食品製造販売に必要な許可と取得しておきたい規格
投稿日:2020年5月11日 最終更新日:2024年6月5日
こんにちは。
今日のテーマは今、“食品製造販売に必要な許可と取得しておきたい規格” です。
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食品製造販売に当たって必要なこととは?
最低限押さえておくことは以下の4点を順に進めることです。
①食品衛生の一般知識
②食品衛生上の要件を満たした施設・設備
③食品表示の義務
④製造する食品の種類に応じた、保健所の営業許可
では順番に見ていくことにしましょう。
食品衛生の一般的な知識とは?
食品の製造販売は、どんなに美味しく、安くても、食品安全上問題があれば製品として成り立ちません。
まずは、“食品衛生責任者の選任”で、食品衛生法で、営業許可を受ける製造及び販売施設ごとの選任が義務付けられています(製造部門と販売部門が分かれている組織では別々の選任が必要)。
食品衛生責任者は、地域の保健所の食品衛生責任者講習会を受講するとなれます(医師、獣医師、薬剤師、栄養士等の資格保持者は免除されます)。
更に、特定の食品加工(全粉乳、加糖粉乳、食肉製品、魚肉ハム・ソーセージ、食品油脂、マーガリン、ショートニング、放射線照射食品等)や添加物(食品衛生法第11条第1項に定めるもの)製造を行う事業所は、施設ごとに“食品衛生管理者”の設置が必要です。
これは厚生労働省による国家資格で、特定の食品加工や添加物製造業種を創設する場合には、“食品衛生責任者”より専門的な人が必要になります。
食品衛生上の要件を満たした施設・設備とは?
食品衛生法では、業種、業態で求められる施設設備の内容や要求水準は違います。
施設の広さや、構成位置関係、貯水槽や排水処理の規模などユーティリティの容量が重要であり、小さな設備の事よりもまずはこの辺りから抑えるとよいでしょう。
食品表示の義務とは?
製造加工した食品を、容器に包装し販売するには「表示」が義務付けられています。
消費者が安心して購入できるようにするための、“どんな製品かを示す“説明書き” ですね。
しかし、現時点において、食品事業者の回収事故のほとんどが“ラベル表示” のミスによるものなのです。
アレルゲンの表示漏れ、消費(賞味)期限間違い、原材料や添加物の表示漏れ等です。
以前は、目的の異なる3つの法律(JAS法、食品衛生法、健康増進法)の要求を全て満たすようにされていたため、食品事業者側を混乱させ、発生件数の多くしているのではないかとされていました。
このため、2020年4月に完全移行される「食品表示法」では管轄省庁が「消費者庁」に統一されましたのですが、栄養表示も加えることも合わせて義務化になったこと、アレルゲン表示に関してもその種類が益々、増えている(2020年4月現在:特定原材料7品目、特定原材料に準ずるもの21品目)、ことを考えあわせても課題は多いですね。
これらを踏まえると、食品表示の知識を持った人を複数名選任し、作成フォームに基づき、チェック体制を整える必要があると思います。
製造する食品の種類に応じた、保健所の営業許可とは?
食品を作り販売するには、食品の種類に応じて保健所の営業許可が必要です。
計画段階で所管保健所に相談することをお薦めします。
これを通過すれば、とりあえず食品の製造や販売ができます。
許可の後に食品事業者としてすべきこととは?
しかし、上記の①~③を行えば、今後長く、製造販売をしていく上ではたして十分でしょうか。
一応、衛生知識を備えた人がいて、衛生的な施設・設備環境はできたかもしれません。そのため許可もとれたのだと思います。
しかし一方で、製造工程の管理はどうですか?
①~③では、製造環境、一般衛生については要求されていますが、工程管理については全く含まれていませんね。
食品の“もの作り” である以上、工程を都度確認し、管理する仕組みが必要になります。
全ての製品を検査することはできないし、検査した結果が出るまで、出荷を待てない場合が多く、作り終えた製品の検査だけで安全な製品を保証することは実際にはできません。
そんなとき、出来具合を工程段階で確認する仕組みが必要ではないでしょうか。
その代表的な手法がHACCPです。
食品衛生法が改正され、『2021年6月までに』HACCPの仕組みを作ることを全ての食品事業者に義務付けられています。
取得しておきたい規格とは?
今までしてこられた製造環境面(一般衛生面)、表示に加え、工程管理手法のHACCPにも対応していることをお客様、消費者に証明するための仕組みとして、JFS-B、ISO22000、FSSC22000等があります。
これらは、必要な許可を持ち、法規制に対応し、表示義務等を守り、HACCPの仕組みと運用があることのお墨付きになるので、消費者や顧客目線からいうと、安心して食べること、製品を買うことができことになります。
新規顧客との取引拡大や、既存顧客とのに取引継続にはかかせないものとなりそうです。
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そのまま放置しておくと、必要な許可がない、思わぬ表示ミス等による多額の回収コスト、ひいては、消費者や顧客の信頼失墜につながりかねません。
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