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ISO45001用語集

投稿日:2025年9月17日  最終更新日:2025年9月17日

ISO 45001は労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)に関する国際規格であり、労働者の安全と健康を守り、事故や疾病を予防することを目的としています。本ページではISO 45001に関連する主要用語を詳しく定義付きで解説します。

基本概念

ISO 45001

労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格。OHSAS 18001の後継規格として2018年に発行され、事故や疾病を防止する国際的な枠組みを提供する。

労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS)

組織が労働者の安全と健康を維持するために整備・運用する仕組み。方針、計画、運用、評価、改善を一体化した管理システム。

労働安全衛生方針

組織が安全衛生に関して掲げる基本的方向性と意図。トップマネジメントの責任で策定され、全社員に周知される。

規格要求事項

ISO 45001の中で組織が満たさなければならない条件。リスク低減、労働者参加、法令順守などが含まれる。

リスクと危険源

危険源(Hazard)

労働者に危害をもたらす可能性のある要因。例:機械設備、化学物質、作業姿勢、心理的ストレス。

リスク(Risk)

危険源が現実化する可能性と、その結果の重大さを組み合わせた概念。

リスクアセスメント

危険源を特定し、リスクを分析・評価し、低減の優先度を決定して対策を講じる体系的手法。

ハザード特定

職場に潜在する危険源を洗い出す活動。リスクアセスメントの前段階で不可欠。

機会(Opportunity)

労働安全衛生パフォーマンスを改善する契機となる要因。例:新技術導入や作業方法の革新。

事故と対応

労働災害

業務に起因して発生する負傷、疾病、または死亡。労働安全衛生法などに基づき報告義務がある。

インシデント(ニアミス)

事故には至らなかったが、潜在的に災害を引き起こす可能性があった事象。原因分析と対策が求められる。

是正処置

発生した不適合や災害の原因を取り除き、再発防止を図る活動。

予防処置

潜在的に発生する可能性がある問題や災害を未然に防ぐための活動。

緊急事態対応

火災、爆発、化学物質漏えい、自然災害などの非常事態に備えて作成される計画。訓練と実行手順を含む。

組織と人材

労働者参加

労働者が安全衛生活動に主体的に関与すること。ISO 45001の重要な特徴の一つ。

協議(Consultation)

経営層と労働者が安全衛生に関する課題について意見交換を行うプロセス。

力量(Competence)

労働者が職務を安全に遂行するために必要な知識・技能・経験。

教育・訓練

労働者が安全衛生に必要なスキルや知識を習得するための活動。OJTや集合研修を含む。

コミュニケーション

安全衛生に関する情報を組織内外で効果的に伝達・共有する活動。

評価と改善

内部監査

OHSMSが規格や社内規程に適合しているかを確認する活動。改善点を洗い出す目的がある。

マネジメントレビュー

経営層がOHSMSの有効性を確認し、改善の方向性を決定する会議。定期的に実施される。

パフォーマンス評価

安全衛生に関するKPI(例:災害件数、休業災害率)を測定・分析し、改善に活用する活動。

継続的改善

PDCAサイクルに基づき、安全衛生システムの成果を継続的に向上させる活動。

不適合管理

規格や社内基準に適合していない事象を特定し、是正・予防処置を行うプロセス。

文化と風土

安全文化(Safety Culture)

組織全体に「安全を最優先にする」価値観と行動様式が根付いた状態。トップから現場まで一貫して求められる。

協議と参加

経営層と労働者が安全衛生の課題について協力し、改善策を共に検討するプロセス。

作業環境測定

粉じん、騒音、照度、化学物質濃度など、職場の有害要因を定量的に測定・評価する活動。

心理社会的リスク

長時間労働、職場の人間関係、ハラスメント、ストレスなど、精神的・心理的な健康に関わるリスク要因。


※本用語集はISO 45001の理解促進を目的とした要約です。実務適用時は規格原文および関連法令・ガイドラインを必ず参照してください。

 

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