ISO14001:2015版解説 8.1項 運用の計画及び管理とは
投稿日:2018年4月9日 最終更新日:2024年6月5日
こんにちは。ISOコム マネジメントコンサルタントの亀田 昭子です。
今回のブログでは、ISO14001(EMS)8.1「運用の計画及び管理」の要求事項とその対応について、考えていきたいと
思います。
ISO14001:8章の「運用」は、PDCA(Plan-Do-Check-Action)のDoになります。
6.1章で特定した著しい環境側面、順守義務、リスク及び機会から立案した取組み計画(6.1.4章)と
環境目標(6.2.2章)を達成するための運用プロセスを確立することが、8.1.1章「運用の計画及び管理」に
要求されています。
プロセスの確立、実施、管理、維持のために必要なものとはどのようなものでしょう?
必要なものとしては、運用基準を含めた実施手順や関連技術の確立、設備などになります。
もしプロセスの一部を外部に委託されている場合は、外注先の管理も必要となります。
ISO14001:2015版では、ライフサイクルの視点に従って実施することが要求されているため、
社内での活動のみを考えるのでは不十分となります。
※【参考】ISO14001:2015年度版改訂のポイントについてはこちらをご覧ください。
例えば、製造会社で塗装を外部委託している場合は、その塗装プロセスを含めての運用管理を決める必要が
ありますし、
製品の輸送を外部委託している場合も輸送プロセスでの運用管理を考える必要があります。
具体的には、どのような運用手順を確立しなければならないでしょうか?
2015年版のISO14001の7.5章では、何を手順として作成するか、組織が決めることになっています。
どのような運用手順を確立するかを考えるために、今回のブログでは、まずプロセスについて
少し考えてみたいと思います。
ISO14001付属書A8.1にプロセスの有効性を保証するためのプロセス運用管理方法が例示されています。
・誤りを防止し、矛盾のない一貫した結果を確実にするような方法で、プロセスを設計する。
・プロセスを管理し、有害な結果を防止するための技術を用いる。
・望ましい結果を確実にするために、力量を備えた要因を用いる。
・規定された方法(手順)でプロセスを実施する。
・結果を点検するためにプロセスを監視又は測定する。
・必要な文書化した情報の使用及び量を決定する。
このようなことを考慮して、プロセスを確立する必要がありますが、
一つの例でプロセスの分析について考えてみましょう。
プロセスの分析を行う場合、どのように考えるといいでしょうか?
あるプロセスに対するインプット、アウトプット、誰が(人的資源)、何によって(設備等物的資源)、
どの様に(運用方法や評価方法)等を考えてみると分かり易いとお思います。
例えば、廃棄物管理プロセスを考えてみると下記が考えられます。
インプット:不要物(有価物も)
アウトプット:廃棄物、リサイクル品
誰が(人的資源):法的資格を持つ者、法的知識・経験を持つ者など
何によって(物的資源):廃棄物置き場、廃棄物置き場看板、廃棄物容器、計りなど
どの様に(運用方法):社内廃棄物処理手順(社内置き場、掲示板表示内容、マニフェスト発行、
報告方法など)
どの様に(評価基準):排出量、リサイクル率、廃棄物削減率、法令順守など
一例ですので、皆様の著しい環境側面や環境目標として設定したものについて、プロセスを考えてみると
運用の手順として何が必要か見えてくると思います。
次回のブログでは、具体的な運用の計画及び管理について検討してみたいと思います。
今回の記事はいかがでしたか?
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【ISO14001に関する過去記事】
4.1項「組織及びその状況の理解」、4.2項「利害関係者のニーズと期待の理解」、6.1項「リスク及び機会の取組み」について(その1)
4.1項「組織及びその状況の理解」の「内部及び外部の課題」について(その2)