ISO22000の文書管理で必要なこと
投稿日:2021年10月19日 最終更新日:2025年6月11日
皆さん、こんにちは。
ISOコム マネジメントコンサルタントの青森 誠治です。
ISO22000は、食品安全のための仕組み作りのISO規格ですが、その仕組みを上手く運用するための方法を文書にしたり、上手く運用できていたかの振り返りをしたりするために記録を残す必要があります。
文書や作っただけで後はほったらかしではダメで、現場の運用と違っていたり、使う時にどこに保管してあるかが分からない、ということがないようにきちんと管理しておかなければいけません。
では、どのような管理をしないといけないのでしょうか?
今日はISO22000で求められる文書管理についてお話しします。
ISO22000で規定される文書とは?
ISO22000では以下の文章が必要とされています。
a)規格によって要求されている「文書化した情報」
b)食品安全管理の仕組みを正しく活用するために、自分たちが必要だと考えた「文書化した情報」
c)法規制上の決まりやお客様から要求された「文書化した情報」や食品安全上の要求事項
ISO22000ではこれらの「文書化された情報」を「維持」、「保持」しなければいけないということが要求されています。
少し分かりにくい表現なのですが、
仕事の進め方や方法が書かれた手順書やマニュアルのような「文書」は「維持」する、仕事をした結果が書かれた用紙のような「記録」は「保持」しなければいけないものとされています。
ただし、これらは具体的に文書や記録の名前や書式がISO22000で要求されている訳ではありません。
会社の規模や提供している製品やサービス、仕事の進め方や働く人の知識や経験が会社によって異なりますので、必要なものは多少変わります。
皆さんの会社でも会社に合わせた色々なルールや決まり事があると思いますし、仕事をした結果の残し方も工夫して使いやすいようにしていますよね?
ISO22000の文書化された情報のすべきこととは?
ISO22000では文書化された情報については、作り方や改訂の仕方、そして管理方法について要求されています。
まずは作る時や改訂した時の決まり事では
1.タイトルや作成/改訂した日、作った人、参照番号を利用して見分けがつくようにする
2.適切な形式(言語や図表、写真、動画、など)や媒体(紙に書く、電子データにする、など)を選ぶ
3.内容が合っているか、役に立つかどうかを見直す、作った人とは別の人が確認する
ということが求められます。
使いたいときに必要なものがどれか分からない、同じような名前のものがあって見分けがつかないと困りますし、読んでも分かりにくい、使いにくいということも困るからです。
次に、作ったものを管理する時には
1.必要な時に最新の状態に更新されたものがすぐに使えるように管理する
2.会社の機密情報が社外に流出しないように関係者しか見られないように管理する
3.間違った書き換えや改ざんがないように管理する
ことが大切です。
会社にとって情報は財産ですから、
社外の人や社内でも関係のない部署の人が自由に見られたり、変更できたりする状況ではいけませんよね。
その他、必要な場合には
1.適切に配布する、アクセスできるようにする、検索できるようにする
2.読める状態を保つ、劣化、破損、紛失しないようにする
3.改訂をした場合はどれが最新のものなのかを分かるようにし、改定前のものを間違って使わないようにする
4.記録は期限や場所を決めて保管しておく、改定前の文書や期限を過ぎた記録の捨て方を決めておく
といったことも考えておかなければいけません。
ルールや方法が変わったのを知らずに、以前のやり方でやっていると、
安全でない可能性がある不良品の発生につながる場合もありますし、法律に違反してしまうこともあります。
記録も、クレームなどのトラブルが発生した時に原因を調べるときや、作った仕組みが上手く運用できているかを確認するために必要なものですから、必要な記録が捨てられてしまっていると困ります。
少なくとも商品の消費・賞味期限より長く保管する必要がありますし、法律や契約上決まりがあるものはそれを守らないといけませんね。
文書や記録は本当に意味のある仕組み作りの第一歩です!
ISO22000では、仕事の仕方にバラツキがでないように様々な文書を作りますし、活動した結果を振り返って、改善をし続けることが求められるため、記録を残す必要があります。
文書を作るというのは少し手間がかかります。
改めて仕事のやり方を文書にしなくても、全員が正しく作業できているし、わざわざマニュアルなんか作らなくても良いのでは?と思われるかも知れません。
でも、皆さんは、会社で行われている全ての仕事の手順や、注意事項、コツといったものが全て分かりますか?
文書にするのはただの手順ではありません。誰かが持っている知識や経験といった、“会社の財産”とも呼べるものも含めて文書にするのです。
今と同じメンバーで10年後も働いているか?
と聞かれると人事異動や人材の採用や定年退職、などがありますので絶対に同じだとは言い切れませんよね?
それでも会社は存続し、発展し続ける必要がありますから、仕事の方法を見える化して、財産として残すことが大切なんですね。
とは言え、無駄に文書ばかり作ることがISOではありません。
ISOコムでは、経験豊富なコンサルタントが認証の合格に必要で、皆さんの会社にとって最適な文書作成をお手伝いします。
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