神奈川県 JFS-B規格 取得コンサルティング レトルトカレー製造事業の場合
投稿日:2021年7月1日 最終更新日:2024年5月29日
こんにちは、ISOコム です。
レトルトカレーの製造事業者の製造でJFS-B規格に対応する場合とは?についてお話ししてみます。
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業界の特性
レトルト食品は、アメリカ陸軍で開発され、宇宙食にも採用されましたが、アメリカでは冷凍食品が普及していたことや、包材であるレトルトパウチの張り合わせに接着材が使用されていたため、FDA(アメリカ連邦保険局)の認可が下りなかったこともあり、一般家庭用としては普及しませんでした。
日本では、当初から現在のレトルトパウチに近い3層構造のパウチが開発されたことにより、1969年に一般消費者向けのレトルトカレーが全国発売され、これが世界初の一般消費者向けのレトルト食品となりました。
その後、日本ではレトルトカレーは業務用も含めてインスタント食品の1つとして急速に普及していき、現在では日本のレトルト食品の売上高である約2,500億円(2019年実績)の3割以上をレトルトカレーが占めています。大手食品メーカーが大量生産するブランド製品から、今回のお客様の製品のような「ご当地カレー」まで、様々なレトルトカレーが製品化され販売されています。
レトルトカレーの特長は、常温で約1~2年程度保管できること、温めるだけでそのまま食べることができること、そして缶詰や瓶詰の様に嵩張ったり、重くないため、携帯に適していることが挙げられます。
どんな事業なのか
(1)製品開発
レトルトカレーに限らず加工食品の製品開発では、「製品コンセプトの決定」、「レシピ(配合)の決定」、「原料・包材の選定」、及び「製造条件の決定」が重要なポイントとなります。
特に、レシピ(配合)や使用する原料・包材などに拘りを持つ製品が多いため、使用原料・包材が制約されることがあるため、製品開発の段階で充分に注意を要します。
また、レシピの決定、原料・包材の選定、製造条件の決定が終わったら、実際のラインにてテスト生産を行って不具合箇所を洗い出し、量産化(実生産化)に向けて問題を抽出し、課題を解決するためにスケジュールを立て、準備を進めたりします。
(2)原料・包材の受入、保管
製品開発の重要なポイントの一つである「原料・包材の選定」では、その製品の使用原料や包材の“取り決め”を記した「原料・包材規格書」を作成する必要があります。
「原料・包材規格書」は、それを製造する原料・包材メーカーと、使用する製品製造側との事前の話し合いによって決定します。また、「原料・包材規格書」は製品の特長を示すだけではなく、食品安全を保証するものとして重要な“取り決め”となります。
原料・包材の受入時には基本的には、受け入れるものが「原料・包材規格書」に一致しているかを確認する必要があります。
また、受入後に保管する場合も、「原料・包材規格書」に合った条件(常温、冷蔵、冷凍)で保管していることを確認する必要があります。
(3)製造、出荷
製品開発の際決められた「レシピ(配合)」と「製造条件」により、製品が製造されます。
一般的には、これらは製品ごとに「配合表」や「製造条件表」といった文書として作成し、製品を製造する上で最も重要な文書となります。
製造工程としては、ご家庭でカレーを作る場合と同様に、カットした野菜や肉などの具材を、カレー粉などの香辛料、食用油脂、小麦粉、その他調味料などと共に煮込み、それらをレトルトパウチという特殊な包装材料に充填します。
その後、加熱殺菌し、冷却後に箱詰めして、一般消費者用製品となります。業務用製品の場合も製造工程はほぼ同じで、充填工程で業務用の大容量のレトルトパウチに充填され、業務用製品となります。
製品の保管や物流も常温で可能なので、保管・物流にかかるコストも比較的安価で済みます。
小規模レトルトカレー工程とは?
大量生産の工程ではなく、小規模のレトルトカレー工程でJFS-B規格を構築する場合とはこんな感じかなと思います。
手作りで作ったカレーをレトルトパウチに充填し、その後、レトルト釜で加熱殺菌・冷却した後、重量確認、異物検査(X線検査装置)を実施。
JFS-B規格(食品安全マネジメントシステム)を構成する、「食品安全マネジメントシステム(FSM)」、「ハザード制御(HACCP)」、及び「適正製造規範(GMP)」の3要素の要求事項を、現在、行っている製造方法に当てはめ、危害要因分析(ハザード分析)を行うことによって、実際に行っている製造作業方法、洗浄方法、作業環境など、食品防御やアレルゲン管理も含めてを見直し、食品安全を確保するために改善していく流れかなと思います。
レトルトカレー製造でJFS-B規格を認証するメリットとは?
(1)食品安全について、取扱う原料、工程、設備などを一つ一つ確認していき、潜んでいるリスクを見つけることができます。
(2)上記の発見したリスクに対して、どのように管理していくかを自分達で考え、管理していくための仕組みやルールを作ることができます。
(3)自分たちが作った仕組み、ルールを守り、定期的に見直すことにより、より実態に合った内容のルールに改善することができます。
いかがでしょうか。
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