FSSC22000の教育訓練とは?
2022年7月19日
皆さん、こんにちは。
ISOコム マネジメントコンサルタントの青森 誠治です。
ISOコム通信をご覧いただきましてありがとうございます。
今回はFSSC22000の教育訓練についてお話しします。
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教育訓練の意味とは?
まず、「教育訓練」とは何でしょうか?
何かを教えたり練習させたり、というイメージでしょうか?
広辞苑の定義では、教育は「教え育てること。望ましい知識・技能・規範などの学習を促進する意図的な働きかけの諸活動。」とあり、訓練は「実際にある事を行なって習熟させること、一定の目標に到達させるための実践的教育活動。」と書かれています。
FSSC22000は、安全な製品を提供するための仕組みのことです。
認証を得るためには、様々な衛生管理の取り組みをする必要があるんですが、その中の一つにハザード分析というものがあります。
ハザード分析(危害要因分析とも言います)は、その製品を作るために使用する原材料に含まれる食中毒菌や、製造中のトラブルや失敗(製造機械の破損など)といった、食中毒の原因となる可能性ものや出来事を予想する、というもので、衛生管理をする上で非常に重要な取り組みなんです。
FSSC22000に必要な「教育」とは?
例えば、安全なハンバーグを作る、という会社をイメージしてみてください。
皆さんは、ハンバーグの原材料に使うミンチ肉を加熱せずに生のまま食べることはありますか?
おそらく、そんな事はしないですよね?
それは何故かというと、ミンチ肉には食中毒菌が含まれている可能性があり、そのまま食べると食中毒になる可能性があるからですね。
ハザード分析では、そのような情報をきちんと把握しておく必要があり、使用する全ての原材料や完成した商品を入れる包装容器などについて、知識を持っておかなければいけません。
つまり、FSSC22000の認証を取るためには、食中毒菌以外にも食品安全に関する様々な知識が必要で、その知識を得るために必要な活動が教育、です。
具体的な方法の例は、社内で詳しい人間や外部のコンサルタントが講師となって、学校の授業のように集合研修をする、というのはイメージしやすいと思います。
ただし、ただ話を聞くだけだと、理解できたかどうかが分からないので、終わってからテストをしたり、講師から講義内容について質問して答えられるかを確認したりするなど、教育の有効性を確認しておくと良いでしょう。
FSSC22000では活動した証拠を残すことが大切ですから、いつ、誰が(講師や参加者)、何について、どれぐらいの時間勉強したのか、といった記録を残しておいてくださいね。
コロナ禍で密集を避けたい場合は、動画の教育コンテンツや通信教育などを活用している会社もありますので、必要に応じて活用してください。
FSSC22000に必要な「訓練」とは?
次は訓練についてです。
訓練は、先ほどの広辞苑の定義でもあるように、実践的なトレーニングが主になります。
先ほどのハンバーグの例だと、原材料のミンチ肉に食中毒菌がいるぞ、ということが分かっていますが、安全な製品を作るためにはどうしたら良いでしょうか?
これは家庭でハンバーグを作る時でも一緒ですが、中までしっかりと火を通すことが大切ですね。
家庭で作る場合は、それを確認するために菜箸を刺して透明な肉汁がでるかどうかで確かめる場合がありますが、工場で作る場合は、誰でも分かる方法で確認することが大切なので、焼いた後のハンバーグに温度計を刺して温度を測ったり、焼く時のオーブンの設定温度を確認したり、焼いた時間を測ったりして確認することが多いです。
生焼けのハンバーグができてしまうと、食べた人が食中毒になる可能性がありますから、これは非常に大切な確認の作業です。
今日、採用したばかりの従業員さんに「きちんと焼けたか確認しておいて」と言っただけでは、決めた通りに計ってくれない可能性がありますので、測る時の測り方や測る頻度、温度の基準値を教えておかないといけません。
現場で実際に行う作業ですから、これは座学の教育だけではなく、
(1)手順やルールを説明してから、実践して見せる
(2)教えた通りにやらせて、できているかを確認する
(3)直さないといけない部分を教える。できているところは褒める
といった流れで訓練を行います。
1回教えただけでは、後で忘れてしまう可能性がありますから、最初は「やり方を知っている」というレベルから始めて、訓練をすることによって「責任者の指導の元で実施できる」 というレベルになり、「自分一人でできる」というレベルを目指しましょう
最終的には「他の人に教えることができる」というレベルまでなれば一人前ですね。
適切な教育訓練をするためには?
今日はFSSC22000の教育訓練についてお話ししました。
教育訓練はFSSC22000の認証を取るだけでなく、その仕組みを運用していく上で非常に大切な活動です。
ですので、教育訓練は行き当たりばったりで実施するのではなく、計画立ててやる必要があります。
例えば、新入社員が入った時に研修で伝える内容はこれ、と決めておく、製造上大切な工程の教育は年間で何回やる、とかを決めておく、といった計画です。
食中毒菌など、知識については繰り返し勉強することが大切ですし、自社に関係する法律の改訂や他社での食中毒事例など、最新の情報を共有することも必要です。
計画する時は、5W1H(「When(いつ)」「Where(どこで)」「Who(だれが)」「What(なにを)」「Why(なぜ)」「How(どのように)」)を意識しておくと分かりやすいですね。
必要な教育訓練を適切に行わないと、皆さんの製造した食品を食べた後に重大な事故に至ってしまい、会社としての存続が危ぶまれたり、甚大な賠償を背負わなくなるかもしれません。
自社で講師をできる人がいない、社外の人が教えた方が雰囲気が引き締まる、最新の情報や他社事例を教えて欲しい、どのような教育訓練を計画したら良いか分からない、といった場合は、社外のコンサルタントの活用も検討されてはいかがでしょうか。
ISOコムでは、経験豊富なコンサルタントが、皆さんの会社に適した教育訓練の計画作りや、講師としてのサポートを実施しています。
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