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FSSC22000規格の要求事項のポイント

投稿日:2021年12月21日  最終更新日:2023年5月12日

皆さん、こんにちは。
マネジメントシステムコンサルタントの青森誠治です。

今回は、FSSC22000規格の要求事項におけるポイントについて説明します。

FSSC22000の要求事項は、以下の3つのパートから構成されています。

・ISO22000
・前提条件プログラムに対する技術仕様書、
・FSSC 追加要求事項
これらは一体どういうものなのでしょうか?

(1)ISO22000とは?

ISO 22000は、食品安全のためのマネジメントシステムです。
Aさんが作ったときは安全だけれど、Bさんが作った時では安全でない、という食品は安心して食べられませんよね?
食品や食品に関係する資材類、サービスなどを安全に提供するためには、いつ、誰が作業しても一定の品質で製品やサービスを提供できなければいけません。
そのためには、仕事の仕方をきちんと決め、全員が決められたルールや手順を守る必要があります。

皆さんは「PDCAサイクル」という言葉を聞いたことがありますか?

PDCAサイクルというのは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(確認)、Act(処置)の4つの頭文字を取ったもので、計画したことを実行して、上手くいっているかどうかを確認し、上手くいっていないところを処置するという、改善活動のための取り組みです。

一つの商品を作るためには様々なことを準備しなければいけません。

 

まずは、どんな原材料を使ってどういう製品を作るのか、ということを決めなければいけませんし、作るために必要な道具や設備、人員が足りているかも調べておかなければ、いざ作る時になって足りなくなると困ってしまいます。

 

会社のメンバーだけするのが難しい場合は、社外の人に手伝ってもらったり、他の会社にお願いしたりする必要がありますし、食品安全に関する様々な知識を勉強し、社内で教えることも必要になるでしょう。

全てのことを自分一人でしています、という方もいるかも知れませんが、多くの会社はいくつかの部署があって仕事を役割分担していますよね。

 

安全な食品を作るためには会社全体で協力する必要がありますから、それぞれの部署がどんな仕事をしていて、それらがどのような関係性があるのか、ということもよく考えておくと良いでしょう。

クレームがあったけれど、その情報が会社内で共有されていなくてさらに大きなクレームになった、という事例もありますので、会社外や社内でのコミュニケーションを取ることも大切ですね。

 

ISO22000では、PDCAサイクルのやり方で、仕事の仕方やルール、仕組みをより良いものに改善し続けていくことが必要だとされています。
一度決めたルールでも、守れない場合はやり方を変える、守れるような工夫をする、ということが大切なんです。

 

(2)前提条件プログラムに対する技術仕様書とは?

前提条件プログラムというのは、安全な食品や包装資材が製造できるように、作業現場の環境を整えるための取り組みです。

 

例えば、きれいなものとそうでないものが混ざらないように作業場のレイアウトを整えたり、作業場の空気や使う水やガスなどをきれいに保ったり、働く人の健康管理や身だしなみに気を付けたり、食品の取り扱い方法を決めておく、というようなことです。

 

前提条件プログラムはISO22000でも必要とされているのですが、決められているのは大まかな項目だけで、それぞれの中身は具体的には決められていません。

技術仕様書には、こういう事を決めてくださいね、という具体的な中身が書かれていて、製造する商品の種類によって(例えば食品を作る会社用、食品を入れる包装資材を作る会社用など)それぞれの仕様書が作られているんです。

 

食品を作る会社であればISO/TS22002-1というものがあり、作業場の掃除や洗い物であれば、使う洗剤の種類や管理、道具の衛生的な管理、清掃の方法や頻度を決めるだけでなく、作業開始前と終了後に点検することや、効果があるかどうかの確認方法についても決めるように書かれています。

 

決めることが多くて大変に感じられるかも知れませんが、このように具体的に書かれていると、取り組みしやすいですよね。

実はISO22000の要求事項にも、この技術仕様書を考慮すると良いですよ、という要求事項があるので、ISO22000に取り組んでいる会社でも良く使われているものなんです。

 

(3)FSSC22000 追加の要求事項

追加の要求事項は、先ほどのISO22000と前提条件プログラムに追加で必要とされる取り組み内容です。

 

テレビやインターネットなどで大きな食品事故や事件のニュースが流れることがありますが、そんなニュースを聞くと、普段食べているものは安全なのだろうか、と心配になることがありますよね?

 

同じような事故や事件が続けて起きると困りますので、自分たちの会社は大丈夫だろうか?と考えて予防ができているのか確認することがとても大切です。

 

FSSC22000は食品安全の仕組みを認証するのですから、そういった取り組みをしていない会社を合格させてしまってはいけませんよね。
FSSC22000の追加の要求事項は、そんな事件や事故を予防するための取り組みについて書かれているんです。

 

例えば、事件や事故をきっかけにして食品にイタズラ目的で危険な化学物質を入れたり、量をごまかすために質の悪いものを混ぜたりすることがないように予防方法を考えましょうとか、
最近ではアレルゲンの管理の大切さが求められているので、間違って、パッケージに書かれていないアレルゲンが混ざらないような対策をする、というようなことも求められています。

 

ISO22000は、前回の2005年版から13年後の2018年に改訂されているのですが、FSSC22000の要求事項は、最新のVer.5.1が2020年に公表、その前のVer.5が2019年なので、その時に必要とされることに素早く対応して作られていると考えられることができますね。

 

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今回は、FSSC22000の要求事項についてお話ししました。

要求事項というのは、会社が取り組むべきことの枠組みが書かれたものですから、実際には皆さんの会社の仕事内容や状況に合わせた、効果が合って運用しやすい仕組みを作らなければ、せっかくの仕組みを作ってもなじまない、形骸化などしてしまい、結果、起こしてはいけない食品事故につながってしまうかも知れません。

ISOコムでは、あなたの会社の仕事内容や状況に合わせて、分かりやすくて使いやすい仕組みを皆さんと一緒に作るお手伝いをします。
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