中小零細企業がISOを取得する必要性とは
投稿日:2020年5月7日 最終更新日:2026年1月22日

みなさん、こんにちは。ISOコムの入岡利成です。
今回は、中小零細企業がISOを取得する必要性について考えてみたいと思います。
Contents
- ISOとは何のためのものか?
- ①ISO9001(品質マネジメントシステム)を中小企業が取得する必要性とは?
- ②ISO14001(環境マネジメントシステム)を中小企業が取得する必要性とは?
- ③ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)を中小企業が取得する必要性とは?
- ④ISO22000(食品安全マネジメントシステム)を中小企業が取得する必要性とは?
- ⑤ISO45001(労働安全衛生法マネジメントシステム)を中小企業が取得する必要性とは?
- ISOマネジメントシステムに共通する要求事項とは?
- 取得にかかる「コスト」と「期間」の目安
- 「運用の負担(事務作業)」への懸念に対する回答
- 「認証取得後」の維持継続について
- まとめ
ISOとは何のためのものか?
消費者や顧客、つまり、ある会社から製品を買ったり、サービスを受けたりする時に、安心して買えるのか?
となったとき、
『この会社なら安心だ』という”お墨付きや安心感を与える“のがISO(マネジメントシステムの審査制度)です。
では、中小企業がISOを取得するには、どんな必要性があってのことなのでしょうか?
①ISO9001(品質マネジメントシステム)を中小企業が取得する必要性とは?
ISO9001が必要となる背景として、顧客や親会社からの取得要求、入札条件等があります。
製造業、建設業、サービス業を中心に幅広い業種で人気です。
また、ベンチャー企業が大手と取引する際にも取得することもありますね。
ISO9001を導入すると品質を安定させ、不良やクレームを減らすことで、顧客の信頼を上げ、取引拡大したり、顧客を増やしたりすることが成果となります。
不良やクレームが多くて困っている中小企業には、ISO9001は必要だと思います。
②ISO14001(環境マネジメントシステム)を中小企業が取得する必要性とは?
中小企業にISO14001が必要となる背景として、顧客や親会社からの取得要求、入札条件等があります。
製造業、建設業、リサイクル業、産廃関連業などで取得件数が多いです。
ISO14001を導入すると、製品を作ったりサービスを提供するときに使うエネルギーや廃棄物を減らしたり、消費者が使う際のエネルギーを減らしたりします。
さらに環境に優しい物にしたり、再利用やリサイクルにまわすなどを行うことになります。
地球環境にもっと優しい会社を目指す中小企業には、ISO14001は必要なスキームになると思います。
③ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)を中小企業が取得する必要性とは?
ISO27001が必要となる背景として、顧客や親会社からの取得要求、入札条件等があります。
取引継続のためのパスポートとして必要だということですね。
顧客との間でやりとりする情報の不正アクセス、不正利用、情報の改ざんなど情報が外部に漏れないように、また悪用されないように管理します。
ISO27001を導入することで、会社の情報管理に関する信頼性の確保に取り組むことになります。
そのため、情報事故が発生して自社の活動停止や信用がなくなるなど、大きなダメージを受けないように予防したい中小企業には、ISO27001は必要ではないでしょうか。
④ISO22000(食品安全マネジメントシステム)を中小企業が取得する必要性とは?
ISO22000が必要となる背景として、顧客や親会社からの取得要求等があります。
また、2021年6月から
HACCP(食品生産工程の仕組みとして、危害分析をして重要管理点を設定して管理する)
の取組が、改正食品衛生法第51条によって実質義務化(正確には制度化)され、HACCP取組の証拠として要求されるケースも増えています。
食中毒や異物混入、不正添加物の使用などを起こさないよう食品の安全管理をするために、予防に重点を置いた取組を、HACCPに加えて
経営層がリーダーシップを発揮して行うことになります。
安心して、お客様に自社製品を食べていただきたいという中小企業には、ISO22000は、有効なスキームであると言えます。
⑤ISO45001(労働安全衛生法マネジメントシステム)を中小企業が取得する必要性とは?
