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ISOコム通信

ISO45001について 第19回 「システムの運用と維持2」

投稿日:2018年11月30日  最終更新日:2023年5月12日

【この記事の執筆者】小川次郎

打ち合わせ風景
こんにちは、ISOコム マネジメントコンサルタントの小川 次郎です。

ISOコム通信にアクセスしていただき、ありがとうございます。

 

前回は、「システムの運用と維持」として、「このシステムの成功の秘訣は自らの組織内に起こっている「ヒヤリハット的な事象、ヒヤリハットまでも行かないミスも含めた問題事象」を如何に収集して、システムに反映し事故防止に繋げることができるかにかかっている」と記述しましたね。

 

そうなんです。このシステムは事故防止に繋がらないと意味がないのです。

 

もっと正確に言えば、このシステムの究極の目的

—「働く人の労働に関係する負傷及び疾病を防止すること」

及び「安全で健康的な職場を提供すること」—

に、繋がらなければ意味がないのです。

 

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今回は、「ヒヤリハット的な事象、ヒヤリハットまでも行かないミスも含めた問題事象」の収集の事例

 

事故や問題が起きてしまえば、強権を発動して、調査を実施することもできますが、大組織でなければ、よほどズサンな管理をしていなければ、何年も事故や問題は起こっていないのも事実です。

 

したがって、システムの改善は何年もストップをして、ある日突然大変な事態に立ち至ってしまします。

 

このため、“ヒヤリハット的な事象、ヒヤリハットまでも行かないミスも含めた問題事象”の発掘はシステム改善や事故防止のためには重要なのです。

 

しかし、よくどの組織でもあるのですが“ヒヤリハット的な事象、ヒヤリハットまでも行かないミスも含めた問題事象”場合は、自分のミスが関わる原因である場合が多く、聞いても“何もありませんでした”で終わってしまうケースが多く、全くこのような事象の発掘はできません。改善は一歩も進まないのが実態です。

 

事例1 コミュニケーション

“ヒヤリハット的な事象、ヒヤリハットまでも行かないミスも含めた問題事象”の発掘には“どれだけ働く人どうしのコミュニケーションが図れるか”が重要です

 

私の経験から言いますと、職場の派遣作業者、パート、アルバイトの人たちのコミュニケーションは特に重要です。

 

わからないことが、周りの人に気軽に聞ける雰囲気は重要だと思います。特にその作業に豊富な経験が無い方には重要です。モチベーションの維持にもつながります。

 

上司から部下、リーダーからメンバーへの指示だけではコミュニケーションは図れません。事故も無くなりません。

 

だいたい、作業指示書、文書化したマニュアル等による、通り一遍の説明で、作業の内容が分かると思いますか? また、安全な作業方法が理解できると思いますか?

 

理解できる人は、豊富な経験に裏打ちされた人(ベテラン)たちだけだと思います。

このベテランの人たちでも、ミスもすれば、思い違いもします。

では、どうすれば良いのでしょうか。

作業を行っていくには、作業内容を説明したり、業務の打合せ、作業結果報告等、いろいろなコミュニケーションの場があります。

 

どのような場合でも、質問や意見を受け。必ず、全員から一言もらうことが重要です。わからなくても“分かった”という人もおられるでしょう。

 

真剣に“なぜ”あるいは“・・・が分かりません”と聞いてくる人も人もおられるでしょう。とにかく全員から一言貰うことが、コミュニケーションの第一歩です。

 

このようにすると、“あの人は良く知ってそうだ”、“この人は聞き易すそうだ”、“この人は話半分だ”ということが、その場の全員に理解され、上司と部下、リーダーとメンバーだけでなく、部下同士のメンバー同士のコミュニケーションが図られていきます。かつ作業に対するモチベーションの向上にもなります。

 

このような状態、雰囲気が重要です。このようなコミュニケーションが図れている職場であれば、作業終了時等の打合せ、休息時等、様々なコミュニケーションの場に、“ヒヤッとしたこと”、“危ないなと思ったこと”、“体調のこと”を発言してもらうことは可能だと思います。

 

――― 管理者の目線でないものが多く出てきて、システム改善に大いに

役立ちます。安全衛生管理だけでなく、生産性の向上にもつながるでしょう。―――

 

事例2 作業状況の映像の利用

これは、十数年前ですが、ある組織の方が、実際にされていたことなのですが、自分たちの作業風景を動画に収めて、勉強会として作業チーム全員で、安全上の問題点の洗い出しや作業上の問題点の洗い出しを実施されていました。

 

チームの方たちが皆さん「とっても勉強になり、仕事もうまく運ぶ用になりました」とおっしゃっておられて、とても感心したことを覚えています。

 

あらたまった雰囲気ではなく、雑談的に

 

“○○さん、あんなことしてはだめですよねぇ”

“ごめんごめん、つい気を抜いちゃって””

 

“ここはやっぱりこんな風にするのが良いですねぇ”

“いや、こうした方がもっと安全に、効率よくやれますよ”

 

“設備的にも問題あるよねぇ”

“少し動画を止めて、ここ少し段になっていて、この前、躓きそうになちゃった”

 

このような会話ができて、重要なところをメモにできるとシステム改善は上手くいくよね。このようなことをリスクアセスメントに利用できるともっと良いですね。

どうです、なんか簡単にシステム改善できそうな気がしませんか。

 

まとめ

今回は、職場のコミュニケーションの重要性、動画の利用が分かり易く、システム改善に大きな効果があることを、お話させて頂きました。

 

どうですか、少しは労働安全衛生マネジメントシステムをご理解いただけたでしょうか

少しでも読者の皆様の労働安全衛生活動の一助になったと思って頂けたなら幸いです。

 

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