ISO45001について 第7回 「6 計画」「6.2 OH&S目標及びそれを達成するための計画策定」
投稿日:2018年5月7日 最終更新日:2023年5月12日
こんにちは、ISOコム マネジメントコンサルタントの小川 次郎です。
このブログにアクセスしていただき、ありがとうございます。
前回は、ISO45001「6 計画」の「6.1.3 法的要求事項及びその他の要求事項(順守義務)の決定」と
「6.1.4 取組みの計画策定」についてお話させていただきました。
今回はこの項の最終「6.2 OH&S目標及びそれを達成するための計画策定」についてです。
前回にもISO45001「6.1.4 取組みの計画策定」という“計画策定”がありましたね。
「6.2 OH&S目標及びそれを達成するための計画策定」の“計画策定”とどのように違うのでしょうか。
「6.1.4 取組みの計画策定」は前項で拾い出した危険源及び各リスク並び各機会、順守義務に対する管理策であり、広範囲に渡っています。
もちろん、それらすべて目標とすることも可能ですが、「6.2 OH&S目標及びそれを達成するための計画策定」はそれらを踏まえて、特に目標管理として実施していこうというものです。
この「OH&S目標」として決定する場合の“満たすべき事項”がもちろんあります。
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【満たすべき事項】
a)OH&S方針との整合
b)測定可能、又はパフォーマンス評価が可能
c)考慮事項
①適用される要求事項
②リスク及び機会の評価結果
③働く人(働く人の代表)との協議結果
d)モリタリング
e)伝達
f)必要に応じて更新
また、「OH&S目標を達成するための計画」の“決定する必要のある事項”もあります。
【決定する必要のある事項】
a)実施事項(やるべき内容)
b)必要な資源(設備、人材、時間等)
c)責任者
d)達成期間
e)モニタリングするための指標を含む、結果の評価方法(目標値、チェック項目等)
f)OH&S目標及びそれを達成するための取組みを事業プロセスに統合する(業務上の
位置付け他)
これらの要件を満たせば、OKです。
余り難しく考えることはありません。具体的に、よく目標とされるのは、以下のようなことです。
・墜落災害「0」、交通事故「0」等(具体的な災害をなくそうとするもの)
・リスクアセスメントを20工程以上実施する。
・資格取得の推進「必要資格リスト完全制覇」
・ヒヤリハット事例の収集「5件/年・人 以上」
・作業手順書の見直し「関係作業全体」
・改善提案活動の実施「2件/年・人 以上」
・保護具の適正使用「違反者0、未使用者への注意喚起(声かけ運動)」
・社内教育の参加及びそのフォローの実施
・定期健康診断の受診率の向上及び要精検者の再診率の向上
・4S運動の推進(安全通路の確保、置場の明示とはみ出し禁止、一斉清掃日の実施、
4Sパトロールの実施)
・残業「0」の推進
まだまだありそうですが、もちろんこれらには実施事項やモリタリング手法や責任者等の
要件が必要です。
ISOの取組みはどちらかといえば、トップダウンが重要ですが、ISO45001労働安全衛生では、
考慮事項に「働く人(働く人の代表)との協議」を入れており、働く人が納得しなければ成功しないということなのでしょう。
実際、私の長年の安全管理の責任者あるいは業務の責任者としての経験からでも、安全に業務を行うには、安全設備はもちろん重要ですが、適度な緊張感と、働く人の気持も重要であり、これがうまく行えれば、業績も向上し、災害は発生しません。
逆に納期に迫られ無理をさせると働く人の気持が業務に集中できなくなり、安全管理は崩壊(せっかく協議して決めた手順通りに実施できなくなる)し、災害が発生します。
どんなに良いシステムでも人が行うのですから、次回に出てきますが、人の認識、意欲といった「やろうとする意識」が重要ですね。
次回、ISO45001第8回は「7.支援」についてです。この項は読んで字のごとく、このシステムを
上手く動かすためにサポートする内容についてです。楽しみにしてください。
【ISO45001についての記事】
【第1回】 ISO45001:2017の発行の動向と既存のシステムとの大きな変化
【第7回】「6 計画」「6.2 OH&S目標及びそれを達成するための計画策定」
【第8回】「7 計画」 「7.1 資源」「7.2 力量」「7.3 認識」
【第9回】「7 計画」 「7.4 コミュニケーション」「7.5 文書化した情報」
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