リーダーシップ ISO9001 2015年版
投稿日:2017年12月11日 最終更新日:2023年5月12日
ISO9001 2015年版(改正/改定)の5.1.1項 では、a)~j)によってトップマネジメントのQMS(品質マネジメントシステム)に関するリーダーシップ及びコミットメントの実証が求められています。
1.a) では、トップマネジメントはQMSの有効性に説明責任を負うことが求められています。
誰に対して、何のために説明責任を負うことになるのでしょうか。
原文にある、“accountability”という語の意味を調べてみますと、
『社会の了解や合意を得るために“業務や研究活動の内容”について対外的に説明する責任』とのことです。
すると、ここでは、お客様を含む社外の利害関係者に対してQMSが有効であることを説明する責任と考えることが適切ではないでしょうか。
この後に続くb)、c) では事業プロセスとQMSの統合を配慮した要求事項となっていることから、この要求事項が追加された背景は、トップマネジメントにリーダーシップをとり、もっともっとQMSの維持・運用に関与することが求められているのではないでしょうか。
それでは、QMSが有効であることについてどのようにして“accountability”をおこなえばいいのか。
ISO9001 2015年版(改正/改定)における目的が1.項のa)、b) にあるので、
この目的が達成できていることがQMSの有効性に繋がることになるでしょう。
更に、企業独自の目的がある場合には、その目的に達成状況から有効性を評価できるかもしれません。
トップマネジメントは、これらの目的が達成できるようにリーダーシップをとり、組織を指揮することが求められています。
さらに、これらの目的が達成できていることを確認することも求められています。
目的の達成状況を確認する上では、この目的が達成できているか否かを判定する指標があれば分り易いでしょう。
ISO9001 2015年版(改正/改定)では、9.1.3項 では“QMSのパフォーマンス及び有効性”を評価するための
適切なデータ及び情報を明確にすることが求められていますので、ここで定めたデータ及び情報、
又はこれらから分析した結果などからQMSの有効性を評価できる指標を選べばよいでしょう。
さらに、9.3.2 では、“QMSのパフォーマンス及び有効性”に関連する情報として1)~7) が例示されていますので、
これらの情報から選んでも良いでしょう。
具体例について考えてみましょう。
1.項のa)の目的、即ち品質保証能力の証明の観点からは、お客様からのクレーム、不平・不満の発生数
又は発生頻度などが指標のひとつとなります。
また、社内での不適合や不適合品の発生数なども指標として捉えることが可能です。
勿論これらの指標の数値は少ないに越したことはありませんが、たとえこれらの数値が大きかったとしても、
これを減らすために何らかの手をうっており、少なくとも、その部分では効果が出ていればQMSは有効に運用されているとの評価が得られるのでしょう。
1.項のb)の目的、即ち顧客満足度の向上達成の観点からは、顧客アンケートによる自社の製品等の評価結果、
受注リピート率、失注率などを指標として選べばよいでしょう。こちらについても評価の考え方は上と同じで良いと思われます。
『QMSが有効に運用できています。』といえるように、指標を選択し、その指標を上昇させるための方策を
計画・実施し、その結果として受注・売上の向上につながることが改訂された規格の狙いの一つにあると思っています。
是非、皆様の会社が『QMSは有効です。』と言えるようになって頂きたいと思います。
【ISO9001の改正についての過去記事】
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