて、再発防止策を実施し、効果が出ているか、確認できるようにする
・報告書にまとめる
これらをできるように解説したり、ケーススタディ等で受講者に、実践してもらい、事例を紹介しながら理解いただく力量等が、コンサルタントに必要な力量と言えると思います。
そういう意味では、現役で審査をしている人が講師であれば、安心して受講できるかなと思います。
c)内部監査の実施の支援
これは、b)で、養成した内部監査員の方と一緒に、内部監査を実際に行うことを言います。
コンサルタントには、監査を行う力量と共に、組織の内部監査員の方と一緒に監査を通じて、助言、アドバイスする力量もあるとよいでしょう。
d)マネジメント・レビューの実施支援
マネジメント・レビューとは、ISO規格のマネジメント・レビューの箇所で要求されている事項のうち、インプット事項を記録にまとめ、まとめたものを経営層に報告し、経営層の指示や決定事項を記録にまとめることです。
インプット事項は多義に渡るので、情報収集自体は、組織の推進事務局の方々が、各部門に協力を呼びかけて収集されると思いますが、それを簡潔にまとめて、経営層が見やすい状態にする力量が、コンサルタントには必要ではないかと思います。
また、経営層がまとめた記録を読んで、指示や決定をした事項を、簡潔に記録に残す力量も必要ですが、
この辺りは、組織の管理責任者や推進事務局の方々が、されるケースも多いため、組織でまとめた記録が、規格に適合しているか、簡潔にまとめられているかをチェックし、
添削指導する力量が、コンサルタントには必要かなと思います。
審査対応支援
審査に合格するまでには、S1審査(ステージ1審査、第一段階審査ともいう)、S2(ステージ2審査、第二段階審査ともいう)の2回の審査にパスする必要があります。
審査対応支援とは、S1、S2審査で、組織が、審査機関の審査員から受けた指摘について、改善対応を支援することです。
具体的に説明しましょう。
S1審査(ステージ1審査、第一段階審査ともいう)とは?
S1審査の目的は、S2審査を受けられる状態にあるかの判断で、以下をヒアリングと文書や記録の確認を通じて行います。
作業現場は、S2に比重が置かれるため、S1審査では、ざっと一通り、組織の方に案内してもらい、多少の説明を受ける程度、というのが一般的で、作業者に詳細な質問をすることはあまりないかなと思います。
・ISOの規格要求事項に対して、組織が作成した仕組み(マニュアル、規定、手順書、帳票等)が、適切な内容か、漏れがないか。
・初期の運用が出来ているか。(マネジメントマニュアルの制定日からS1審査までの間の運用)
・内部監査、マネジメント・レビューが計画され、実施されているか(実施までは確認しない審査機関もあります)を、ヒアリング、書類や記録の確認を通じて行います。
S1審査では、一般的には、不適合指摘と言うよりは、「懸念事項」という名称でS2審査までに対応しておいてください、という形で指摘されることが多いようです。
但し、原則、出された指摘は、全部対応をした方が無難ですので、
コンサルタントは、全ての懸念事項を理解し、できる限り、処置後の組織の業務負荷の少ないような、修正処置や再発防止策を提案し、説明し、組織に実行してもらう力量が必要と思います。
S2審査(ステージ2審査、第二段階審査ともいう)とは?
S2審査の目的は、受審組織にISOの認証を与えていいかどうかの判断をすることです。
そのため、以下のように、S1審査よりも、より深い視点で審査を行います。
・S1審査で指摘した懸念事項の対応結果の確認
・文書や記録の内容の確認
・作業場所の観察、作業者や責任者への詳細なヒアリング
指摘は、観察事項(改善の機会)や、不適合(重大、軽微)で出されるのが一般的です。
コンサルタントは、上記の指摘に対して、修正処置、原因特定、再発防止策の提案を行い、審査員が認めてもらえるまで、組織へ支援する力量が必要となります。
稀に、審査員の個人的見解による、規格要求事項を超えた指摘が出されることもありますので、その際に、組織が納得していない場合には、取り下げてもらえるよう、反論材料を組織に提供できる力量もあるとよいでしょう。
この辺りの力量は、現役の審査活動を通じて、不適合指摘を出した経験が豊富な方がいいと思います。
審査の際にコンサルタントが立合(同席)こともある
時々、お客様から審査への立合(同席)を依頼されて、行うことがあります。
ちなみに、審査が実際に行われている場に、コンサルタントが立合う場合の立場は、オブザーバーです。つまり、審査に参加しないという前提で、審査機関が認めてくれた場合のみ成立します。
審査に参加しない、というのは、コンサルタントが、審査員の質問に答えたり、求められた書類や記録を提示したり、ということをしない、ということです。
実際に、コンサルタントが出来ること、というのは、休憩時間に、それまでの審査で、審査員の組織のやりとりを通じて、指摘になりそうな懸念のある箇所について、
助言、アドバイスをして、軌道修正をしたり、審査員の求める記録が他にある場合に、その記録を見せるように伝えたり、というサポートが中心になります。
噂で聞くと、コンサルタントが、「自分は組織のISO事務局である」と審査員に説明し、審査員の質問に答えたり、書類を見せたりすることを聞いたことがありますが、
これは、「なりすまし」に当たるのではないかと思います。
あくまで、受査組織と雇用関係にある人によって、審査に対応するのが原則ですし、
審査機関や、その先の認定機関にばれたりすると、組織の審査は無効となる可能性もあるため、とてもリスクの高い行為ではないかなと思います。
話が横にそれましたので、元に戻します。
コンサルタントとしては、休憩時間に、それまでの審査で、審査員の組織のやりとりを通じて、指摘になりそうな懸念のある箇所について、助言、アドバイスをして、軌道修正をしたり、審査員の求める記録が他にある場合に、その記録を見せるように伝える、というのが、必要な力量となります。
ただ、審査後に、指摘のフォローアップを適切にできれば、審査の立合は、なくてもいいかなと思いますね。(依頼されれば、お受けしています)
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、ISOコンサルタントに必要な力量とは?について、お話ししてみました。
これからISOコンサルタントを目指す方、現役のコンサルタントの方にも参考にしていただけましたら幸いです。
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