ISO22000取得のメリット・デメリットを解説
投稿日:2021年3月9日 最終更新日:2023年5月12日
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皆さん、こんにちは。
ISOコム マネジメントシステムコンサルタントの青森誠治です。
ISOコム通信をご覧いただきましてありがとうございます。
今回はISO22000取得することで得られるメリットとデメリットについてお話しします。
ISO22000を取得するメリット
ISO22000を取得するメリットは以前のブログでもお話ししましたが、次の3つが考えられます。
①食品を安全に製造できる仕組みができる
食品企業にとって、食中毒や異物の混入
による怪我は絶対に避けたいトラブルの1つです。
ISO22000を取得するためには原材料を仕入れてから製造・販売までの工程の中で、バイ菌などの微生物や化学物質による食中毒、硬い異物による怪我などが起こる可能性を予測し、その予防方法を決めて実行しなければいけません。
それ以外にも安全な原材料を仕入れる、クレームが発生した時に再発予防する、従業員の教育を行うなど様々な仕組みを作って運用する必要がありますので、会社全体で協力して安全な食品を作ることができる仕組みが出来上がります。
また、作った仕組みは定期的に見直しをして改善をし続けていくことが求められますので、継続して取り組むと、どんどん製品の安全性は高くなっていきますね。
②効率よく、バラつきがない製造ができる
作った仕組みを上手く運用するためには、人や日によるバラつきをなくさなければいけません。
製造の方法もそうですし、お掃除や従業員さんの身だしなみなど、製品の安全性や工場の清潔さに関わるような手順やルールは、全員が毎日守って仕事しなければ、結果的に危ない製品が出来上がるかも知れないですよね。
全員がルールを守るためには、口頭だけで伝えるよりもマニュアルなどを作って誰にでも分かる方法で伝える(こういった取り組みを見える化と言います)と、間違いが起こりにくくなります。
このようにして手順やルールを正しく守られるようになると製造のミスやクレームが減るので、仕事のやり直しや、クレームの原因究明など、本来はしなくても良いはずだった仕事が発生しません。
また、会社の中で特定の人しかできない仕事があると、その人が不在の時や異動した場合などに仕事が上手く回らない、製品はできても品質が落ちるといった可能性が出てきます。
マニュアルなどで見える化し、全員が同じように作業できるようにする(これを標準化と言います)と、そのようなトラブルを防ぎやすくなりますので、仕事が安定して効率が良くなります。
これも大きなメリットですね
③会社の価値が上がる
仕組みを作り、見える化・標準化すると、安全な食品を、効率よく安定して製造できるようになりますので、お客様や取引先からの評判が良くなります。
会社の評判が良くなると、取引や売上が増えて利益が増えるというメリットもありますが、それ以上にその会社で働く人が働いていることを誇りに思えるようになります。
そうなるともっと会社を良くしたいという想いも生まれますし、一生懸命に仕事に取り組む気持ちが強くなります。
これも大きなメリットになりますね。
良い評価を短期間で得るのは簡単ではありませんので、食品安全という大きなテーマを会社全体で共有して、時間をかけて一生懸命に取り組まなければなりません。
会社内のルールだけでなく、法律などの決まり事や、お客様や取引先との約束を守り続けることも大切です。
法律違反や不誠実なことをしていると、築き上げた信頼が一瞬で崩れ去ってしまいます。
バレないと考えていても、会社内の食品安全の意識が下がる、内部から通報されるなどしていつかはバレてしまいますし、そうなった時のダメージは図り知れません。
場合によっては会社そのものがなくなってしまうことだってあります。
ISO22000を取得するデメリット
このようにISO22000を取得すると様々なメリットが得られますが、反対にデメリットはあるのでしょうか?
取得するための準備には人手も時間がかかりますし、審査を受ける費用や依頼すると外部のコンサルタント費用もかかります。
また、見える化のためにルールを整備し、全員で守るという活動の中で保守的な方やルールを大切にしない従業員さんがいた場合、反発があって会社の雰囲気が悪くなるのではないかと不安に思われるかも知れません。
しかし、そのようなデメリットは一時的なものですし、長い目で見ると会社にとってメリットとなることの方が多いのです。
デメリットばかりに目を向けず、メリットも理解した上で思い切って取り組みたいですね。
今日はISO22000取得のメリットとデメリットについてお話ししました。
ISO22000を取得しようとするとお金がかかる、今までの仕組みを変えるのが不安だ、という不安があるかも知れませんが、上手く仕組みを構築・整理できれば、かかる費用以上のメリットが生まれます。
実は、弊社の社長。昨年12月、今年の2月に食中毒になってしまいました。
幸い、大事には至りませんでしたが、痛さ、つらさは尋常ではなかったようです。
お客様がこういうことにならないよう、予防の仕組みをしっかり作って、安心して安全な食品を食べてもらう必要がありませんか?
どこから手を付ければ良いか分からない、せっかく挑戦するならメリットを最大限にしたい、そんな場合は専門家のアドバイスを受けると安心して取り組みできますね。
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