ISO45001について 第16回 「10.改善」
投稿日:2018年9月18日 最終更新日:2023年5月12日
こんにちは、ISOコム マネジメントコンサルタントの小川 次郎です。
前回は、「9.パフォーマンス評価」の後半「9.3 マネジメントレビュー」についてお話させていただきました。“「9.1 モニタリング,測定,分析及びパフォーマンス評価」と「9.2 内部監査」の結果を基にしたトップマネジメントの判断』”ということでしたね。
理解していただけたと思います。
いよいよ、規格の最終項です。今回はこの規格の最終章「10.改善」についてお話をさせて頂きます。
この項は、「改善の機会を決定し、OHSMSの意図した成果
—“働く人の労働に関係する負傷及び疾病を防止すること”
及び“安全で健康的な職場を提供すること”—
を達成するために、必要な取り組みを実施すること」としており、「このようなことが改善ですよ」、「継続的改善が必要ですよ」と示しています。
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実際の取組みは?
実際の取組みでは、どんな組織でも、このようなシステムを意識しなくても、実際の発生事例検討⇐計画⇒運用⇒評価の流れの中で、今後の方策を立てていますね。この「今後の方策」がこのシステムでいう「改善」にあたります。このことを、規格の要求事項と比較して、不足を補っていただければ、OKです。
では具体的な要求事項を記述してみます。
考慮事項(不適合が発見される可能性のある活動)は?
・OH&Sパフォーマンスの分析及び評価
・順守評価
・内部監査
・マネジメントレビューからの結果
インシデント及び不適合が発生した場合の実施事項は?
a)遅滞なく対処し、次の事項を行う
①管理し、修正するための処置
②起こった結果への対処
b)再発しないようにするため、働く人の参加、関係する利害関係者の関与により、根本原因を除去するための是正処置をとる(必要性を評価する)。
①インシデントを調査、不適合をレビューする
②原因を究明する
③類似のインシデントの有無、不適合の有無、又は発生の可能性を明確(検討)にする
- c) OH&Sリスク及びその他のリスクの既存の評価をレビューする(必要に応じて)
d)管理策の優先順位及び変更の管理に従い、是正処置を含めた、必要な処置を決定、実施する。
e)対策を実施する前に、新しい又は変化した危険源に関連するOH&Sリスクの評価を行う
f)対策の有効性をレビューする(是正処置も含める)
g)必要な場合にはOH&Sマネジメントシステムの変更を行う
注 目 !
ここでは、不適合だけでなく「インシデント」というものを改善対象の重要事項に位置付けていることに注目。システム上の不適合だけでなく、実際に発生した事象を規格項目の中に対象として表現していることは、OH&Sマネジメントシステムの大きな特徴です。
「インシデント」とは、発生した事故、ヒヤリハット的な事象、ヒヤリハットまでも行かないミスも含めた、問題事象のことです。
※どこまでのインシデントを対象に含めるかは、組織の判断です。航空機事故調査では、些細なミスまで、対象に含めていますが、一般的には、事故まであるいは。ヒヤリハットまでのところが多いようです。しかし、概念としては、上記の通りです。
理解のポイントは?
★是正処置はインシデント又は不適合の持つ影響(起こり得る影響)に応じたもの
★文書化要求事項
――インシデント又は不適合の性質及びとった処置
――処置の有効性を含めた対策及び是正処置の結果
★文書化した情報は、働く人、関係する利害関係者に伝達すること
★インシデントの例:ヒヤリハット的なもの;平坦な場所での転倒負傷有又は負傷無;骨折;石綿症;難聴等
★不適合の例:保護具が正しく機能しない;順守義務を満たしていない;所定の手順を守っていない
★是正処置:“優先順位”は
①除去、②代替、③工学的な対策、④管理的対策、⑤個人用保護具
今回で、規格の説明は一応終わります。次回からは、このシステムの有効性や必要性あるいは運用・維持していくにはどのようにしていけば良いかについて記述していきたいと思います。
楽しみにしていてください。
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