【設計・開発(1) ISO9001 2015年版】
投稿日:2018年3月26日 最終更新日:2023年5月12日
こんにちは、ISOコム マネジメントコンサルタントの柏木 博です。
このブログにアクセスしていただき、ありがとうございます。
“8.3 製品及びサービスの設計・開発”については、数回に分けて記載します。
先ず、“設計・開発”の視点です。
ISO9000 2015年版の『設計・開発』の定義では、“対象に対する要求事項を、その対象に対するより
詳細な要求事項に変換する一連のプロセス”となっています。
これは、一見、ISO9000 2006年版の定義よりも広範な範囲で取り扱っているように見えます。
しかし、本質的な変更はされていないそうです。
また、ISO9001 2015年版(改正/改訂)ではISO9001 2008年版と同じく“製品の設計・開発”及び
“サービスの設計・開発”のみが『設計・開発』の対象となっています。
従って、“工程の設計・開発”などについては適用対象外であることになっています。
しかし、現時点で明確になっていない点は、それをどの立場で判断するかということだと思います。
例えば、FAX付き電話機について、子機の組立のみを外注している製造メーカーの場合を
考えてみましょう。
FAX付き電話機を購入しようとした場合、顧客視線からは電話機が備えているFAX及び電話機としての
機能、性能に着目し、希望する機能・性能を満たす製品の購入を希望するでしょう。
このため、顧客目線では電話機が備えているFAX及び電話機としての機能・性能に関する計画が、
設計開発に該当することになります。
“工程の設計・開発”に該当する電話機の子機の“組立方法の計画”については、設計・開発の対象とは
みなすことは無いでしょう。
電話機メーカーの立場からは、FAXを含む電話機全体の機能・性能のほか、FAX、電話機及び
各部品が備えるべき機能・性能についても計画が必要であり、これも設計・開発の対象になると思います。
それでも、電話機、又は部品の組立方法については、それが部品の機能・性能に影響しない限り、
設計開発の対象となることはないでしょう。
これに対し、電話機メーカーから依頼を受けた子機の組立メーカーでは“組立作業”をサービスと
することから、“工程の設計・開発”に該当する“組立方法の計画”を設計・開発として捉える見方があります。
“工程の設計・開発”に関しては、ISO9001 2015年版(改正/改訂)“8.3 製品及びサービスの設計・開発”の
要求事項がマッチしない場合があります。
このため、“工程の設計・開発”については、要求事項をどのように適用するか、検討が必要でしょう。
ポイントは、顧客視点から見て、『それらの要求事項を適用しなくても、自社のQMSが提供する製品及び
サービスの適合並びに顧客満足の向上を確実にする組織の能力又は責任に影響を及ぼすことがないこと。』
ではないでしょうか。
無理矢理に“8.3.2 設計・開発の計画”の要求事項全てについて計画する必要は無く、
サービス品質実現上必要な範囲で規格要求事項に適合していれば良いと思われます。
【ISO9001の改正についての過去記事】
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