プロセスアプローチとは? ISO9001 2015年度版
投稿日:2017年11月13日 最終更新日:2024年8月5日
こんにちは、ISOコム コンサルタントの柏木 博です。
今回は、“プロセスアプローチ”について考えてみましょう。
ISO9001:2015の4.4項では、QMSを構成する“プロセス”に関する要求事項が書かれています。
同規格の2008度版の4.1のプロセスアプローチと、ほぼ同じ内容です。
一般的には、第三者審査の対象となることは少ないようですが、
規格を理解する上で、とても大切な要求事項と思います。
ISO9001 2015年度版改正(改訂)規格の意図した結果とは、
「品質保証能力の実証」及び、「顧客満足の向上」にあります。
品質保証とは、われわれが漠然と考えるイメージとは、少し違うようです。
ISO9001:2015改正(改訂)では、
“品質要求事項が満たされるという確信を与える”のは、お客様に対してという理解になります。
では、どのようにすれば、お客様に確信を与えることが出来るのでしょうか。
先ず、
①製品の、製造やサービスを提供する、作業の手順が定まっていること、
②作業のために、適切な情報や、ハードウエア・ソフトウエアが提供されていること、
③作業を実施するために、必要な資源(人、設備、環境等)が備わっていること、
④作業結果の判定基準などが、明確になっていること
次いで、
決めた手順通りに、作業が実施されたことが、確認できること
勿論、使用する設備や実施手順、判定基準などが明らかなだけでなく、
決めたとおりに実施すれば、希望する製品やサービスを、作り出すことが出来ることが必要でしょう。
つまり、『品質保証』とは、出来上がった製品の機能、性能、使い勝手、安全性、寿命等を保証することではありません。
目指す機能、性能、使い勝手、安全性、寿命等を有する製品を
“このような方法で作るというように作り方を定め、
定めた作り方を実施できる人や設備によって作り、
そのことを証拠により証明することができる。”
と言うことができます。
このため、品質保証は、その企業が、製造する製品や提供するサービスについて、
常に安定した品質であることを保証することに
繋がります。
これが、ISO9001の『品質保証』の考え方です。
お客様が、『ISO9001』のマネジメントシステム認証の登録を、取引条件とする背景もここにあります。
お客様としては、第三者が審査した結果、安定した製品やサービスの提供を、確認を受けている取引先と取引をしたいという思いは、当然であろうと思いますね。
このような『品質保証』を確実にするためには、
顧客要求事項を決め、製品の引渡しに至るまでの、いろいろな業務(プロセス)が、
間違いなく実施されると共に、
各業務間の繋がりが重要な役割を果たすことになります。
ISO9001:2015の4.4項では、『品質保証』に関わる、プロセス全体についての要求ではありません。
しかし、プロセスの責任・権限や、必要な資源、そして、その結果の判定など、
プロセスの一部に関する要求事項が含まれています。
また、4.4項以降で扱われるプロセスの構成や繋がり、評価や改善などについての要求であり、
全てのプロセスに適用することになります。
この要求事項を、うまく使用することによって、『品質保証』を実現しつつ、
効率的な製品の製造やサービスの提供に繋げていきたいものですね。
いかがでしたでしょうか。今回は、ISO9001のプロセスアプローチについて、
お話ししてみました。
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