第4回 ISO14001 2015年度版解説「順守義務」とは
投稿日:2017年11月20日 最終更新日:2024年6月5日
こんにちは。ISOコム マネジメントコンサルタントの亀田 昭子です。
このブログにアクセスしていただき、ありがとうございます。
今回のブログでは、6.1.3項「順守義務」について考えていきたいと思います。
自社にあった順守義務のPDCAサイクルを回していくことが大切
6.1.3章は、題名が「法的及びその他の要求事項」から「順守義務」に変更されましたが、
要求事項は、基本的には、2004年版のISO14001から大きな変更はないようです。
但し、ISO14001:2015版 改正(改訂)では、「順守義務」という用語が4.2, 4.3, 5.2, 6.1.1,9.3章など、いろいろな要求事項の中に出てきます。
例えば、5.2章の環境方針には、「順守義務」を満たすことへのコミットメントを含むことが要求されています。
また「順守義務」という用語がなくても「順守義務」が関連している要求項目もあります。例えば、4.1, 4.4章などにある「意図した成果」の中には、「順守義務」も含まれていますし、
7.4章「内部コミュニケーション」には、法的要求事項が変更になった場合、社内の必要部署に情報伝達する必要がありますので、「順守義務」を考慮する必要があります。
環境関連法は、非常に数多くあり、その内容も多岐にわたり、全てを理解するにはとても大変です。そのため、新規に取得される組織の方にとって、仕事上の法規制はある程度理解されていても、順守評価で再確認することは大変だと思います。
ですので、
環境マネジメントシステムを構築するために必要な環境関連法を環境法関連の教本やWEB上にある建設業向けの法規制をまとめたものなどを参考にして、自社に合った評価表を作成し、対応するといいと思います。
大切なことは、自社が適用すべき環境関連法を順守しているかどうか確認し、順守していない要求事項があれば、それに対応していくというPDCAサイクルを回していくことです。
順守義務で気になる点 事例
最近、私がコンサルを行っている企業様で、順守義務チェックシート等で対応を確認していて、
気になった点を下記に記載したいと思います。
① 廃棄物処理法にあるマニフェストの交付状況報告(毎年6月30日まで)の要求に対して、
対応していなかった組織様がいくつかありました。
各マニフェストについては、きちんと対応されていますが、毎年どのくらい排出しているかをまとめ、
役所に交付状況を報告する必要がありますが、報告されていませんでした。
現在は、報告を怠った場合に対しての罰則はないようですが、今後罰則ができるかもしれないため、対応する必要があります。
② 廃棄物処理法で、
廃棄物を保管する場合の高さの厳守や表示板の大きさなどが決められていますが、対応されていないお客様もいらっしゃいました。
特に表示板については、順守評価によって認識され、規定された大きさの表示板を用意し、対応されるお客様もいくつかありました。
③フロン排出抑制法にある7.5KW以上のエアコンの定期点検ですが、
各会社様でエアコンの容量を調べていただくと7.5KW以上のものを使用している会社様もかなりあるようです。
あるお客様が本法規に対し、自社のエアコンの定期点検を空調機メーカー様に依頼しましたら、
対応していただけなかったようです。
お客様は、対応を依頼しているのにメーカー側がそのような法律を理解せず、対応が疎かになってしまうのは、
非常に問題だと感じました。
各法規制は、頻繁に改版されているので、信頼できる情報元に定期的に確認し、
また新たな事業を展開した場合には、新たな事業に関係する法規制を確認することが必要です。
対応が大変な要求項目ですが、皆様の環境マネジメントシステムを改善するためには、非常に有効な要求事項だと思います。
次回のブログでは、ISO14001 2015年度版 改正(改訂)の緊急事態について考えていきたいと思います。
今回の記事はいかがでしたか?
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【ISO14001に関する過去記事】
4.1項「組織及びその状況の理解」、4.2項「利害関係者のニーズと期待の理解」、6.1項「リスク及び機会の取組み」について(その1)
4.1項「組織及びその状況の理解」の「内部及び外部の課題」について(その2)
4.2項「利害関係者のニーズと期待の理解」について(その3)