JFS規格とHACCPとISOの違い
投稿日:2019年10月2日 最終更新日:2024年6月5日
こんにちは!ISOコムです。
今回のテーマは「JFS規格とHACCPとISOの違い」です。
特に食品工場を経営されている方は必見です。では、早速いってみましょう!
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HACCP制度化と〇〇認証を取得とは?
私どもコンサルタントが食品工場のお客様のところに行くと、
“JFSの認証を取ることとHACCP認証は同じ意味なの?あるいはJFSというのはHACCPのことですよね?“
ということをよく言われます。
最近、食品製造業界では「HACCP制度化」とうことが叫ばれていて、取引先からは期限付きで対応を依頼され、もしかしたら皆さんヤキモキされているのではないかと思います。
審査を受ける必要はあるか?
こんな状況の中、「HACCP制度化」というワードでネット検索すると、「〇〇認証」という言葉につながります。
このため“HACCP制度化=認証(審査を受ける)を受けなければならない”という図式が出来上がってしまっているようです。
しかし、これは間違いです。
HACCP制度化とは、HACCPの実施を求めているのであって、食品安全の認証(審査を受ける)をとるように指示しているわけではありません。
HACCPの取り組みを証明するには?
ただ、HACCPをやっていることを、第3者(顧客や取引策)に証明するにはどうしたらいいか?
来てもらって確認してもらう? やっていることを自分たちで表明する?・・・となると、
認証(審査を受けて合格する)をとるのが一番客観的で確実な方法になるわけです。
さらにネット検索していくと、JFS‐A/B、ISO 22000、FSSC22000等いろいろな食品安全の認証が出てきます。
この中で一番わかりやすく、取り組みやすいということで、特にJFS‐B規格を選ばれる食品製造会社様がどんどん増えています。
HACCP制度化の本来の目的とは?
さてここでHACCP制度化、すなはち食品工場の皆様がHACCPシステムを導入する目的とは一体何でしょうか?
それは、
“お客様が安心して食べられるものを提供すること”
です。
この本来の目的を達成するために、抜き取りの最終製品検査に頼るのではなく、食品製造業者による徹底した工程管理で安全な製品を作る手法がHACCPなのです。
また、自治体毎に地域HACCPの認定制度があるのですが、認定基準にばらつきがあり、それを一定の基準で衛生管理を実行できるように、法令で定めた、という経緯もあるようですね。
HACCPとマネジメントシステムの違いとは?
では食品事故を未然に防ぐには本当に工程管理手法のHACCPを導入するだけでいいのでしょうか。
事故を起こさないようにするためにはもっと広い意味で、食品会社の経営層も含めた会社全体としての仕組み作りが必要ではないでしょうか。
例えば
“何か事故発生の予兆があった時には、組織全員に伝達(コミュニケーション)をする”。
“小さな苦情が発生したときにも二度と同じことが起こらないよう発生原因を調べてそれを取り除く”
“定期的に会議体を開き、その月、その年にあったことを確認し、来年以降の改善には何をすればよいか話し合う” etc
こういったことを食品製造会社全体の仕組みとして改善につなげていくことが “マネジメントシステム”なのです。
この「マネジメントシステム」がJFS‐A/B、ISO22000、FSSC22000といった規格には要求事項として含まれています。
昔、JFSに関心のあるお客様に『JFSには「HACCP」以外に「マネジメントシステム」に関する要求事項のパートがあります。』と説明したところ、
「うちはHACCPだけでいいんだけどな。HACCPだけで認証が取れないの?その方がコストも掛からないしね」
と聞かれたことがありますが、これはできません。
なぜなら、JFSやISO22000といった食品安全の認証規格には仕組み作りが含まれているためです。
お客様に安心して食べてもらえる製品作りを目指すなら、やはり食品メーカーは根本である“仕組み作り”をしっかり整える必要があると思います。
JFS‐B規格とISO22000の違いとは?
それぞれの規格の特徴を見てみましょう。
1) JFS‐B規格
①3部構成である
この規格の特徴は「FSM(食品安全マネジメントシステム)」、「HACCP」、「GMP(一般衛生)」の3部構成でできています。
ISO22000では一般衛生を土台としたHACCPシステムは、仕組み作りの一環として含めて考えますがJFSでは分けた考え方になっています。
初めて認証取得に取り組む方にとっては、ひとつずつ順番に、確実に要求事項に対応していけるのでとっつきやすいかもしれません。
② 要求事項が簡潔で、わかりやすい
ISO22000に比べJFS規格は規格要求事項のボリュームが少なく、とっつきやすいので、規格要求のボリュームに気が重くなるといったことはありません。
しかも、短い内容の割に内容は濃く、分からない時には「ガイドライン」や「製造の解説書」を見ればわかりやすく書いています。
③ 規格書は無料
規格、ガイドライン、解説書はすべてJFSM(食品安全マネジメント協会)のホームページから無料で引用できます。
2) ISO22000(2018)
① 原文が英文、要求内容が難しい
少し表現が難しく、理解し難い内容になっています。
② マネジメントシステム(仕組み作り)主体で1本のスジの通ったストーリー構成
規格要求はJFSのように仕組み作りとHACCPを分けて考えるのではなく、食品安全の「仕組み作り」の中にHACCPを含めています。
はじめはボリュームが多く、とっつきにくいかもしれませんが、理路整然と構成されているため、取り組んでいくうちに目からうろこが落ちるように開眼されてくるかも。
③ ISO9001、14001等との両立がしやすい
昨年、ISO22000は13年越しの大改訂があり、ISO9001や14001と項立てが共通になりました。これで、どれか1つをすでに取得している食品工場にとっては取り組みやすくなりました。
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いかがでしたか。
食品衛生法の改正により、2021年6月からHACCPの実施が必須です。(”制度化”という表現が使われています)
HACCPに関する要求は、対象となる事業者さんは、実行していなければ、法違反になってしまいます。
今はコロナも収まりましたので、保健所の仕事も落ち着き、各食品工場への訪問も再開されています。
そこで、対象となる工場で、HACCPが実行されていなければ、なんらかの指導を受けることになるでしょう。
HACCP取り組みをお客様にどう証明するのか?
では、HACCP取り組みをお客様に証明しなければならない場合、どうするのか?
やはり審査を受けることが有効です。
しっかりやるなら、ISO22000やISO/FSSC22000。
まずは取り組みやすくて維持費も安く、という食品製造会社様にはJFS-Bがお薦めです。
もちろん、HACCP認証だけの取得サポートも可能です。
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