ISO45001が必要となる背景として、顧客や親会社からの取得要求、入札条件等があります。
こちらは、建設業、製造業を中心に、怪我が発生しやすい業種の需要が多いです。
ISO45001では、労働災害を減らすための予防に取り組むことになります。
また、ISO45001ではメンタルヘルスに関する取組要求もあります。
働く人が安心安全で、健康に働ける職場作りをし、結果として労災に係る費用を減らしたい中小企業には、ISO45001は必要なツールとなります。
ISOマネジメントシステムに共通する要求事項とは?

①PDCAサイクルをまわす
計画(Plan)・実施(Do)・評価(Check)・改善(Act)の考え方です。
②事業課題、方針、目標設定と取組み
内部・外部の課題、利害関係者のニーズ、を把握し、事業課題を決めて取組み、成果を評価します。
取組むための方針を経営トップが決め、周知し、部門で目標に展開させ、進捗評価をし、達成に向けて取り組みます。
③内部監査
自分たちが決めたルールを守って、運用できているか、成果に結びついているかを、証拠を確認しながら行います。不備があれば、改善していきます。
④マネジメント・レビュー
マネジメント・レビューは、目指す成果を、今のシステムで達成できているのかどうかを経営者が評価する機会ですね。その結果を見て経営者はシステムを改善するための指示・決定を通じて、経営資源の再配分を行います。
取得にかかる「コスト」と「期間」の目安
「ISOは高い、時間がかかる」というイメージがありますが、実際には企業の規模や選ぶコンサルティングの形態によって幅があります。一般的な目安は以下の通りです。
■ 費用の内訳
ISO取得には、大きく分けて「審査費用」と「コンサルティング費用」の2つが必要です。
| 項目 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 審査費用 | 審査機関(第三者機関)に支払う公式な費用。 | 30万円 ~ 80万円程度 |
| コンサルティング料 | マニュアル作成や教育、運用のサポートを依頼する場合の費用。 | 規模・プランによる(数十万円〜) |
■ 取得までの期間
準備開始から認証登録まで、標準的には「6ヶ月〜12ヶ月」程度が目安です。
・システム構築(2〜4ヶ月): 自社に合わせたルールやマニュアルの策定
・運用・教育(3ヶ月以上): 決めたルールを実際に動かし、記録を蓄積
・審査(1〜2ヶ月): 1次審査・2次審査を経て、正式に登録
「運用の負担(事務作業)」への懸念に対する回答
「ISOを取ると書類が増えて、現場が忙しくなるだけではないか?」という懸念は、中小企業の皆様から最も多く寄せられる不安です。
結論から申し上げますと、「本来のISOは、仕事を増やすためのものではなく、無駄を減らすためのもの」です。
・二重管理の撤廃: 既存の業務フローを活かすことで、無駄な記録作業を省きます。
・スリム化が鍵: かつての分厚いマニュアルは不要です。現在は「自社に必要な分だけ」を文書化すれば十分認められます。
・属人化の解消: 業務が標準化されることで、教育コストやミスのリカバーに割く時間が削減されます。
「認証取得後」の維持継続について
ISOは「取って終わり」の看板ではありません。取得してからが、会社を強くする本番のスタートです。認証を維持するためには、以下の定期的なサイクルが必要になります。
・維持審査(年1回): 審査機関による「正しく運用されているか」の定期チェック。
・更新審査(3年に1回): 認証を継続するための大規模な再評価。
・内部監査・マネジメントレビュー: 自社でルールを守れているか確認し、経営者が改善の指示を出します。
継続的な運用を通じてPDCAサイクル(計画・実行・評価・改善)が定着すると、「問題が起きても、再発しない仕組み」が自然と作られます。この「改善の積み重ね」こそが、数年後に他社との大きな競争力の差となって現れます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
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