ISO9001とISO14001の違い
2018年11月28日
こんにちは。ISOコム マネジメントコンサルタントの柏木 博です。
ISOコム通信にアクセスしていただき、ありがとうございます。
今回は、タイトルを“ISO9001とISO14001の違い”としましたが、それぞれ別の規格ですので異なる内容となっています。
別の規格ですので、至って当然のことです。
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規格のタイトル
それぞれの規格のタイトルは次のようになっています。
JIS Q 9001:品質マネジメントシステム―要求事項
JIS Q 14001:環境マネジメントシステム―要求事項及び利用の手引き
このタイトルを見るだけで、両規格の違いは一目瞭然です。
しかし、似ている面も多々あります。
両規格とも、タイトルに『要求事項』という用語が使用されていますが、第二者監査、第三者監査の監査基準として使用することが出来る点が共通しています。
章立ての類似点と相違点
両規格の章立て、及び章のタイトルが非常に類似しています。
例えば、0.1から0.4まで(ISO14001では、0.5まである)は、それぞれの規格で異なるタイトルとなっていますが、1章から10章までは類似したタイトルが使用されています。
タイトルだけでなく、要求事項を満たすために準備する必要がある帳票類、記録類についても類似性が認められます。
章立ての中でも、異なるところも見られます。
特に、8章については、ISO9001が8.1から8.7のサブスクリプトで構成されているのに対し、ISO14001では8.1と8.2のみとなっています。
この差が、ISO9001とISO14001の規格の性格の差を端的に現しています。
ISO9001の主な構成
ISO9001では、8章をメインプロセスとし、7章を支援プロセス、それ以外を管理プロセスとして、メインプロセスをどのように管理し、実施するかが要求される構成となっています。
このため、8章のメインプロセスでは、管理対象となるプロセスが予め決められています。
ISO14001の主な構成
これに対し、ISO14001では、著しい環境側面や関連する遵守義務等を考慮に入れた上で、6.2で取組むべき環境目標とそれを達成するための取組みが計画され、その計画に従って、8.1で取組むこととなります。
このため、組織によって、また、取組むテーマによって、取組むべきプロセスが決まってくる仕組みとなっています。
リスクの取り扱いについて
両規格とも、6.1では“リスク”という用語が使用されています。
“リスク”の定義はほぼ同じと考えていいでしょう。
しかし、ISO9001で取り扱う“リスク”は、品質保証能力の実証や顧客満足度の向上に対するリスクであるのに対し、ISO14001では環境方針や著しい環境側面への取組みの達成に対するリスクが対象であり、リスクに対する対応は両規格で全く異なることになります。
さらに、ISO14001では、“リスク及び機会”というフレーズが環境固有に定義されています。
従って、ISO14001では、“リスク”という用語が単独で使用されることは無く、常に“リスク及び機会”とのフレーズで使用されています。
このように、規格の性格としては、両規格は異なる内容となっています。
しかしながら、次回のブログで“ISO9001とISO14001の統合”について記載しますが、それぞれの規格の要求内容は明らかに異なるのですが、企業活動の中では同時に取り扱うことが望ましい場合が多々あります。
単に規格構成が似ているからとか、準備すべき帳票類や記録類に共通性があるということだけではありません。
両方を同時に扱うことにより、企業として、顧客要求や社会的要求を満足させる対応が可能となります。
それぞれの規格の本質を十分に理解し、うまく組み合わせて使用されることをお勧めします。
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