ISO22000のインシデントとは?
投稿日:2023年5月24日 最終更新日:2024年10月8日
皆さん、こんにちは。ISOコム マネジメントコンサルタントの青森誠治です。
ISOコム通信をご覧いただきましてありがとうございます。
今回はISO22000のインシデントについてお話しします。
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インシデントという言葉の意味は?
インシデント、とは何でしょうか?
日常生活では、あまり使わない言葉なので、イメージしにくいかも知れませんが、ニュースなどで、「航空重大インシデント」や「鉄道重大インシデント」というような言葉は、聞いたことがありませんか?
運輸安全委員会のホームページでは、「航空重大インシデント」の事例として、飛行中のエンジン出力の低下や、滑走路の逸脱などが掲載されています。
一方、「交通重大インシデント」の事例としては、信号違反や車両傷害といったものが、掲載されているんです。
これらは非常に危険な出来事ですが、実際に大きな事故が起こっている訳ではありません。
でも、これを放置して、原因の調査や再発予防も含めた対処をしなければ、いつか、大きな事故につながるかも知れません。
このように、「インシデント」という言葉には、
実際に事故が発生している訳ではないけれど、
それにつながる可能性が高いような出来事を、指すんです。
ハインリッヒの法則、というものがあるのですが、
その中では、
「1件の重大事故があれば、その背後に29件の軽微の事故が隠れていて、さらにその背後には300件の異常(ヒヤリとしたりハッとしたりする危険な状態)が隠れている。」
と言われます。
食品を扱う仕事をする以上、食中毒や、固い異物が混入したことによる怪我、アレルギー表示の間違いによる事故など、
重大な食品事故は、発生させてはいけませんよね。
皆さんの会社で、過去に何も大きな食品事故を
起こしたことがなかったとしても、
ひょっとするとその背後に
インシデントと見なした方が良い事態が、隠れているかも知れません。
万が一のインシデントの発生に備えて、正しく対処ができるように準備しておきたいですね。
食品安全での「インシデント」とは?
では、食品安全での「インシデント」とは何でしょうか?
いくつか例を挙げると、以下のようなものが考えられます。
・停電により冷蔵庫が停止した
・製造に不可欠な機械が壊れ、生産を中断しなければならなくなった
・従業員が、ノロウイルスに感染し、製造現場でおう吐した
・近隣で、水道管の破裂があって、水道が使えなくなった
いずれの出来事も、発生した時点では、安全ではない製品ができたわけではありませんが、正しく対処をしなければ、そうなる可能性は高くなりますよね?
例を挙げた以外にも、自社にとって考えられる「インシデント」というのは何なのか?
どのような事態がインシデントとなるかは、会社毎に異なりますので、社内でよく検討し、発生した際の、社内外の連絡体制や担当者、手順を整理しておきましょう。
「インシデント」にはどのように対応するのか?
もし、インシデントが発生してしまったら、速やかに、そして適切に対応しなければいけません。
対応の遅れや間違った対応をしてしまうと、被害が広がり、たくさんのお客様にご迷惑をおかけしますし、会社の評判が悪くなって、大きなダメージを受けてしまいますよね。
そうならないために、対応手順では、いつ、誰が、何を、どのようにするのかを明確にしておきましょう。
社外からのクレームなどで情報が入る場合、社内発見で、情報が入る場合それぞれを想定し、
社内での連絡体制や、すみやかな対応ができる役割分担、すべきことの明確化をして、
被害を、最小限にできる手順にしておきたいですね。
また、手順を作ったら終わりではない、ということにも注意してください。
•手順は作ってあるが、担当者の誰も、内容を把握していなかった、書いてある手順に間違いがあった
•分かりにくくて時間がかかった
というようなことがあってはいけませんので、
実際に発生したことを想定して、対応の訓練をしておきましょう。
実際に、インシデントが発生して、対応した場合もそうなのですが、訓練を実施した後も、結果の振り返りをする必要があります。
規定した手順通りに対応ができたのか?
そもそも決めた手順に問題や分かりにくい場所はなかったのか?より早く、適切に対応できるように工夫できることはないか?
などの視点でおきましょう。
今日は、ISO22000のインシデントについて、お話ししました。
インシデントを正しく想定して、適切な対応手順を作っておくことは非常に大切です。
インシデントに対して、適切ではない対応をしてしまった場合、
被害が広がり、
たくさんのお客様にご迷惑をおかけしますし、
会社の評判が悪くなって、大きなダメージを受けてしまい、
最悪なケースでは、事業を続けることが出来なくなる場合もあります。
そうならないように、
もし、自社のメンバーで手順を考えるのが難しい場合や、
作った手順が、本当に有効なものなのかどうか不安な時は、
外部のコンサルタントなど、第3者を活用することも、お勧めです。
お問い合わせ
ISOコムでは、経験豊富なコンサルタントが、考えておくべきインシデントや、
その対応方法を分かりやすく解説したり、
手順の訓練の立ち合いをしたりして、
有意義なインシデント対応手順の作成をお手伝いします。
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