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ISOコム通信

【ISO9001 2015年改正版における『適用不可能項目』とは?】

2018年2月5日

【この記事の執筆者】柏木博

講座風景

こんにちは。マネジメントシステムコンサルタントの柏木 博です。

 

今回は、ISO9001:2015年版(改正/改定)の 4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の

決定における、いわゆる“適用不可能項目”について考えてみたいと思います。

 

一般的に“適用除外項目”“適用不可能項目”という表現が使用されますが,正確な表現ではありません。

規格では“要求事項の除外”“適用不可能であることを決定した要求事項”といった表現になっています。

 

即ち、規格の条項単位ではなく、それぞれの“shall”(原文は英語です。JISでは“しなければならない”と

訳されています。)で表される要求事項の一つずつについて、その要求事項を適用するかどうかを

決めることが出来ます。

 

ISO9001:2008年版では、“要求事項が適用不可能な場合には、その適用の除外を考慮することが出来る。”

ことになっています。

“その適用の除外を考慮することが出来る。”の文言が一人歩きし、恣意的に除外している事例が

あったことから、ISO9001:2015年版(改正/改定)では“除外”という用語を使用しなくなりました。

実質的にはISO9001:2015年版(改正/改定)の要求事項と変わりありません。

 

さて、お伝えしたいことはこれからです。

 

“要求事項が適用不可能な場合”あるいは“適用不可能であることを決定した要求事項”との表現から、

どのような印象をもたれるでしょうか。

「規格の要求事項に対しては、何らかの形で適用できるのであれば、その要求事項を織り込んだ

QMSにする必要がある。」と考えるのが普通であろうと思います。

 

しかし、果たして、本当にそこまでして自社のQMSに規格の要求事項を取り込むことが必要なの

でしょうか。

 

規格では、『適用不可能なことを決定した適用事項』については、

『顧客要求事項及び法令・規制要求事項を満たす製品(サービス)を提供するという組織の能力

又は責任に何らかの影響を及ぼすものであるならば、』(ISO9001:2008年版)、

又は『組織の製品及びサービスの適合並びに顧客満足の向上を確実にする組織の能力

又は責任に影響を及ぼさない限り、』(ISO9001:2015年版(改正/改定))要求事項を適用しなくても

よいことになっています。

 

この“適用不可能”について原文を見てみますと、

ISO9001:2008年版では、“cannot be applied”、

ISO9001:2015年版(改正/改定)では“is not applicable / not being applicable”と、

いずれも“not”が使用されており、“不可能”というイメージである“never”という表現は使用されて

おりません。

 

とすると、

自社のQMSの中では適用していない、あるいは適用することに無理がある要求事項なども

“適用不可能な要求事項”の対象に加えても良いのではないでしょうか。

 

ポイントは、それらの要求事項を適用しなくても、自社のQMSが提供する製品及びサービスの適合

並びに顧客満足の向上を確実にする組織の能力又は責任に影響を及ぼすことがないことだと思います。

ただし、組織の能力及び責任に影響を及ぼすことがないことを確実に証明できることが必要であると

考えられます。

 

規格の要求事項は、原則的には品質保証能力の実証及び顧客満足度の向上を目指すうえで効果的です。

従って、可能な範囲で要求事項を取り入れたQMSを構築することが推奨されます。

 

しかし、一方で、提供する製品及びサービスの適合並びに顧客満足の向上を確実にする組織の能力

又は責任に全く影響を及ぼすことがない要求事項まで取り入れることは、管理業務や組織運営の負荷が

増大し、結果的に品質保証能力の実証及び顧客満足度の向上に悪影響を生じる可能性があります。

 

このような悪影響(=リスク)が生じない範囲で規格要求事項を取り込んだQMSを構築し、

運用することが、規格の思想に一致しているのではないかと思われます。

 

ISO9001:2015年版(改正/改定)規格の仕組みは、品質保証の観点からは優れた内容です。

出来るだけ多くの会社に利用して欲しいと願っています。

このためにも、自社の品質保証の観点から自社のスタイルにあった仕組みを取り入れることにより、

多くの会社がISO9001:2015年版(改正/改定)規格に取組んでいただけることを願っています。

 

【ISO9001の改正についての過去記事】

組織及びその状況の理解とは?

利害関係者とは?

QMSの適用範囲とは?

プロセスとは?

“人々”ってなに?

リーダーシップ

リスクとは?

規格の性格

品質方針

『適用不可能項目』とは?

運用とは?

製品及びサービスに関する要求事項

設計・開発(1)

 

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