ISO9001取得のメリットについて
投稿日:2022年10月25日 最終更新日:2024年9月28日
皆さん、こんにちは。ISOコムの芝田有輝です。
今日は、ISO9001取得のメリットについてお話ししてみたいと思います。
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ISO9001取得のメリットとは?
事業を続ける上でのリスクはたくさんあります。
しかし、ISO9001規格に対応するだけで相当な範囲の部分の脇が固められて、企業防衛になるということになると考えています。
ISO9001取得で儲かるのか?
『ISO9001をとると儲かるか?』
と時々聞かれますが、儲かる、というよりは、不良やクレームが減ったり、不良やクレームの原因となることを、規格に対応することで未然に防止することにもなります。
そうすることで、不良やクレームが減っていき、それらの対応にかかる人、時間やお金が減ることで、負のコストが減りますし、その分、製品改善や工程の改善など、前向きな仕事により専念できて、益々不良やクレームが出にくくなる、といういい循環につながっていく。
つまり、『出ていくお金が減る』ということは言えると思います。
ISO9001にマーケティングの要素はあるか?
先ほどのテーマで、『ISO9001をとると儲かるか?』についてお話ししましたが、儲かるかどうかとは、引き合いや注文が増えて利益が増えるかどうか?ということだと思います。
そういう意味では、ISO9001では、マーケティング(お客様から引き合いがくるようにする仕掛けや仕組み)や、受注率を上げるような手順や取り組みについての要求事項はありません。
そのため、ISO9001取得=儲かるという図式には少し無理があるかなと思っています。
ただ、要求事項の9.1.2項で『顧客満足』という要求事項があります。
ここで、自社製品やサービスについて対応すると、顧客がどのように評価しているかの情報を集めて分析し、その後の製品やサービスの改善につなげる、という活動はできます。
例えば、納品やサービス提供後にお客様に満足度を確認して、製品やサービスの改善につなげたり、引き合い後の受注や失注時に、その理由を顧客に確認して、引き合いから成約に至るまでのプロセス(業務)の改善につなげたりすることは可能です。
ISO9001取得の具体的なメリットとは?
さて、話がそれましたが、ISO9001取得のメリットを規格の要求事項を踏まえて具体的に挙げていきますと、
・品質への取り組み目標が明確になり進捗が見える
・不良やクレームを起こしにくくなる。
・不良やクレームが起きた時に、応急対応をし、原因を探って特定して、再発防止ができる
・事業を継続する上での心配事(リスク)やチャンス(機会)が何かを決めて、対応でき、本当に効果が出たのか確認できる
・従業員の力量が見えるようになり、誰に何を任せて良いのか情報を共有できる
・機械、設備の管理状況が見えて、必要な点検ができ、故障や工程のストップの頻度が減る
・委託先、購買先が自社の期待に叶っているか見えるようになり、期待に対して不測があれば必要な対処ができ、委託や購買に関するトラブルが減る
・引き合い時に受けていい案件か、受けてはいけない案件か判断できる
・設計開発時に間違えにくくなる
・製造時の不良や工程飛ばし、ヒューマンエラーの予防ができる
・検査する時に使う計測器が常に正しく測れるようになる
・検査基準、記録のトレースなどの管理によるリスクヘッジができる
など、沢山あります。
つまり、ISO9001の規格要求事項一つ一つに取り組むことによってメリットがあるという事が言えると思います。
また、当然一度作った仕組みでも、事業を継続していく中で、顧客要求、法律、社会的要求、従業員等の利害関係者の要求やニーズは変わり、従業員も変わり、施設や設備は老朽化し、協力会社も廃業したり、吸収合併があったりします。
つまり常に変化に対応し続けていく必要がありますが、そのあたりもISO9001では対応することを要求しています。
この辺りは、ISO9001を取得するかどうか、というよりも、事業を継続していく上で、必ずやらなくてはならないことでもあります。
ただ、往々にしてよく見られるのは、日々の生産活動やサービス提供にほとんどの時間を費やしてしまって、上記のような会社を取り巻く環境の変化への対応がおろそかになってしまうことです。
そういうときに、忙しいけれどもなんとか時間を作って、事業環境の変化に対応する情報を集めることは重要です。
そして、会社としてどのような経営資源(人、モノ、カネ、情報など)をいつ、どの程度投入していくのかということを検討し、実行していくことによって、『変化に強い会社』つまり『生き残れる会社』になっていくことが可能だと考えます。
