ISO9001 2015年度版 組織及びその状況の理解とは?課題の例
2017年10月4日
こんにちは。マネジメントシステムコンサルタントの柏木 博です。
今回は、皆さんが一番悩んでおられるであろう、
“組織及びその状況の理解”について例に基づいて考察していきます。
ISO9001 2015年度版の改正に伴う、品質マネジメントシステムの新しい規格が発行されてからほぼ2年になります。
現在、移行審査の真っ最中ですが、気づいたことを規格の項目に沿って順次書いてみたいと思います。
4.1 項の、二つのキーワードとは、
①『QMSの意図した結果』及び②『課題』です。
①『QMSの意図した結果』を意識されていない企業様が多いようです。
せっかくQMSを構築、活用するのですから、何を達成するかを意識するとしないでは、長年の間で大きな差が生じるように思います。
ISO9001 を和訳しているJISQ9001規格では、この規格の狙いを規格の1.に記載しています。
すなわち、a)の「品質保証能力の実証」及びb)の「顧客満足の向上」です。
規格の要求に従ってQMSを構築し、運用すれば、自然とこの狙いに沿った結果を
出せるはずなのです。これがQMSの意図した結果の一つとなります。
さらに、規格では『組織の目的及び戦略的な方向性に関連し』と規定していますので、
企業独自のやりたいことを追加して、QMSの中に折込み活用すれば、
企業経営に役立つ仕組みが出来、効果が出てくるはずです。
②『課題』については、皆さんこの言葉をどのように理解するか、困っておられる様子です。
原文の英語では“issue”となっているのですが、JISQ9001ではこの言葉を『課題』と翻訳しました。
この“issue”の意味を調べてみますと、類義語である“problem”が「解決」されるべき問題
(通常の『課題』に該当します。)を指すのに対し、“issue”は「議論」されるべき問題を
指すようです。
議論することによって、賛成の声が出たり、反対の声がでたり、賛否両論であることから
難しい決断が求められる時に使われることが多いとのことです。
また、“issue”には“関心ごと”といったような意味合いもあります。
『課題』が“issue”であることを理解したうえで規格を読んでみますと、
規格では『課題に関する情報を監視し、レビューしなければならない。』ことが求められて
いますので、『課題』の意味合いとしてはかなり長期的に論議していく必要がある問題点、
あるいは議論の対象というよりは、いろいろな物事を議論し決定する場で考慮に入れるべき事項、
ぐらいの意味合いがぴったりくるように思われます。
さらに、『組織の目的及び戦略的な方向性に関連し』との条件を考えますと、
経営層レベルが参加する月次会議や四半期毎の会議などで話題となっている議題、
あるいはそれらの会議の中で方向性を決める上で考慮に入れなければならない事項などが、
規格が言うところの『課題』に相当するのではないでしょうか。
これらの会議は、当然定期的に開催されると思いますので、『課題』については必然的に
『監視し、レビュー』することになると思われます。
このように考えると、このISO9001 2015年度版の改正による4.1項 では
殆どの会社で普通に行っていることが規定されているものと考えられます。
経営層レベルが定期的に参加している会議体や意思決定の場が何かを見ていくことから
始めるといいかも知れませんね。
【ISO9001の改正についての過去記事】
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