プロセスアプローチとは? ISO9001 2015年度版
2017年11月13日
こんにちは、ISOコム コンサルタントの柏木 博です。
今回は、“プロセスアプローチ”について考えてみます。
4.4では、QMSを構成する“プロセス”に関する要求事項が現れます。
ISO9001:2008の4.1のプロセスアプローチとほぼ同じ内容ですが、一般的には第三者審査の対象となることは少ないようですが、規格を理解する上でとても大切な要求事項と思います。
ISO9001 2015年度版改正(改訂)規格の意図した結果とは
「品質保証能力の実証」及び「顧客満足の向上」にあります。
品質保証とは、われわれが漠然と考えるイメージとは少し違うようです。
ISO9001:2015改正(改訂)では
“品質要求事項が満たされるという確信を与える”のは、お客様に対してという理解になります。
では、どのようにすればお客様に確信を与えることが出来るのでしょうか。
先ず、
①製品の製造やサービスを提供する作業の手順が定まっていること、
②作業のために適切な情報やハードウエア・ソフトウエアが提供されていること、
③作業を実施するために必要な資源(人、設備、環境等)が備わっていること、
④作業結果の判定基準などが明確になっていること
次いで、
決めた手順通りに作業が実施されたことが確認できること
勿論、使用する設備や実施手順、判定基準などが明らかなだけでなく、
決めたとおりに実施すれば、希望する製品やサービスを作り出すことが出来るものであることが必要でしょう。
つまり、『品質保証』とは、出来上がった製品の機能、性能、使い勝手、安全性、寿命等を保証することではありません。
目指す機能、性能、使い勝手、安全性、寿命等を有する製品を“このような方法で作るというように作り方を定め、定めた作り方を実施できる人や設備によって作り、
そのことを証拠により証明することができる。”
といえます。
このため、品質保証は、その企業が製造する製品や提供するサービスについて、常に安定した品質であることを保証することに
繋がります。
これがISO9001の『品質保証』の考え方です。
お客様が『ISO9001』のマネジメントシステム認証の登録を取引条件とする背景もここにあります。
お客様としては、第三者が審査した結果、安定した製品やサービスの提供を、確認を受けている取引先と取引をしたいという思い、自然であろうと思います。
このような『品質保証』を確実にするためには、顧客要求事項を決め、製品の引渡しに至るまでのいろいろな業務(プロセス)が間違いなく実施されると共に、
各業務間の繋がりが重要な役割を果たすことになります。
4.4では、『品質保証』に関わるプロセス全体についての要求ではありません。
しかし、プロセスの責任・権限や必要な資源及びその結果の判定など プロセスの一部に関する
要求事項が含まれています。
また、これ以降で扱われるプロセスの構成や繋がり、評価や改善などについての要求であり、
全てのプロセスに適用することになります。
この要求事項をうまく使用することによって、『品質保証』を実現しつつ、 効率的な製品の製造やサービスの提供に繋げていきたいものです。
【ISO9001の改正についての過去記事】
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