スタートアップの会社にはISO9001を取得するメリットが特にある
たとえば、スタートアップの会社がISO9001を取得するメリットは、確実にあると考えています。
実際に事例も多数あります。
・社会的な信頼が得られる
社歴が短いために、なかなか得ることのできない『会社に対する信頼』がISOの審査を受けることによって、第三者に認められたという社会的信用を得ることができます。
このことで、新規顧客に対して営業や成約までつながりやすいという環境が得られます。
・大手や行政機関と取引する際に非常に有利に働く
上記でご説明したようなことについては、既に社歴の長い会社につきましては既に実施されている会社があると思います。
しかしスタートアップの会社の場合、なかなかそこまで追いついていないという場合があります。
そこを半強制的にISO9001の要求に対応することで、大手会社や行政機関と取引する際に、求められる手順や記録証拠がすでにそろっているということが往々にして見られます。
つまり大手や行政機関と取引する際に非常に有利に働くということになります。
協力会社やフランチャイズの管理に有効
協力会社等の管理にもISO9001にはメリットがあります。
例えば、自社がISO9001を取り、さらに協力会社やフランチャイズ先にもISO 9001を取得してもらうとことによって、合理的に管理行うことができます。
協力会社やフランチャイズ先に、あなた自身が現地に行ってあなたの会社の意向に沿った業務の実施をしてくれているかどうかを確認するのは面倒ですよね?
でもISO9001を取得してもらえば、ご自身の代わりに第三者の審査機関が実行し認証してくれるということになります。
この報告書を読める協力会社やフランチャイズの権利を確保しておけば、業務の実施状況が明確にかつ詳細にわかりますし、不足分については審査機関がフォローしてくれます。
少なくとも認証に値する状況かどうかについてはISO9001の登録を継続しているかどうかで把握することが可能です。
このことで、あなた自身が協力会社がフランチャイズ先に行って確認するという時間とコストが浮いてくるということにもなります。
実際に大手企業がよくやっている事例が多く見られますね。
審査を受けるメリット・デメリットとは?
ここまで読んでいただいた読者の皆様の中で、
『では、審査を受けなくてもISO9001に自主的に取り組むことで、そのメリットを享受できるのではないか?』
とお考えになる皆さんもおられるかと思います。
その通りです!
審査を受けるかどうかは、法律で決められたものではありませんので審査を受けて認証を受けるかどうかについては会社それぞれの判断によります。
ですのでISO9001に自主的に取り組んでいる企業様もあると聞いています。
一方で、審査を受けるとは、年に一度、定期的に外部の審査機関にISO9001の要求事項に基づいて事業が行われるかチェックしてもらうことになります。
つまり、あなたの会社に来てもらって経営層へ事業概要や変化、変化への対応などについてヒアリングを受け、各部門ごとにISO9001に基づくマニュアルや手順や記録を見てもらえるということです。
また、作業現場で責任者や作業者に直接ヒアリングをされ回答や提示する証拠のチェックを受け、皆さんが守ると決められたルールに対して不備があれば、改善の提示をされるというものです。
審査機関の選び方、審査員にもよりますが、あなたの会社の事業の専門性を兼ね備え、しっかりと理解をし、皆さんの話を丁寧に聞いてもらい、さらなる改善へ向けた提言をしてくれるという機会になるということです。
要するに、審査というのは単なる『経費から投資になり得る』ものだという風に考えることも可能です。
ISO9001を取得するデメリットとしては、審査に対応するための時間とそのための社内社外コストがかかるということでしょう。
こちらもそのコストに見合うメリットがあるかどうかを踏まえて考えられるといいかなと思います。
そういう意味では、投資として審査を受けるという風に考えた場合には、審査機関の選定というのは慎重に行う必要があります。
投資に見合わない場合には、他の審査機関に移転あるいは審査自体をやめてしまうということも選択肢の中に入るかもしれません。
以上、ISO9001取得のメリットについてお話してきましたがいかがでしたでしょうか
ISO9001の取得に早く取り組まないと、事業継続や、大手企業や行政機関との新規取引などの大きな機会損失につながってしまうかもしれません。
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