ISO14001解説 2015年度版 「緊急事態への準備及び対応」訓練の例
投稿日:2017年12月4日 最終更新日:2022年1月21日
こんにちは。ISOコム マネジメントコンサルタントの亀田 昭子です。
今回は、ISO14001(EMS) の8.2項「緊急事態への準備及び対応」について考えていきたます。
※【参考】ISO14001:2015年度版改訂のポイントについてはこちらをご覧ください。
緊急事態とはどんな場合が考えられるでしょうか?
多くの企業様では、緊急事態とは火災を考える場合が多いと思います。
今、ISOコムのコンサルでの緊急事態とは下記3つの場合を想定して、緊急事態を検討しています。
・会社(組織)⇒地球 (会社が地球環境に影響を及ぼす緊急事態)
・地球⇒会社(組織)(地球が会社に影響を及ぼす緊急事態)
・その他
会社が地球に及ぼすものとしては、火災、爆発、事故等による油の漏洩、排水による河川の汚染などが
相当します。また、地球が会社に及ぼすものとしては天災である地震・台風・大雨等が相当します。
それ以外の緊急事態とはどんなことでしょう?例えば、工場での労働災害などによる工場のストップ。
法規制違反や検査データ改ざんによる操業停止などが考えられます。
昨今大きな問題となっている検査員資格のない人々が検査した製品の流出による操業停止も
その他の緊急事態の一つになると思います。
最近問題になっている企業と取引のある会社様が、この問題により部材が入ってこないということを、
知り合いの方に伺いました。検査データの改ざんによる操業停止によって、影響を受ける会社様にとっても
緊急事態となると思います。
緊急事態への対応のために必要なプロセスを確立する
まず、今回のISO14001の6.1.2項で緊急事態を含めた著しい環境側面を決めることが要求され、決めた緊急事態に対して、
8.2項では、緊急事態への準備及び対応のために必要なプロセスを確立することが要求されています。
必要なプロセスとは、緊急時の連絡網や緊急事態発生時の対応体制等を確立することです。
また、その対応を定期的にテストすることや、関連する情報、教育訓練を社内の人も含め、利害関係者に提供する
ことも要求されています。
BCP(事業継続計画)に取り組まれていらっしゃる企業様ではBCPで構築したプロセスを使うことで
緊急事態に対応できると思います。
BCP(事業継続計画)とは、大災害や大事故、疫病の流行、犯罪被害、社会的混乱など、
通常業務の遂行が困難になる事態が発生した際に、事業の継続や復旧を速やかに遂行するために策定される計画を
意味します。BCPの中で定期的なテストも訓練も対応できると思います。
BCPに取り組まれていらっしゃらない企業様も最近は環境異常によるものと思われる天災が多いので、
BCPの考え方を取り入れて、社内の緊急事態の対応体制や連絡網、備蓄等を考えてみてはいかがでしょうか?
8.2c)項で、計画した緊急事態の対応処置を定期的にテストすることが要求されていますが、
テストは、訓練とは異なり、自分たちで決めたプロセスが計画通りに実施されているかを確認する作業に
なります。
また、f)項では、利害関係者に対し訓練が要求されています。社員の方々以外にも協力・外注会社の方も含めた
教育訓練が必要となります。
8.2項で要求されている緊急事態対応計画の立案、処置のテスト、訓練について、社内で取り決めた
緊急事態の対応処置に基づいて対応できるかを確認してみるといいと思います。
まとめ
今回の記事はいかがでした?
会社にとっての緊急事態が何か、万一起こった時にどうするかを決めておかないと、
右往左往して、益々事態が悪化して環境汚染が広がったり、最悪の場合は人の命が失われたりするかも知れません。
ISOコムのコンサルを受ければ、あなたの会社に合った緊急事態が何か、万一起こったときにどうするかを無理なくサポートしますのでご安心ください。きっと役立ちますし、審査合格も保証付き!
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【ISO14001に関する過去記事】
4.1項「組織及びその状況の理解」、4.2項「利害関係者のニーズと期待の理解」、6.1項「リスク及び機会の取組み」について(その1)
4.1項「組織及びその状況の理解」の「内部及び外部の課題」について(その2)