第1回 ISO新規要求事項 4.1項「組織及びその状況の理解」、4.2項「利害関係者のニーズと期待の理解」、6.1項「リスク及び機会の取組み」について(その1)
投稿日:2017年9月15日 最終更新日:2023年5月12日
こんにちは。
今回は、2015年版ISOで新たに追加された要求事項である4.1, 4.2, 6.1章について
説明します。
マネジメントシステムの規格が2015年版になり、ISO要求項目が大きく変更になりました。
大きな変更の一つが 組織の内部外部の課題と利害関係者の期待とニーズを明確にして、
組織の機会とリスクを 分析し、取組み計画を立て、対応を行っていきましょうという要求です。
今回このような要求が新規要求事項として追加されたのは、ISOのマネジメントシステムと事業プロセスを一体化させるためです。
つまり、あなたの会社の実際にやってる仕事にISOの仕組みを合わせるということです。
新しい要求では、組織の外部及び内部の課題を明確にし、顧客だけでなく、利害関係者のニーズ及び期待を
広く理解し、これらに基づきマネジメントシステムの適用範囲を決定することがまず求められています。
さらにマネジメントシステムを組織の事業プロセスに統合させ、事業と一体となった運用を行うことで、
事業を良くしていこうという考え方が今回取り入れられています。
そのため、本来の事業とISOのマネジメントシステムを統合し、システムを運用した成果が出ているかが
2015年版ISO審査の中では重視されています。
この新しい要求事項ですが、組織(会社)の中で、既に事業計画、中期計画を立案され、それに基づいて
事業の改善を進めていらっしゃる企業様については、新たに何かを行わなくても、今行っている取組みで
対応することが可能です。(但し、ISO14001を取得されている企業様で、環境も考慮した 事業計画を
立案されている企業様は少ないようです。)
最近、マネジメントシステムの2015年版移行のためのコンサルティングを行っていますと
既に事業計画を立案されていらっしゃる企業様に対しては、今ある事業計画を及びそれに対する取組みを
教えて頂いて、ISO要求事項にも適合しているかを確認させていただいています。
その結果、必要に応じて、もう少し考慮したほうがいい点についてコメントさせていただいています。
また、事業計画を立案されていらっしゃらない企業様には、
コンサルの中で実習として、内部・外部の課題と利害関係者の要求事項を抽出し、リスクに対する取組み計画を
検討しています。
そのため、最初のコンサルの時に「事業計画を作成されていらっしゃいますか?」と聞きます。
そして、「ありません」と言われると一緒に実習で作成しております。
この実習は、会社を内から外からといろいろな観点から見るということで、企業様には興味を持って
取り組んでいただいております。
最近いくつかのお客様で、リスク分析を議論し始めると、「あ!これって、最近別のコンサルの人と
一緒に作ったよ」とおっしゃられことがありました。そのため、作成した資料を見せていただくと
SWOT分析(企業や事業の現状分析のための分析手法)されている資料が出てきます。
それらの企業様は、経営コンサルの方も入れて、SWOT分析されているようです。
「これが作成されているなら、リスク分析の実習、行わなくても大丈夫ですよ」と話すと
「え!」と驚かれます。その場合、その資料の内容の確認し、考慮していない部分があれば
それを追加・検討しています。
これこそ、ISOと事業プロセスの二分化なのかなと思います。
今まで事業は事業、ISOはISOで、ISOを認証取得しても会社は良くならないと感じていらっしゃる
企業様も多く、それを改善するため、新しい要求事項として追加されました。
今回の要求事項を理解していただければ、ISOの対応を行うことにより、事業改善にもつながっていくと
考えます。
これが今回大きな変更の一つであるリスク及び機会の取組みとなります。
次回のブログでは、ISO要求事項4.1項「組織の状況の理解」の内部及び外部の課題についての考え方を
書いていきたいと思います。
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まとめ
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【ISO14001に関する過去記事】
4.1項「組織及びその状況の理解」、4.2項「利害関係者のニーズと期待の理解」、6.1項「リスク及び機会の取組み」について(その1)
4.1項「組織及びその状況の理解」の「内部及び外部の課題」について(その2)