【製品及びサービスに関する要求事項 ISO9001 2015年版】
投稿日:2018年3月5日 最終更新日:2023年5月12日
今回は、8.2についてです。
ISO9001 2008年版に比べ、順番が変更になっています。
ISO9001 2008年版では、コミュニケーションは要求事項の明確化、レビューの後に規定されていました。
通常、業務の流れとしては、顧客とのコミュニケーション、引合い、ネゴシーションなどを経て、
要求事項の明確化、そのレビューへと繋がっていくことが多いので、ISO9001 2015年版(改正/改訂)では
その流れに沿った順番となりました。
8.2.1 は“顧客とのコミュニケーション”となっています。
a)、b)については、営業部門が窓口になる場合が多いと思われますが、c)、d)、e)については、
営業部門以外が窓口になる場合があります。
このため、7.4のコミュニケーションの要求事項を満たしておくことが求められます。
すなわち、内容によってどの部門または誰が窓口になるのか、どのような方法でコミュニケーションを
とるのか、等々について取り決めがあることが望まれます。
8.2.2 では、製品またはサービスに関連する要求事項の明確化が要求されています。
規定の内容を読めば分りますが、ここではお客様からの要求事項ではなく、自らが定めた要求事項に
ついてされています。
すなわち、ここでは基本的には、[B to C]で提供する製品及びサービスに対する要求事項であることが
想定されています。
また、[B to B]であっても、カタログ販売やオンライン販売などは、この要求事項で対応できる
ケースがあります。
これらの製品については、顧客のニーズ、世の中のトレンドや情勢、コンペティターの動向等を
調査・分析し、どのような製品・サービスを提供していくかを計画します。
このような製品・サービスを計画する場合に、合わせて検討すべき事項を規定していると考えられます。
すなわち、どんな製品が提供できるのか、どのようなサービスが提供できるのかを明確にすることが
求められています。
この内容から、この要求事項に対応するのは必ずしも営業部門だけではなく、企画部門、設計部門、
製造またはサービス提供部門などが想定されます。
これに対し、8.2.3 では、お客様からの具体的な要求事項についての対応が規定されています。
[B to B]であれ、[B to C]であれ、個別具体的にお客様の要求を確認したうえで製品またはサービスを
提供する場合の要求です。
具体的には以下の要求事項について、レビューすることが求められています。
・お客様が提示した、明示または黙示の要求事項。
・組織自体が付加する要求事項(顧客要求事項に対する制限、または追加要求事項)。
・法令・規制要求事項。
このレビューについては営業部門だけでなく、設計部門、調達部門、製造部門とのインターフェースが
必要となってくる場合があります。
なお、規格では“製品及びサービスを顧客に提供することをコミットメントする前”にレビューすることが
求められていますが、受注後、作業の進行と共に要求事項が明確になるケースは多々あります。
このような流れが要求事項に適合しないとの指摘があるのであれば、“コミットする前のレビュー”については
『適用不可能』とすべきでしょう。
なお、カタログ販売やオンライン販売でも、商品をカスタマイズして販売する場合には、顧客要求事項を
反映する必要がありますので、8.2.3 が適用されます。
余談ですが、『顧客がその要求事項を書面で示さない場合には、組織は、顧客要求事項を受諾する前に
確認しなければならない。』との要求事項は、飲食店では徹底されています。
例えば、一人でうどん屋へ行ってキツネを注文すると『ご注文を繰り返します。キツネうどん1杯で
間違いございませんか。』と聞かれるのがその典型である。
複数の品を注文した場合はともかく、たかがキツネ1杯の注文をわざわざ繰り返す必要があるのか、と
何時も疑問を感じています。
なお、8.2.4 で要求事項の変更が規定されていますが、もともとは要求事項のレビューと一緒に
記載されていましたが、単独の条項として強調されています。
【ISO9001の改正についての過去記事】
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