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ISOコム通信

ISO9001、14001の統合及びスリム化事例

2020年12月1日

東京都の通信装置・半導体製造装置等を受託製造会社様の事例

こんにちは、ISOコム マネジメントコンサルタントの加藤 政夫です。
この1年間で東京都の通信装置・半導体製造装置等を受託製造している企業のISO9001、ISO14001の統合とスリム化を実施しました。6カ所の拠点(工場及び技術本部)を持っています。

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業界の特性

通信装置や半導体装置の受託製造を可能とするための専用の設備を持っていることが、この業界での強みとなっています。
工場ごとに顧客も設備も異なりますが、場合によっては工場間で協力して顧客の要請に応えることもあります。

どんな事業なのか

顧客仕様にもとづき、顧客提供の部品を使って、自社の設備を使って製造を行います。
顧客仕様がなかなか明確にならないことや顧客提供の部品が遅延するなどのリスクを負いながら、スケジュール通り、製品を納品しなければならないことがあります。
また、各工場では大型の設備やクリーンルームを持っており、環境面でも配慮しなければならないことがあります。

今回の支援内容

お客様は、長年、ISO9001、ISO14001を運用して、認証取得してきました。
事務局の方も長年担当してきており、次の人材が育たない状況にありました。
このような閉塞感を感じていらっしゃったので、マネジメントシステムの統合やスリム化の提案をし、ご用命をいただきました。

ISO9001、ISO14001のマネジメントシステムの統合とは?

今回のマネジメントシステム統合作業でのポイントをいくつか挙げます。

1)一つのマネジメントシステム
お客様は、複数の工場から構成されていて、工場としての製品や顧客は異なり、マネジメントシステムの運用も、独自で実施される傾向にありました。
審査機関は、このような会社の場合、一つのマネジメントシステムであることを要求しています。
例えば、ある工場での内部監査で不適合が検出され、是正処置がなされたとしましょう。
その際、その不適合が、他の工場でも発生する可能性があるのかどうか検討し、発生する可能性があるのであれば、是正処置がその工場にも適用されなければならないようになっていなければなりません。
このように、マネジメントシステムの適用が、工場間を通して実施されなければならない点が重要です。各工場が別個のマネジメントシステムの運用をしていて、審査のために纏めているようでは、一つのマネジメントシステムになっていません。

2)品質と環境マニュアルの統合とは?
ISO9001とISO14001は、2015年の改定でHLS(High Level Structure)という共通要素をベースに作られています。
なので、マニュアルを統合することは以前よりやりやすくなりました。
独自の章立てとして考えるべきところは、以下章立てになります。

<ISO9001>
5.1.2 顧客重視
6.3   変更の計画
8.   運用
9.1.2 顧客満足

<ISO14001>
6.1.2 環境側面
6.1.3 順守義務
8.   運用
9.1.2 順守評価

これらは、別々に記載しなければなりませんが、これ以外の章立ては規格上もほぼ同じですのでまとめることは容易と思います。

さらに付け加えますと、顧客重視や顧客満足はISO14001としてやっても構いませんし、順守義務や順守評価はISO9001でやっても構いませんので、「8.運用」以外は同じにすることも可能です。
このようにルールや帳票類の統合することで、スリム化することが可能となります。

3)内部監査の統合とは?

実際の運用で、統合の効果の大きいのは、内部監査の統合です。
内部監査は、事務局にとっても組織にとっても負荷が高いものです。それを統合することで、負荷を減らすことができます。

実際の統合のために、解決しなければならない課題があます。
・内部監査員は、QMSとEMSの監査員力量を備えなければなりません。
少なくても、監査チームリーダーは、両方の力量を持っていた方がよいと思います。監査員の育成については、両方の力量を持たせることに注力しなければなりません。
・ISO9001とISO14001の内部監査の対象となる部署が異なっている場合は、合わせることをしないと統合の効果が減少してしまいます。
今回の支援では、異なっていたため、この点では課題が残りました。

スリム化の方法とは?

ISOコムのスリム化は、コンサル開始前に、既にあるISO9001や14001のマニュアル、規定、帳票類に全て目を通し、規格要求の基準から見て、統廃合がどの程度できるのか診断し、スリム化診断票をお客様に提出し、共有します。
それを元に今回、ISO9001とISO14001を統合しているのですが、ルールや帳票類を統合する中、単に従来のやり方を踏襲するだけでは、重装備になってしまう可能性がありました。
それを避けるために、マニュアルや規定類から、スリム化できる観点をリストアップし、それに対する検討を一つ一つ実施していきました。
現実的ではないと判断した項目もありましたが、受け入れていただき、スリム化もできたと思います。
今回のような作業を通じて、規格の要求事項を超えて規定している内容についてその是非を検討することの必要性を感じていただいたと思います。

最後に

ISO9001やISO14001、ISO27001やISO45001等、複数のマネジメントシステムを運用しているお客様は、意外と多いのではないでしょうか。

そのような場合、それぞれ単独で運用してしまうと、相当無駄な業務の重複、それに伴う時間やコストの浪費につながっているかも知れませんし、その際にスリム化も合わせて行うことで働き方改革にもつながる業務効率化のメリットが期待できます。

統合することで、運用の質的向上を目指せますし、審査も統合すれば、審査コスト面でのメリットも得られます。
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