FSSC22000のハザード分析とは
投稿日:2022年3月2日 最終更新日:2024年6月5日
皆さん、こんにちは。ISOコム マネジメントコンサルタントの青森誠治です。
ISOコム通信をご覧いただきましてありがとうございます。
今回は、FSSC22000の認証取得のために絶対に欠かせないハザード分析についてお話しします。
このハザード分析というのは、FSSC22000やISO22000など、
安全な食品を提供する仕組み作りのための規格にとって絶対に欠かせないものですから、
まだ十分に理解できていないという方は、しっかりと学んでくださいね。
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ハザードとは何か?
ハザード、というのは何でしょうか?
日常生活の中であまり聞かない言葉なので、ピンと来ないかも知れません。
「バイオハザード」とか、「ハザードランプ」のような言葉からイメージするのは何か危く感じるものかも知れません。
FSSC22000は安全な食品を提供するためのものですから、
規格の中では「食品安全ハザード」という表現をされていて、ISO22000の3.22項で
「健康への悪影響をもたらす可能性のある食品中の生物的、化学的又は物理的要因」と定義されています。
具体的には、
生物的というのは、食中毒の原因となるような病原性のバイ菌など
化学的というのは、人体に有害な化学物質やアレルギー疾患の原因となるアレルゲンなど物理的というのは、
口の中を切ってしまうようなガラス片などの固い異物のことを指します。
例を挙げると、
生物的:
・原材料の生肉には病原性の大腸菌(例えばO157など)が含まれる
・冷蔵庫の温度管理ができていないと保管中に病原細菌が増える
・汚れた手で製品を取り扱うと、製品を汚染する
・ハンバーグを焼く工程で、加熱が不足すると中心まで火が入らず病原細菌が生き残る
・煮込み終わったカレーを常温でゆっくり冷ますと、耐熱性の病原細菌が増える
化学的:
・同じラインで異なる製品を連続して製造すると、前に製造した製品のアレルゲンが混ざる
物理的:
・生地を混ぜるミキサー部品の取り付け方を間違えると、金属同士がこすれて金属片が出る
などでしょうか。
ハザード分析の進め方とは?
では、ハザード分析はどのように進めたら良いのでしょうか?
規格では、分析に必要な事前情報を集めて、それに基づいて分析をしなければならない、と書かれています。
事前情報には、例えば以下のようなものが含まれます。
・使用する原材料や包装資材などの情報
・作る製品のレシピや配合
・作ってから消費するまでの期限
・どのような方法で製造するのか
・製造中の加熱温度や保管中の冷却温度 など
事前情報を基に、原材料自体に元々含まれるハザードや、
製造工程で発生するハザードにはどんなものがあるのか、というのを考えます。
ハザード分析で注意することとは?
ここでポイントとなるのは、
そのハザードが何も管理しなかった場合に発生する可能性はどれぐらいあるのか?
もし発生してしまった場合の危険度はどれぐらいあるのか?を考える
ということです。
非常に危険なハザードであっても、発生する可能性が全くないのであれば、それにまで備えて過度な準備をするのは大変ですから、
自社や他社で実際に発生した事例、公的な調査、検査などで明らかになっているものなど、
現実的に想定されるものを考慮してくださいね。
危険度についても、色々な情報を基に考えていきましょう。
例えば、
・厚生労働省から発表されている食中毒の統計で発生事例を見る
・食品安全委員会が病原細菌の特徴をまとめたファクトシートという書類を見る
など、こちらも信頼できる情報を参考にしてください。
病原の細菌も色々な特徴があり、
・少しの量を摂取しただけで食中毒になるもの
・ある程度の量まで増えたものを摂取しないと発症しないもの
があるので、そういった情報も併せて入手しておきましょう。
このようにして、見つけたハザードを評価して、自社で管理しないといけない重要な食品安全上のハザードを見つけます。
重要だと考えた食品安全ハザードは、ほったらかしにすると食中毒などの食品事故につながる可能性があるので、
商品に残らないか、安全なレベルにしておかなければなりません。
管理の方法は、そのハザードの特徴によって様々ですから、これについても色々な情報を参考にして、
自社にあった管理方法を決めておきましょう。
まとめ
今回はFSSC22000のハザード分析についてお話ししました。
ハザード分析は、FSSC22000の要求事項に含まれるISO22000でも必要ですし、
日本国内で2020年から制度化になったHACCP、日本発の食品安全規格であるJFS規格でも必要とされています。
車を運転する時に「かも知れない運転」をしなければ、事故を起こす可能性が高くなるのと同じで、
食品を製造する時には、ハザード分析をして十分な対策をしておかなければ、
食中毒などの大きな事故を引き起こすかも知れません。
ハザード分析は、ハザードに関する知識も必要ですし、
発生頻度の見極めなど、初めてやるときは非常に難しく感じるかも知れません。
ISOコムでは、経験豊富なコンサルタントが、どのようにハザード分析を進めたら良いのかの指導、
重大な見落としがないかの確認など、皆さんの会社に適したハザード分析が行えるようにサポートします。
合格のための形だけのハザード分析ではなく、自分たちが理解し、本当に安全な食品を製造するためのハザード分析にご興味がある方は、
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